Biped アニメーションのオイラー カーブの操作

ワークベンチやカーブ エディタでは、クォータニオン カーブやオイラー カーブを使用して、Biped の位置と方向を制御することができます。オイラー XYZ コントローラを使用すると、ベジェ接線を使って XYZ カーブの補間を変更できるので(クォータニオン カーブは接線を持たない)、Biped を効果的にアニメートできます。オイラー XYZ コントローラと TCB 回転コントローラの相違点については、オイラー XYZ 回転コントローラを参照してください。

オイラー XYZ コントローラと TCB 回転コントローラの切り替えは、[クォータニオン/オイラー](Quaternion/Euler)ロールアウトで行います。カーブ エディタに、選択したコントローラに基づいてアニメーション カーブが表示されます。各カーブには、次のいずれかで始まるラベルが付けられます。

Biped のパーツの大部分(重心、骨盤、脊椎、頭、首、腕、脚、尾)は、オイラーでアニメートできます。しかし、指や爪先は例外です。これらのパーツでは、常に、最初の基本リンクがクォータニオンとして制御され、後続のすべてのリンクが TCB またはオイラーとして制御されています。これらには接線がありません。

前腕や下脚のような 1 自由度の四肢は、単一の TCB またはオイラー カーブで制御されます。

接線オイラー回転カーブ

注: プロップは、オイラー コントローラではサポートされていません。

Biped (重心を含む)上の回転カーブは、オイラー、クォータニオンのどちらで制御されていても、常にローカルの親スペース内に設定されます。

オイラー回転トラックの XYZ ファンクション カーブは、まとめてロックされます。したがって、1 つの軸上で新しいキーを作成すると、他のすべての軸でも新しいキーが作成されます。また、キーをドラッグして移動すると、3 つのすべての軸が移動します。

位置カーブの表示

ベジェ位置カーブは、Biped の手、足、重心(COM)でのみ使用できます。手足の位置はワールド空間で設定されます。一方、COM の位置はワールドに対してローカルに設定されます。

FK キー/IK キーのブレンドは、次の図のようになります。

注: [前の IK キーに連結](Join to Prev IK Key)の値は、次の連結されていないキーまでロックされます。
ヒント: ワークベンチとカーブ エディタは同期しています。したがって、ワークベンチのツールバーでカーブの表示を変更すると、カーブ エディタの表示も更新されます。また、Biped ツールバーの対応するツールがアクティブになります。

クォータニオン カーブとオイラー カーブの変換

別のコントローラ用にアニメーションを変換しても、内容の整合性は最大限に保たれます。これは、キー補間の結果は異なっていても、キーフレーム化されたポーズは保持されるということです。

クォータニオン回転カーブをオイラー回転カーブに変換した場合、接線キーが[スムーズ](Smooth)に設定されます。一方、オイラー回転カーブをクォータニオン回転カーブに切り替えた場合、接線のベジェ補間は最大限に保持されます。しかし、補間の値が大きすぎて TCB 値で照合できない場合、クォータニオンの制限内に収まるように値を少なくして調整されます。

オイラー回転カーブの長い接線

レイヤ、モーション Mixer、モーション フローでのオイラー アニメーションの使用

オイラー接線とクォータニオン TCB データは、どちらも個々のキーフレームに格納されます。したがって、オイラー XYZ コントローラを使用する場合は、クォータニオンまたは TCB の制御値([キー情報](Key Info)ロールアウト)を使って、カーブのプロファイルを変更することができます。

オイラー制御の Biped パーツに新しいレイヤを追加した場合、このレイヤは、オリジナルのレイヤで再び集約されるまで、クォータニオンに変換されます。集約時、カーブは、上述の変換規則にしたがって、オイラー カーブに戻ります。

オイラー アニメーションを含むクリップをモーション Mixer に読み込むと、ブレンド時にオイラー接線が保持されます。しかし、Mixdown で混合してしまうと、結果のアニメーションはクォータニオン アニメーションになります。

ヒント: Mixdown を作成するとき、オイラー接線を保持するには、[ミキサー基本設定](Mixer Preferences)ダイアログ ボックスで、[フレームごとのキーフレーム](Keyframe Per Frame)をオンにします。

モーション フローも、モーション Mixer と同様の規則に従います。オイラー アニメーションを含むクリップをモーション フローに読み込んだ場合、接線が保持されます。しかし、統一されたモーションを作成すると、クォータニオン アニメーションになります。

ヒント: 統一されたモーションを作成するときもオイラー接線を保持するには、[統一オプション](Unify Options)ダイアログ ボックス([モーション フロー スクリプト](Motion Flow Scripts)領域で[統一されたモーションを作成](Create Unified Motion)をクリック)で[フレームごとのキーフレーム](Keyframe Per Frame)をオンにします。

[フレームごとのキーフレーム](Keyframe Per Frame)をオンにすると、オイラー接線が保持されます。

オイラー カーブとクォータニオン カーブ間でのデータのコピーと貼り付け

トラックをコピーして別のトラックに貼り付けるときは、タイプ(オイラーまたはクォータニオン)も一緒に貼り付けられます。その結果、アニメーションがクォータニオン アニメーションからオイラー アニメーション、オイラー アニメーションからクォータニオン アニメーションに切り替わることがあります。

コピーされたポーズまたは姿勢のオイラー接線は、コピーされません。オイラー トラックをコピーして、[オート キー](Auto Key)がオンになっているトラックに貼り付けた場合、現在の TCB または接線の値(貼り付け先のトラックのタイプによって異なる)が無視され、既定値が設定されます。

同様に、[オート キー](Auto Key)がオンになっているオイラー トラックにポーズや姿勢を貼り付けても、コピーされたトラックの TCB 値は無視されます。トラックを貼り付ける前に新しいキーを作成した場合、結果の接線は既定値に設定されます。

オイラー カーブでの Biped アセットのロードと保存

Biped に外部 Biped アセット ファイル(BIP)をロードするとき、ファイルごとに含まれているアニメーション コントローラが異なる場合があります。たとえば、オイラー タイプのアセットがクォータニオン タイプの Biped にロードされることがあります。この場合、Biped アセット ファイル内のコントローラに合わせて Biped アニメーションが変換されます。

Biped アセット ファイルを保存すると、オイラー接線とクォータニオン TCB 制御値の両方が保存されます。

注: この操作はパフォーマンスには影響を及ぼしませんが、Biped アセット ファイルのサイズに若干影響が出ることがあります。