AutoCAD Raster Design toolset は、ラスターの線分、ポリライン、長方形、円、円弧をベクトル化する個別のツールを提供します。
選択したラスター線分のタイプによって、AutoCAD Raster Design toolset は元のラスターと同じ位置で同じサイズの AutoCAD の線分またはポリライン図形を作成します。AutoCAD Raster Design toolset による線分セグメントのベクトル化が終わったら、そのポリラインのジオメトリ(角度と長さを含む)の確認、始点と終点の入れ替え、線分のトリムや延長ができます。
[Raster Design オプション]ダイアログ ボックスの[ベクトル化ツール一般]タブの設定では、線分ツールでコマンド終了時にその下のラスターを削除するかどうかの指定、ベクトル線分を現在の作図補助設定に一致させること、または画層をその下のラスター線分の幅に基づくベクトルに割り当てることを行います。
ダイナミック入力がアクティブな場合、ベクトル化の際に、カーソル付近にプロンプトが表示され、その他の場合には、コマンド ラインの際にのみ、プロンプトが表示されます。
線分ツールまたはポリライン ツールを使用すると、次のどちらかの選択方法でベクトル化するラスター線分を選択することができます。
既定値の操作方法では、1 回のクリックでモノクロのラスター線分をベクトル化します。1 点指定による方法は、ポリライン、円および円弧を含んだ多数の個別の線分を素早くベクトル化する場合に非常に有効です。指定した点に近いほうの端点が始点とみなされます(矢印は始点から終点に向かう方向を示します)。AutoCAD のどの作図補助設定がアクティブになっているかにより、スマート補正は変換結果の線分を現在の作図補助設定に適合するように自動修正します。詳細は、スマート補正を使用するを参照してください。
この方法は、複数の点をクリックすることによって定義したラスターの線分をベクトル化します。複数点指定の方法では、ベクトル化のプロセスをさらに精密にコントロールすることが可能です。ベクトル ポリライン、長方形、円および円弧を生成する場合に有効です。
ベクトル化するラスター線分を選択すると、AutoCAD のコマンド ラインに線分のタイプによっていくつかの編集オプションが表示されます。通常、1 点指定の方法を使用してベクトル化するほかの図形を選択したり、数値属性の入力または追加のポイントを指定することによってベクトル線分を編集したりすることができます。