mParticles グルー テストは、パーティクルの「グルー」として機能するパーティクル間のバインドを作成するテストです。mParticles グルーでは、通常は元のパーティクル間の構成が保持されますが、[mParticles ソルベント](mParticles Solvent)オペレータの物理的なアクションや影響に基づいてパーティションの分離をシミュレートすることができます。パーティクル フローの他の多くのテストと同様に、mParticles グルーは、別のイベントにオペレータとして接続しなくても使用することができます。
mParticles グルーには、パーティクルをバインドする基本的な方法として、フレキシブルとリジッドの 2 つがあります。リジッド モード(バインドのタイプが[リジッド](Rigid)または[単純化](Simplified))では、パーティクル間の相対的な位置が保持され、フレキシブル モード(バインドのタイプが[距離](Distance))では、パーティクル間の相対的な位置が柔軟に変化します。
関連項目
mParticles グルー テスト: [距離のバインド](Distance Binding)ロールアウト
mParticles グルー テスト: [リジッド バインド](Rigid Binding)/[単純化されたバインド](Simplified Binding)ロールアウト
[mParticles ソルベント](mParticles Solvent)オペレータ
mParticles グルーは、パーティクル フローにおける物理シミュレーションの最も重要で複雑な要素の 1 つです。そのため、グルー内およびシステムのその他の部分との間で、各種の係数がどのように連携するかに注意することが重要です。mParticles グルーを使用する場合は、次の点に注意してください。
[距離](Distance)のバインドでは、場合によっては、パーティクルが一時的に引き離された後に自然に戻るような弾力のある動作になることがあります。これを防ぐには、[mParticles ワールド](mParticles World)ヘルパー [拡張パラメータ](Advanced Parameters)ロールアウトの[サブフレーム係数](Subframe Factor)の値を大きくします。
[距離](Distance)に関する設定については、「MassFX グルー テスト: [距離のバインド](Distance Binding)ロールアウト」を参照してください。
具体的に、相対的な位置の幅に影響するパラメータとしては、[mParticles ワールド](mParticles World)ヘルパー [拡張パラメータ](Advanced Parameters)ロールアウトの[サブフレーム係数](Subframe Factor)の値(大きくすると柔軟性が低下)と、[リジッド バインド](Rigid Binding)ロールアウトの[ソルバ係数](Solver Factor)があります。
また、柔軟性は、バインドのジオメトリ自体でコントロールすることもできます。たとえば、一重のレンガの壁は、すべてのバインドが平面上(2D 構造)にあるため、二重のレンガの壁よりも柔軟性があります。ただし、3D 構造では、二重の壁のバインドの方が安定した構造になります。
[リジッド](Rigid)に関する設定については、「MassFX グルー テスト: [リジッド バインド](Rigid Binding)/[単純化されたバインド](Simplified Binding)ロールアウト」を参照してください。
[単純化](Simplified)に関する設定については、「MassFX グルー テスト: [リジッド バインド](Rigid Binding)/[単純化されたバインド](Simplified Binding)ロールアウト」を参照してください。
[バインド](Binding)の[タイプ](Type)の各オプションと[サブフレーム係数](Subframe Factor)値の使用の効果を示したビデオについては、「[バインド](Binding)の[タイプ](Type)」を参照してください。
すべてのパーティクルを一度に生成する場合、[発生グリッド](Birth Grid)オペレータの場合と同様に、バインドも一度に定義されます。連続する一連のパーティクルがイベントに入るとき、新しいパーティクルが既存のパーティクルに十分に近ければ、それらの間の新しいバインドを生成できます。
[タイミング](Timing)値の効果を示したビデオについては、「タイミング(Timing)」を参照してください。
