ファイルの保管場所とデータベース サーバは連携動作します。データベースは、ファイルの場所を示すインデックス情報を提供します。ファイル保管場所は、サーバ上においてファイルを安全に配置できる場所です。
Autodesk Data Management Server をインストールすると、Vault という名前の Vault が 1 つ作成されます。さらに Microsoft SQL Server のインストール フォルダの下にある MSSQL$AUTODESKVAULT¥Data フォルダに、Vault 用のデータベース ファイルが作成されます。
Data フォルダに格納されているデータベースには、Microsoft SQL Server によって使用されるものと、Vault 固有のものとがあります。各データベース ファイル(MDF)には重要なトランザクション データが記録されるログ ファイル(LDF)が関連付けられており、データベース ファイルの移動、バックアップ、復元を行う場合はこれらも含める必要があります。
KnowledgeVaultMaster.mdf はマスターの Vault データベースで、ユーザの一覧とユーザ権限に加え、Vault とそれに対応するファイル保管場所の一覧を管理します。
注: 重要: SQL データベース内の情報は変更しないでください。
Vault.mdf は、Vault という名前の Vault 用のデータベースです。各 Vault には、VaultName.ldf という名前の SQL Server ログ ファイルが関連付けられています。
また、各 Vault にはファイル保管場所というもう 1 つのコンポーネントが関連付けられており、Vault に追加したドキュメントがここに保存されます。ファイル保管場所は、Vault と同じ名前のメイン フォルダの下に配置される、階層を持つフォルダです。既定の Vault である Vault のファイル保管場所は、C:¥Documents and Settings¥All Users¥Application Data¥Autodesk¥VaultServer です。各データ ファイルは、圧縮されずに通常のファイル形式でそれぞれのフォルダに保存されます。Vault に最初のファイルを追加した時点で、ファイル保管場所のフォルダが作成されます。
注: ファイル保管場所のファイルを、直接移動、削除、または編集しないでください。ファイル保管場所は、Autodesk Data Management Server Console を使用して管理します。
Vault ファイル保管場所を移動するには
ファイルの保管場所とデータベース サーバは連携動作します。データベースは、ファイルの場所を示すインデックス情報を提供します。ファイル保管場所は、サーバ上においてファイルを安全に配置できる場所です。
ファイル保管場所は、現在の場所から同じマシン上の別の場所に移動できます。ファイル保管場所をリモート マシン上の場所に移動する方法については、Autodesk Vault の製品 Web サイト(www.autodesk.co.jp/vault)で入手可能な『アドバンス コンフィギュレーション ガイド』から「ファイル保管場所の管理」のセクションを参照してください。ファイル保管場所を移動するには、サーバ コンソールまたはコマンド ライン ユーティリティのみを使用してください。
注: ファイル保管場所のファイルを、直接移動、削除、または編集しないでください。ファイル保管場所は、Autodesk Data Management Server Console を使用して管理します。
すべての Vault を他のコンピュータに移動する場合は、既存のサーバにある Vault をバックアップした後、移動先のサーバで復元します。
注: ファイル保管場所の既定のパスは、C:¥Documents and Settings¥All Users¥Application Data¥Autodesk¥VaultServer¥FileStore です。
Vault ファイル保管場所を移動するには
- Vault フォルダから Vault を選択します。
- [アクション]
[ファイル保管場所を移動]をクリックします。
- [ファイル保管場所の移動]ダイアログ ボックスで、新しいファイルの保管場所を参照します。
- この操作中にユーザからのアクセスを防ぐために Vault をロックするように求められます。[はい]をクリックします。
- [OK]をクリックします。
リモート ファイル保管場所を管理する
Vault のファイル保管場所は、リモート コンピュータ上にも設定できます。リモート ファイル保管場所を使用するには、適切な権限とアカウントを設定する必要があります。Vault では、ファイル保管場所の次の 2 つの基本構成をサポートしています。
- ファイル保管場所を Autodesk Vault Server に配置する構成
- 共有フォルダがあるリモート ファイル サーバ上にファイル保管場所を配置する構成
リモート ファイル サーバは、ファイル保管場所をホストしたり、Vault データをバックアップおよび復元する目的で使用することができます。このセクションでは、リモート ファイル保管場所の構成に必要な手順について説明します。
ファイル保管場所をマッピング済みのドライブまたはリモート共有場所に移動する
Autodesk Vault Server をホストするコンピュータは DMMachine と呼ばれ、リモート ファイル保管場所をホストするコンピュータは FSMachine と呼ばれます。ドメイン名は MyDomain です。Autodesk Vault Server がインストールされたサーバは、ドメイン コントローラではなく、メンバ サーバであると想定します。
Autodesk Vault Server をドメイン コントローラにインストールしている場合、AutodeskVault ドメイン アカウントが使用されます。この場合は、次の「ファイル保管場所を移動する」セクションを参照してください。
新しいドメイン ユーザ アカウントを作成するには
