表示レベルは、オブジェクトを形成するコンポーネントの描画方法を定義します。従来の CAD や手書きの製図では、ドアなどの単体のオブジェクトは、通常、図面が変わるたびに繰り返し描きます。これらの図面では、ドアの各インスタンスは別々の線図の集まりです。AutoCAD Architecture では、オブジェクトを表示するのに使用される表示方法に応じて描画の方法を変更することができるオブジェクトを生成することができます。
ほとんどの AEC オブジェクトは、個々のコンポーネントから構成されます。たとえば、ドアは、ドア パネル、フレーム、停止、スイング、ガラス、敷居などのコンポーネントから構成されます。また、組子を含めることもできます。
オブジェクトの各コンポーネントには、そのオブジェクトの表示レベルを決定するのに役立つ物理プロパティとグラフィカル プロパティの両方が含まれます。
オブジェクトの物理プロパティは、一般にオブジェクトの作成時に決定します。たとえば、ドアの場合は、そのサイズと壁に配置する位置を指定します。オブジェクトのグラフィカル プロパティは、その表示レベルでコントロールします。同じオブジェクトで複数の表示レベルを定義できます。
表示は、通常、特定のビューを念頭において設計しますが、ビュー方向に左右されません。
表示レベルが異なるさまざまなビュー方向から表示されたオブジェクト
どのオブジェクトにも、あらかじめ表示レベルが定義されています。大部分のオブジェクトには、[プラン]、[モデル]、[天井伏せ]の各表示レベルが含まれています。カメラや参照 AEC オブジェクトなどの一部のオブジェクトには、ビューを変更してもオブジェクトの表示が変わらないため、一般表示レベルしかありません。
1 つのオブジェクトを、様々な描画タイプに応じて様々な方法で描くことができます。たとえば、プラン表示レベルでは、ドア パネル、フレーム、停止、スイングなどのコンポーネントを描画します。また、簡略表示レベルでは、ドア パネル、フレーム、スイングなどのコンポーネントを描画します。どちらの表示レベルでもドア パネルを描画しますが、それぞれ異なる方法で描画します。プラン表示では、ドア パネルは矩形として描き、簡略表示では、1 本の線として描きます。
プラン表示レベルと簡略表示レベルで表示されるドア
プラン表示レベルは、コンポーネントをプラン(上面)ビューで表示するときに 2D ビューで表現するのに適しています。簡略表示レベルは、プラン ビューで一定の細部を表示するときに 2D ビューで表現するのに適しています。たとえば、オブジェクトの細部があいまいになることがある小尺度印刷用の表示設定では、多くの場合、簡略表示レベルを使用します。
各オブジェクトで使用できる表示レベルと、それらの表示レベルの名前は、オブジェクトを図面に表示する上で必要な方法に基づきます。表示レベルには、オブジェクトの異なるコンポーネントや追加の表示オプションを含めることができます。
たとえば、プラン表示レベルでの階段の表示プロパティには、破断記号やその他の階段記号の設定が含まれます。破断記号は、2D 上面ビューの図面にしか表示されません。そのため、モデルや立面図などの他の表示レベルには、破断記号の設定は含まれません。また、破断記号を表示しないオブジェクトのプラン表示レベルにも、破断記号の設定は含まれません。
破断記号のオプションが含まれる階段のプラン表示レベル
表示をコントロールするためにマテリアルを使用しないときは、表示レベルに対応する表示プロパティを変更して、オブジェクトの外観をカスタマイズします。たとえば、プラン表示レベルでドア スイングをオフに切り替えたり、スイングを直線にするか円弧にするかを指定したり、開口率を指定したり、スイングのレイヤ、色、線種を変更したりできます。
オブジェクトの表示を変更するときは、その変更内容を図面内のオブジェクトのインスタンスに適用する方法を指定します。その場合、選択した表示レベルの表示プロパティのソースを指定します。
オブジェクトのすべてのインスタンスに影響する図面の既定の表示プロパティ
スタイルの表示プロパティを変更すると、そのスタイルのすべてのオブジェクトに影響
オブジェクトの表示プロパティは、そのオブジェクトのみに適用
プロパティがオブジェクト スタイルや個々のオブジェクトの表示プロパティによって変更されない限り、オブジェクトは既定の表示プロパティを使用します。一般にオブジェクト スタイルの表示プロパティは、オブジェクトのタイプは違っていても同じオブジェクトの外観が図面全体で一致するようにカスタマイズします。一定の成果を達成するためにスタイルの表示プロパティを個々のオブジェクトで変更する必要がある場合もあります。