影を使用すると、より奥行きのあるリアルなレンダリング イメージを作成できます。
影は、シャドウ マッピングまたはレイ トレーシングによって作成できます。
シャドウ マップではレイトレースに比べて、よりソフトなエッジの影がより短時間で生成されますが、影の正確さでは劣ります。シャドウ マップは、ソフトなエッジの影を作成する唯一の方法ですが、透明または半透明のオブジェクトが投じる色は表示されません。
次の例は、シャドウ マップが生成する、よりソフトで正確度の低い影を示しています。
シーンのレンダリングの前処理中に、シャドウ マップのビットマップが作成されます。影の品質は、シャドウ マップのサイズを大きくまたは小さくすることでコントロールできます。シャドウ マップの既定のサイズは、256 x 256 ピクセルです。影が粗すぎる場合は、マップのサイズを大きくすることで品質を改善できます。透明なサーフェスを通して光が差し込むような場合は、シャドウ マップによる影を使用しない方がよいでしょう(たとえば複数のガラスがはめ込まれた窓で、窓の枠や仕切りによる影を付ける場合など)。このような場合に、窓の仕切りによる影を付けるためには、ガラスを除去します。
レイ トレースは、光源からサンプリングした光線(レイ)の経路を追跡(トレース)します。影は、光線がオブジェクトによって遮られた部分に現れます。レイトレースによる影は、より正確でエッジがシャープになりますが、計算に時間を要します。
次の例に示すように、レイ トレーシングでは処理に時間がかかりますが、よりリアルで正確な影が作成されます。
レイトレースによる影には、シャープなエッジと正確な輪郭があり、透明または半透明なオブジェクトが写し出す色も表示されます。このため、複数のガラスがはめ込まれた窓の枠や仕切りによる影もレンダリングされます。レイトレースによる影はマップを使用せずに計算されるので、シャドウ マップによる影のように解像度を調整する必要はありません。
影をオンにしている場合は、3 つの影モードの設定から選択できます。影モードは、[シンプル]、[ソート]、[セグメント]のいずれかに設定することができます。
モデルに影を付けるためには、照明を設定する必要があります。シーンに光源を追加し、その光源によって影を付けるかどうかを指定する必要があります。シーンを設定するときに、ビューポートで影を表示するには、表示スタイルの影をオンにする必要があります。レンダリング イメージで影を表示する場合は、[レンダリング詳細設定]パレットで影をオンにし、影の種類を選択して、レンダリングする必要があります。