エネルギー解析用にモデルを準備するときは、自動サーマル ゾーニングを使用することで、エネルギー シミュレーションの精度を向上させることができます。
一般的なサーマル ゾーニングは、外部露出がある周長ゾーンのグループと、外部露出がほとんどまたはまったくない躯体ゾーンのグループで構成されます。一般的に、建物の躯体は周長ゾーンに発生する熱の増減の変化にさらされることはありません。したがって、躯体の冷暖房負荷は、建物の周長の負荷とは異なります。サーマル ゾーニングではエネルギー シミュレーションでこれらの違いを考慮します。
本ソフトウェアには、追加のモデリングなしに、エネルギー シミュレーションの精度を向上させるための自動サーマル ゾーニング機能が備わっています。エネルギー モデルを作成するときには、ASHRAE モデリングの推奨事項に基づいて、各床のジオメトリに固有のゾーンに建物を分割します。
建物の内部レイアウトがまだ決定しておらず、HVAC システムに対する建物のゾーニングの方法をまだ決めていない場合は、自動サーマル ゾーニングが重要になります。建物の内部レイアウトがまだ決定しておらず、HVAC システムに対して建物のゾーンをどのように設定していいのか分からない場合は、自動サーマル ゾーニングが重要になります。結果として、初期段階にエネルギー シミュレーションを実行することにより、プロセスの初期段階において設計に関する重要な意思決定を行うことができます。エネルギー解析モデルを更新して設計の変更を反映させると、自動サーマル ゾーンも同様に更新されます。
ソフトウェアが実行する自動サーマル ゾーニングのタイプは、[エネルギー設定]ダイアログで指定した[解析モード]によって異なります。
用途... | [解析モード]の設定... |
---|---|
追加のモデリングなしに、より正確な結果が得られる高度な自動サーマル ゾーニング(推奨)
(マスか建物要素のいずれか、またはその両方で使用) |
[コンセプト マスと建物要素を使用] |
追加のモデリングなしに、結果を改善する簡易自動サーマル ゾーニング
(マスのみで使用) |
[コンセプト マスを使用] |
サーマル ゾーニングを使用しません。代わりに、建物エネルギー シミュレーションは、モデルに配置されている部屋とスペース、または部屋境界の建物要素で設定される部屋に依存します
「エネルギー解析の部屋とスペースについて」を参照してください。 (建物要素のみで使用) |
建物要素を使用 |
自動サーマル ゾーニングを使用する代わりに、カスタム サーマル ゾーニングを実行すれば、設計意図をより正確に反映させることができます。たとえば、複数階にまたがるアトリウムのモデリングをする場合、固有のサーマル ゾーンを使用して表現する必要があります。たとえば、モデルを複数階のアトリウムにする場合、固有のサーマル ゾーンを使用して表現する必要があります。
高度なサーマル ゾーニングは、エネルギー シミュレーションの精度を向上させるための複雑なアルゴリズムを使用しています。エネルギー モデルに要素を追加しません。代わりに、解析スペースと解析サーフェスを使用してサーマル ゾーンを表します。
このタイプの自動サーマル ゾーニングは、コンセプト マスか建物要素のいずれか、またはその両方で構成されるモデルに使用できます。エネルギー シミュレーションには、高度なサーマル ゾーニングをお勧めします。
高度なサーマル ゾーニングの場合、[エネルギー設定]ダイアログで次のパラメータを設定します。
これらの設定を使用してエネルギー モデルを作成すると、建物の周長の曲りが 45 度を超えている場合に、ソフトウェアによってスペースがサーマル ゾーンに分割されます。
コンセプト マスの場合、単純なサーマル ゾーニングによって建物が自動的に、躯体と、北東、南東、北西、南西の周長の 4 つのサーマル ゾーンに分割されます。
単純なサーマル ゾーニングでは、コンセプト マスを使用するモデルを作成し、[エネルギー設定]ダイアログで次のパラメータを設定します。