CATMuscle

CATMuscle は複数のセグメントで構成されるヘルパー オブジェクトで、レンダリングはされません。CATMuscle は、肩や胸のように、筋肉の伸びや変形の仕方がほぼ一定の、広い領域に最適です。

CATMuscle を作成したら、セグメント化の方法や、衝突検出のプロパティなどを変更できます。

手順

CATMuscle を使用するには:

  1. マッスルのアタッチ先とするキャラクタ リグを作成またはロードし、どこにマッスルをアタッチするかを決めます。
  2. CATMuscle オブジェクトを追加して、リグ上に配置します。
    注: CATMuscle オブジェクトはレンダリングされません。ビューポートでスキンの下に CATMuscle オブジェクトが表示されていても、最終的な出力では表示されません。
  3. 必要に応じて、CATMuscle のパラメータを設定します。たとえば、[スキン](Skin)モディファイヤと組み合わせる場合は[タイプ](Type)を[ボーン](Bones)に設定し、[スキン ラップ](Skin Wrap)モディファイヤと組み合わせる場合は[メッシュ](Mesh)に設定します。
  4. メイン ツールバーで ([選択してリンク](Select And Link))をクリックし、CATMuscle のいずれかのコーナーのハンドルを、アタッチ先とするボーンまでドラッグします。
  5. 残りの 3 つのコーナー ハンドルすべてについて、手順 4 を繰り返します。
  6. さらにマッスルを追加する場合は、手順 2 ~ 5 を繰り返します。 筋肉を隆起させたい場合は、マッスル ストランドを追加して、CATMuscle の衝突オブジェクトとして設定します。
  7. キャラクタをスキニングして、マッスルをボーン([スキン](Skin)モディファイヤを使用する場合)またはコントロール オブジェクト([スキン ラップ](Skin Wrap)モディファイヤを使用する場合)として設定します。

インタフェース

CATMuscle を構成するマッスルそのものは、矩形に並んだ複数の平坦なパネルと、マッスル全体の形状設定に使用する各コーナーのハンドルからなります。それぞれのコーナー ハンドルには、ベジェ カーブのノットのハンドルに似た 2 つの補助ハンドルがあり、サイドの形状を細かくコントロールできます。さらに、中間ハンドルを追加して、マッスルの内側の形状をコントロールすることもできます。これらのハンドルはすべてオブジェクト レベルで選択、移動できます(CATMuscle にはサブオブジェクト レベルはありません)。

タイプ
[メッシュ](Mesh)または[ボーン](Bones)を選択します。どちらのタイプも、ハンドルを動かすことでマッスルの形状を変更できます(それぞれのハンドルには固有の名前が付きますが、これらのハンドルもマッスルの一部です)。違いは以下のとおりです。
  • [メッシュ](Mesh) パネル同士が常に完全にアタッチされた状態となるため、マッスルは 1 つの塊として機能します。このモードは、[スキン ラップ](Skin Wrap)モディファイヤと組み合わせて使用する場合に最適です(「使用法」を参照)。

    CATMuscle を[メッシュ](Mesh)に設定した場合

  • [ボーン](Bones) 個々のパネルが個別のボーンとして機能します。ハンドルを動かしてマッスルの形状を変更すると、パネル同士がわずかに分離します。したがって、すべての球を必要としない場合は、一部の球のみを[スキン](Skin)モディファイヤにアタッチできます。

    CATMuscle を[ボーン](Bones)に設定した場合

    注: ボーン タイプの CATMuscle では個々のパネルを選択できますが、いずれかのパネルを動かすとマッスル全体が動きます。
スキューを削除
[タイプ](Type)を[ボーン](Bones)に設定した場合は、ハンドルを動かしてマッスルを変形させたときに、パネルのコーナーが 90 度以外の角度になることがあります。パネルのコーナーを常に直角に保つには、[スキューを削除](Remove Skew)をオンにします。このオプションは、[タイプ](Type)を[ボーン](Bones)に設定した場合にのみ使用できます。

このオプションは主に、マッスル オブジェクトをスキューされたボーンをサポートしていないゲーム エンジン用に書き出す際に使用します。

CATMuscle を[ボーン](Bones)に設定した場合([スキューを削除](Remove Skew)をオン)

[プロパティ](Properties)領域

名前
マッスルのコンポーネントのベース名。CAT では、この名前をさまざまなコンポーネントのベースとして使用します。

たとえば、メッシュ タイプの CATMuscle に Lats という名前を付けると、マッスル自体の名前は LatsM になり、コーナー ハンドルの名前は LatsM_A 、LatsM_B... となります。さらに、補助ハンドル(コーナー ハンドルにアタッチされたハンドル)の名前は LatsM_AB... といった具合になります。

ボーン タイプの CATMuscle では、各パネルに固有の名前が付きます。パネルの名前は、基本名、M、パネルの行番号および列番号(どちらも 0 から始まります)からなります。たとえば、20 x 20 のマッスルの場合は、1 行目の 10 番目のパネルは LatsM09、15 行目の 12 番目のパネルは LatsM1411 となります。ハンドルの命名規則は、前述したメッシュ タイプのマッスルと同じです。

