繊維配向充填+保圧解析は複合材料の挙動を予測するために使用します。射出成形の繊維強化熱可塑性樹脂は、繊維複合材料 (樹脂材料と充填材料の複合材) の主要な商業用途の 1 つとなっていますが、他の流動解析アプリケーションに比べてプロセスのモデリングが複雑になります。
対象の複合材料は、粘性媒体内 (樹脂) に分散するファイバーの粒子と考えられます。ファイバー間には、機械的または流体力学的な相互作用が存在します。多数の市販複合材料には、重量比で 10~50% のファイバーが添加されています。このようなファイバーは、機械的特性と流体力学的特性の両面で繊維相互作用が働く高濃度懸濁液と考えられます。
射出成形した複合材料は、繊維配向の分布は層状の性質を示し、充填速度、成形条件、材料挙動、およびファイバーのアスペクト比と濃度の影響を受けます。ファイバーの挙動が適切に考慮されないと、配向レベルを著しく過大評価する傾向があります。Moldflow 繊維配向モデルを使用することで、広範な材料および含有ファイバーに対する配向予測の精度が大幅に向上します。
複合材料の主要な機械的特性は、要素ごとに計算された配向データから算出されます。金型形状、含有ファイバーが異なる場合、また利用可能な繊維配向モデルが異なる場合では、機械的特性が著しく異なる可能性があります。
繊維配向解析結果を、応力または反り解析の入力値として使用することで、より詳細な要素結果が提供でき、解析の精度を大幅に向上できます。