照明に関する指針

写真家、映画製作者、舞台設計者が使用する照明に関する指針は、3ds Max のシーンのライト セットアップにも役立ちます。

ライトの選択は、シーンで自然光または人工的な光をシミュレートするかどうかで決まります。日光や月の光のような自然の光によって照らされているシーンでは、1 つの光源から最も重要な照明が得られます。その一方で、人工的なライトが当てられているシーンは、多くの場合、強度が同程度の複数の光源を持ちます。

注: フォトメトリック ライトではなく標準ライトを使用する場合は、いずれのシーンでも、照明効果を出すために複数の二次的光源が必要になります。

シーンが屋内か屋外かということも、マテリアル カラーの選択に影響します。マテリアルをデザインを参照してください。

自然光

自然のサンライトに照らされた屋外のシーン

地上のサンライトには、単一方向からやってくる平行光線が含まれています。その方向と角度は、時刻、緯度、および季節によって異なります。

晴天の場合、日照光の色は黄白色です。たとえば、RGB 値を 250、255、175(HSV 値は 45、80、255)に設定します。曇天の場合、日照光は青みを帯びた色になり、嵐になると、次第に暗いグレーに変化します。空気中の粒子によって、太陽光はオレンジがかった色または茶色みを帯びた色になることがあります。日の出と日暮れには黄色からオレンジ色または赤色へと変わります。

3ds Max には、太陽をシミュレートする複数のデイライト システムがあります。サンライトとデイライト システムを参照してください。単一のデイライト システムは、日光に照らされているシーンの主光源に適しています。

mental ray でレンダリングする場合、mr Sky ポータルを使用してデイライト システムから室内にスカイライトを効率的に取り込むことができます。

晴れた日のくっきりとした影は、自然光に照らされたシーンの 3 次元性を表現するのに欠かせません。

指向性ライトでも、太陽よりも白く薄暗い月の光をシミュレートできます。

人工の光

1 本の街灯で照らされた夕暮れの屋外のシーン

人工光は、室内で使用する場合でも夜間屋外で使用する場合でも、複数のライトを使用します。次のガイドラインは、普通に照らされた、簡単に目に見えるシーンを作成するためのものです。このガイドラインに従う必要はありませんが、シーンの対象よりもライトそのものに注意を向けてください。

シーンの対象物は、「キーライト」(主光線)と呼ばれる単一の明るい光で照らす必要があります。主光線を対象の前面少し上に配置します。

主光線の他に 1 つまたは複数のライトを配置して、対象の背面と側面を照らします。これは「フィル ライト」(補助光)と呼ばれます。補助光は、主光線に比べて低い輝度のライトです。

補助光を 1 つだけ使用する場合、補助光、対象、主光線の角度がおよそ 90 度をなすようにします。

主光線と補助光によるライティングが、シーンの対象を際立たせます。さらに、シーンの 3 次元性も強調されます。

3ds Max では、スポットライトは通常、主光線に最も適しており、スポットライトまたはオムニ ライトはいずれも補助光ライトの作成に適しています。ターゲット スポットライトフリー スポットライト、およびオムニ ライトを参照してください。周囲光も補助光の 1 つです。

シーン内の二次的対象を強調するために、ライトを追加することもできます。舞台用語では、これらのライトのことを「特殊ライト」といいます。特殊ライトは、通常、補助光よりも明るく、主光線よりも暗い光です。

物理に基づいたエネルギー値、分配、および色温度を使用してデザインするには、フォトメトリック ライトを作成します。

周囲光

左: 周囲光なし

中央: 既定値の周囲光

右: ユーザ調整済みの周囲光

3ds Max における周囲光は、拡散反射サーフェスから反射したライトの一般照明をシミュレートします。周囲光の設定は、シャドウ内のサーフェス、または光源から発光を直接受けないサーフェスの発光レベルを決定します。[環境](Environment)パネルの周囲光レベルは、すべての光源を考慮する前にシーンの基本的な発光レベルを確立し、シーンが最も暗くなったときのレベルとなります。

周囲光が最もよく使用されるのは屋外のシーンで、空の広々としたライトが、直接日光が当たらないサーフェスに均等に分配された反射光を生成します。影を濃くする一般的なテクニックは、周囲光のカラーをシーンの主光線の補色にすることです。

屋外とは異なり、屋内のシーンには通常多くのライトがあるので、一般的な周囲光レベルは局部的な光源の拡散反射をシミュレートするのに適していません。屋内では普通、シーンの環境周囲光レベルを黒に設定し、周囲光に効果のあるライトを使用して、拡散反射の領域だけをシミュレートします。

シーンの周囲光は[環境と効果](Environment And Effects)ダイアログ ボックス [環境](Environment)パネルで設定します。ライトが周囲光の照明のみに影響するようにするには、[拡張効果](Advanced Effects)ロールアウトの[周囲光のみ](Ambient Only)チェック ボックスを使用します。