カラー値
マッスルとそのハンドルのカラー。このカラーを変更するには、カラー サンプルをクリックします。
マッスルの設定をコピー
選択した CATMuscle の設定をメモリ バッファにコピーし、貼り付けられるようにします。
マッスルの設定を貼り付け
別の CATMuscle からコピーした設定を選択したマッスルに貼り付けます。
[U セグメント](U Segs)、[V セグメント](V Segs)
マッスルを、横方向と縦方向にいくつのセグメントに分割するかを指定します。この値が大きいほど、マッスルをより細かく変形させることができます。
[左](L)、[中間](M)、[右](R)
[左](Left)、[中間](Middle)、[右](Right): リグのどちら側にマッスルを設定するかを設定します。たとえば、まず[左](L)オプションをオンにしてリグの左側にマッスルをセットアップします。その後、中心軸を基準にしてマッスルをミラーリングしてから、[右](R)オプションをオンにします。
[ミラー]: [X]/[Y]/[Z]
マッスルをそれぞれの軸に沿って配置します。このオプションは、マッスルをミラーリングする場合に便利です。

[ハンドル](Handles)領域

CATMuscle には各コーナーに 1 つずつハンドルがあります。さらに、それぞれのハンドルには、ベジェ カーブのノットのハンドルと似た機能を持つ補助ハンドルが 2 つずつあります。これらのハンドルを動かして、マッスルの形状を変更できます。また、ハンドルを別のオブジェクト(たとえば、キャラクタ リグのボーンなど)の子としてリンクさせることもできます。その場合は、親オブジェクト(たとえば、ボーン)を動かすとハンドルも動き、それに従ってマッスルが変形します。

表示
マッスルのハンドルの表示/非表示を切り替えます。

ビューポートでは通常、ハンドルはマッスルを囲むワイヤフレームの立方体として描かれます。ハンドルを非表示にするには、[表示](Visible)をオフにします。

マッスルをボーンに接続した後はハンドルを選択する必要がなくなるため、ハンドルを非表示にするとビューポートが見やすくなります。

中間ハンドル
マッスルの中央付近に表示される、各コーナー ハンドルに接続されたベジェタイプの補助ハンドルの表示/非表示を切り替えます。このハンドルを使用すると、マッスルの形状をさらに細かくコントロールできます。
ハンドル サイズ
各ハンドルのサイズ。この値を変更すると、すべてのハンドルのサイズが変更されます。通常、ハンドルのサイズは、マッスルの作成時の全体的なサイズに比例しますが、この設定を使用してハンドルを大きくしたり小さくしたりできます。

[衝突探知](Collision Detection)領域

CATMuscle は、ハンドルを動かして形状を調整できるだけでなく、マッスルの周囲に衝突オブジェクトを指定して、その近くでマッスルを変形させることもできます。たとえば、球体を衝突オブジェクトとして使用して、その球を CATMuscle と交差するように動かすと、球に近い部分のマッスルが隆起します。変形は衝突オブジェクトの中心で最大になり、外側へ向かって徐々に小さくなります。その際、衝突オブジェクトごとに衝突アトリビュートを個別に指定できます。

CATMuscle の形状を、マッスル ストランドと球を使って変形させた例。球は[シースルー](See-Through)表示に設定されているため、変形が完全に表示されています。

衝突オブジェクトをピック
このボタンをクリックしてオブジェクトを選択すると、衝突オブジェクトとしてリストに追加されます。
ハイライトされた衝突オブジェクトを削除
リストのエントリをハイライト表示して、このボタンをクリックすると、そのエントリがリストから削除れます。
リスト
現在のマッスルのすべての衝突オブジェクトがリストされます。リストからオブジェクトを削除したり、オブジェクトのプロパティを変更するには、リストで目的のオブジェクトをハイライト表示してから、適切なコントロールを使用します。
硬さ
ハイライト表示されているリスト項目でマッスルをどの程度変形させるかを定義します。既定値は 1.0 です。
歪み
衝突オブジェクトによって生じる変形に凹凸を加えます。この値は、通常は 0.5 より小さく設定することをお勧めします。
[頂点法線](Vertex Normal)、[オブジェクト X](Object X)
衝突オブジェクトによって生じさせる変形の方向を選択します。この操作は、リストで衝突オブジェクトがハイライト表示されている場合にのみ実行できます。
  • [頂点法線](Vertex Normal)既定値では、このオプションがオンになっています。マッスルを、対象領域のサーフェス法線の方向、つまりサーフェスに対して垂直に変形させます。
  • [オブジェクト X](Object X)衝突オブジェクトのローカル X 軸の正の方向にマッスルを変形させます。変形の方向を変更するには、衝突オブジェクトを回転させます。

    この設定を使用すれば、スキンのチューブ状の部分(腕など)の内側に衝突オブジェクトを設定して CATMuscle を衝突させることができます。2 つの CATMuscle 同士が接するエッジ部分では、歪みによってそれぞれのエッジ上の点と点が別々の方向に動き、マッスルが裂けてしまう場合があります。そうした状況は、通常は避けたいものです。[オブジェクト X](Object X)をオンにすると、2 つのマッスルが同じオブジェクトによって変形されるため、エッジ沿いの点は同じ方向に動きます。

スムーズ
このオプションをオンにすると、衝突オブジェクトによって生じる変形が均一化されます。この操作は、リストで衝突オブジェクトがハイライト表示されている場合にのみ実行できます。
反転
衝突オブジェクトによって生じさせる変形の方向を反転させます。この操作は、リストで衝突オブジェクトがハイライト表示されている場合にのみ実行できます。