[距離のバインド](Bind Distance)値の効果を示したビデオについては、「距離のバインド(Bind Distance)」を参照してください。
バインドを生成するための最初の段階(バインドする候補を探す段階)で、バインド対象の候補となるパーティクルの数が[パーティクルごとの最大バインド数](Max Binds p/Particle)の値を超えることはありません。この数は、現在のフレームよりも前にバインドが生成されている場合はさらに少なくなります。グラウンドまたはディフレクタにバインドするときは、パーティクルの中心からグラウンドまたはディフレクタのサーフェスの最も近いポイントまでの距離が計測されます。
次に示すレンガの壁の図では、[距離のバインド](Bind Distance)の値を小さくしているため、バインドが比較的不安定になっています。
[距離のバインド](Bind Distance)の値を大きくすると、垂直なバインドのほかに対角線のバインドが追加され、構造の安定度が増します。
[ギャップのバインド](Bind Gap)の使用例については、『mParticles クイック スタート チュートリアル』を参照してください。このチュートリアルでは、[ギャップのバインド](Bind Gap)と[中心位置合わせのみバインド](Bind Center Aligned Only) (以下を参照)を使用して、水平方向についてのみパーティクルをバインドしています。
[ギャップのバインド](Bind Gap)値の効果を示したビデオについては、「ギャップのバインド(Bind Gap)」を参照してください。
次の図は、[中心位置合わせのみバインド](Bind Center Aligned Only)のしくみを示したものです。この図では、レンガ タイプの 2 つのパーティクル(1 と 2)を描画しています。レンガ 1 のローカル軸を示す赤い十字が、小さい青の十字で示されたレンガ 2 の基点近くまで伸びています。レンガ 2 の基点からレンガ 1 の最も近い延長された軸上にある最も近いポイントまでの距離が[マージン位置合わせ](Align Margin)の距離以下であれば、それらの中心が位置合わせさているとみなされてバインドされます。
[マージン位置合わせ](Align Margin)の設定の効果を示したビデオについては、「マージン位置合わせ(Align Margin)」を参照してください。
[バインド浸透許可](Allow Binding Penetration)オプションの効果を示したビデオについては、「バインド浸透許可(Allow Binding Penetration)」を参照してください。
[バインド対象](To Bind With)領域 [ディフレクタ](Deflectors)/[グラウンド](Ground)バインド オプションをオンにした場合(以下を参照)、パーティクルをディフレクタやグラウンドにバインドできるかどうかの定義では、この制限は無視されます。その意味で、ディフレクタやグラウンドへのバインドは、通常のパーティクルのバインドよりも優先されます。ただし、パーティクルをディフレクタやグラウンドにバインドする場合、それらの「VIP」のバインドの数はパーティクルのバインドの総数に含まれるため、バインド対象のパーティクルの数は制限できます。
[パーティクルごとの最大バインド数](Max Binds p/Particle)の効果を示したビデオについては、「パーティクルごとの最大バインド数(Max Binds p/Particle)」を参照してください。
[バインドを視覚化](Visualize Binding)は、mParticles グルー テストの設定による結果(バインドされるパーティクルとその対象)を確認する際のデバッグ ツールとして使用できます。このチェック ボックスの状態はシミュレーション自体には影響しませんが、オンにすると速度を落として再生できます。このオプションはビューポートだけに関連し、レンダリング出力には影響しません。
柔軟なバインドとリジッドなバインドでは表示が異なります。リジッドなバインドでは、パーティクルの位置が線分で結ばれ、パーティクルの位置が円形のマーカーで示されます。リジッドなバインドでパーティクルとディフレクタまたはグラウンドがバインドされている場合、パーティクルの位置とディフレクタまたはグラウンドの最も近いサーフェス ポイントとを結ぶ線分が描画されます。柔軟なバインドは、それぞれバインドのアンカー ポイントを結ぶ線分として描画され、アンカーの位置が四角形のマーカーで示されます。