- [Active Directory ユーザとコンピュータ]を開き、アカウントの作成先となる組織単位(OU)を選択します。
- AutodeskRemote という名前のアカウントを作成します。ドメイン パスワード ポリシーに適合するパスワードを設定して、パスワードを無期限に設定します。
リモート共有場所を作成するには
- FSMachine で Windows エクスプローラを開き、VaultData というフォルダを作成します。
- このフォルダを右クリックし、[プロパティ]を選択します。
- [共有]タブで、VaultData という名前の新規の共有場所を作成します。
- [アクセス許可]で、AutodeskRemote、ネットワーク サービス、システムをフル コントロールに設定します。
- [共有のアクセス許可]ダイアログ ボックスで[OK]をクリックします。
- [セキュリティ]タブで、AutodeskRemote アカウントを追加し、そのアカウントにフル コントロールのアクセス許可を設定します。
Autodesk Vault Server Console で新しいアカウントを設定するには
- DMMachine で、Autodesk Vault Server Console を開きます。
- [ツール]、[管理]の順にクリックします。
- [詳細設定]タブで、[高度な構成設定]の横にある[設定]ボタンをクリックします。
- [詳細設定]ダイアログ ボックスで、ユーザ名を MyDomain¥AutodeskRemote に変更し、ユーザ名に対応するパスワードを入力します。
- 変更を適用して、[OK]をクリックします。
ファイル保管場所の移動後に IIS ワーカ プロセスおよび IIS アプリケーション プールを再構成する
ファイル保管場所の移動後に IIS ワーカ プロセスおよび IIS アプリケーション プールを再構成します。
IIS 6 で IIS ワーカ プロセスおよび IIS アプリケーション プールを再構成する
- [Active Directory ユーザとコンピュータ]を開き、アカウントの作成先となる組織単位(OU)を選択します。
- AutodeskID という名前のアカウントを作成します。ドメイン パスワード ポリシーに適合するパスワードを設定します。
- AutodeskID アカウントを DMMachine の IIS_WPG ローカル グループのメンバに設定します。
- DMMachine の %SystemRoot%¥Temp フォルダへのフル コントロールのアクセス許可を AutodeskID アカウントに付与します。
- リモート ファイル保管場所の ¥¥FSMachine¥VaultData フォルダへのフル コントロールのアクセス許可を AutodeskID アカウントに付与します。
- [インターネット インフォメーション サービス (IIS) マネージャ]を開き、AutodeskAppPL という名前のアプリケーション プールを新規作成します。
- [AutodeskAppPL アプリケーション プールのプロパティ]を開き、[識別]タブを選択します。
- ドメイン アカウント AutodeskID を追加し、パスワードを設定し、変更内容を適用します。
- [既定の Web サイト]を展開して、AutodeskDM¥Services 仮想ディレクトリに移動します。
- サービス ディレクトリを右クリックし、[ディレクトリ]タブを表示します。
- [アプリケーション プール]プルダウンの値を新たに作成した AutodeskAppPL アプリケーション プールに変更します。
- 変更内容を適用し、[既定の Web サイトのプロパティ]を閉じます。
- [IIS マネージャ]を閉じます。
- コマンド プロンプトを開き、IISRESET と入力します。
- Vault に新しいファイルを追加し、プロパティをインデックス処理できることを確認します。
IIS 7 で IIS ワーカ プロセスおよび IIS アプリケーション プールを再構成する
- [Active Directory ユーザとコンピュータ]を開き、アカウントの作成先となる組織単位(OU)を選択します。
- AutodeskID という名前のアカウントを作成します。ドメイン パスワード ポリシーに適合するパスワードを設定します。
- AutodeskID アカウントを DMMachine の IIS_WPG ローカル グループのメンバに設定します。
- DMMachine の %SystemRoot%¥Temp フォルダへのフル コントロールのアクセス許可を AutodeskID アカウントに付与します。
- リモート ファイル保管場所の ¥¥FSMachine¥VaultData フォルダへのフル コントロールのアクセス許可を AutodeskID アカウントに付与します。
- [アプリケーション プール]を右クリックし、[アプリケーション プールの追加]を選択します。
- [アプリケーション プールの追加]ダイアログ ボックスで、アプリケーション プールに AutodeskAppPL という名前を付けます。その他のオプションは既定値のままにします。
- [アプリケーション プール]の一覧で、新たに作成したアプリケーション プールを特定して右クリックします。
- [詳細設定]を選択します。
- [プロセス モデル]で[ID]を選択し、先ほど作成したドメイン アカウント(AutodeskID)を使用するように ID を変更します。
- [既定の Web サイト]を展開して、AutodeskDM¥Services 仮想ディレクトリに移動します。
- サービス ディレクトリを右クリックし、[アプリケーションの管理] > [詳細設定]を選択します。
- [アプリケーション プール]を新たに作成した AutodeskAppPL アプリケーション プールに変更します。
- 変更内容を適用し、[既定の Web サイトのプロパティ]を閉じます。
- [IIS マネージャ]を閉じます。
- コマンド プロンプトを開き、IISRESET と入力します。
- Vault に新しいファイルを追加し、プロパティをインデックス処理できることを確認します。