アンカー ポイントの詳細は、「mParticles グルー テスト: [距離のバインド](Distance Binding)ロールアウト」および「mParticles グルー テスト: [リジッド バインド](Rigid Binding)/[単純化されたバインド](Simplified Binding)ロールアウト」を参照してください。これらの 2 つのトピックでは、バインドのタイプに固有のロールアウトについて説明しています。
[バインドのベイク処理](Bake Binding)をクリックすると、シミュレーションを実行するたびにそれらの計算を繰り返さなくても済むように、バインドの情報を事前に計算して保存しておくことができます。これにより、現在のフレームのすべてのバインドが記録され、以降にパーティクルのペアがイベントに入ったときにバインドするかどうかを判別する際はその情報が使用されます。
バインドのベイク処理を行うと、[バインド](Binding)領域のほとんどのパラメータは使用できなくなります。バインドの条件が、それらのパラメータではなく、ベイク処理済みのデータで定義されるようになるからです。ただし、[パーティクルごとの最大バインド数](Max Binds p/Particle)は例外で、ベイク処理の実行後も使用できます。そのため、ベイク処理したソリューションに含まれるパーティクルごとの最大バインド数を減らすことができます(増やすことはできません)。
ベイク処理したデータを削除するには、[ベイク解除](Unbake)をクリックします。記録されているバインドの統計情報を表示するには、[?]ボタンをクリックします。
バインドの記録はシーン ファイルに保存されるため、通常、このファイルは大きくなっていきます。次にファイルをロードしたときは、バインドの記録がガイドとして再利用されます。
通常、パーティクルをバインドするだけでは、視覚効果として十分とは言えません。パーティクルのバインドに対するフォースが一定のレベルを超えた場合に、バインドされたパーティクルを分離する機能も不可欠です。[壊れやすさ](Breakability)領域のパラメータでは、衝撃によるフォースのしきい値を定義します。
最大フォース(Max Force)および最大トルク(Max Torque)値の効果を示したビデオについては、「最大フォース(Max Force)および最大トルク(Max Torque)」を参照してください。
たとえば、レンガの壁では、上下に隣接する(上または下の段にある)レンガを切り離す場合の方が、左右に隣接する(同じ段にある)レンガを切り離す場合よりも、大きなフォースが必要になります。上下の場合の方が左右の場合よりも、表面積が大きいためモルタルも多いからです。
適用される[最大フォース](Max Force)/[最大トルク](Max Torque)の値は、距離の差に反比例します。たとえば、パーティクル間の距離が[距離単位](Distance Unit)の値で指定した距離の 2 倍である場合、適用される[最大フォース](Max Force)/[最大トルク](Max Torque)の値は指定値の半分になります。
次の図では、パーティクル 1261 と 1260 の間の距離が、パーティクル 1261 と 1237 の間の距離よりも長くなっています。そのため、[バインド距離別最大](Max By Bind Distance)がオンになっている場合、1261 と 1237 のバインドの方が 1261 と 1260 のバインドよりも強くなります。
[バインド距離別最大](Max By Bind Distance)オプションの効果を示したビデオについては、「バインド距離別最大(Max By Bind Distance)」を参照してください。
[連続調整](Continuous Adjustment)オプションの効果を示したビデオについては、「同期(Sync By)」を参照してください。
[次イベントへのパーティクル条件](Test True When Particles)オプションの効果を示したビデオについては、「次イベントへのパーティクル条件(Test True When Particles)」を参照してください。
この領域の設定では、パーティクルをバインドできる他のシミュレーション エンティティを指定できます。現在のイベントのパーティクル、他のイベントのパーティクル、ディフレクタ、グラウンドを任意に組み合わせて指定できます。
[バインド対象](To Bind With)領域のオプションの効果を示したビデオについては、「[バインド対象](To Bind With)領域」を参照してください。
リストからオブジェクトを削除するには、ハイライト表示して[除去](Remove)をクリックします。リストでオブジェクトを選択して[修正](Modify)パネルでパラメータを表示するには、ハイライト表示して[=>]ボタンをクリックします。