[頂点カラーを割り当て](Assign Vertex Colors)ユーティリティ

[頂点カラーを割り当て](Assign Vertex Colors)ユーティリティは、オブジェクトに割り当てられたマテリアルとシーンの照明に基づいて、頂点カラーを割り当てます。このユーティリティでは、[選択に割り当て](Assign To Selected)をクリックしたとき、オブジェクトに[頂点ペイント](VertexPaint)モディファイヤが適用されます。オブジェクトに[頂点ペイント](VertexPaint)モディファイヤを適用したら、[修正](Modify)パネルに移動するか[編集](Edit)をクリックして、頂点ペイント ツールにアクセスします。

ヒント: 頂点カラーを割り当てるには、頂点カラー マップのあるマテリアルを拡散反射光コンポーネントに適用する必要があります。頂点カラーをビューポートに表示するには、オブジェクトを右クリックしてクアッド メニューから[オブジェクト プロパティ](Object Properties)を選択し、[表示プロパティ](Display Properties)領域の[頂点のチャネル表示](Vertex Channel Display)にチェックマークを付け、ドロップダウン オプションが[頂点カラー](Vertex Color)に設定されていることを確認します。

[頂点カラーを割り当て](Assign Vertex Colors)ユーティリティでは、[シーン ライト](Scene Lights)オプションを使用するときに、ライトを含めたり除外したりできます。

オブジェクトに[頂点ペイント](VertexPaint)モディファイヤが適用されているとき、[頂点カラーを割り当て](Assign Vertex Color)ユーティリティにあるコマンドは、すべて[修正](Modify)パネルからも使用できます。

頂点カラーとラジオシティ

[頂点カラー](Vertex Colors)ユーティリティはラジオシティをサポートしています。頂点カラーを割り当ててラジオシティを使用する場合は、[ラジオシティ ソリューションの直接光を再利用](Re-Use Direct Illumination From Radiosity Solution)オプションをオンにしてください。このオプションは[レンダリング パラメータ](Rendering Parameters)ロールアウトにあります。「ラジオシティ コントロール」を参照してください。このオプションがオンの場合、レンダラーは単に、ラジオシティ ソリューションで割り当てられている頂点カラーを表示します。つまり、レンダリングは行われません。

[レンダリング パラメータ](Rendering Parameters)ロールアウトにもある追加のオプション、[直接光でレンダリング](Render Direct Illumination)では、直接照明が対応するメッシュに保存されません。これは、オプション[ラジオシティ](Radiosity)、[直接光でレンダリング](Render Direct Illumination)に対応します。この場合、[頂点カラーを割り当て](Assign Vertex Colors)では、ラジオシティ メッシュから間接光を受けますが、直接光が個別にレンダリングされます。[ラジオシティ](Radiosity)、[ラジオシティ間接光のみ](Indirect Illumination Only)にも対応します。この場合、[頂点カラーを割り当て](Assign Vertex Colors)では、直接光が頂点にまったく適用されません。

手順

[頂点カラーを割り当て](Assign Vertex Colors)ユーティリティを使用するには:

  1. 対象のオブジェクトにマテリアルを割り当てます。マテリアルは、マッピングしたものでもマッピングを使用していないものでもかまいません。
  2. オブジェクトにライトを当てます。
  3. 対象のオブジェクトを選択します。
  4. 各オブジェクトについて[オブジェクト プロパティ](Object Properties)ダイアログ ボックスを開き、[レイヤ別](By Layer)ボタンをオフ、[頂点のチャネル表示](Vertex Channel Display)をオンにして、[OK]をクリックします。
  5. [表示](Display)パネルの[表示プロパティ](Display Properties)ロールアウトを開き、[頂点カラー](Vertex Colors)にチェックマークを付けます。
  6. [頂点カラーを割り当て](Assign Vertex Colors)ユーティリティを開きます。
  7. [ライト モデル](Light Model)領域のオプションの 1 つを選択します。
  8. [カラー割り当て](Color Assignment)領域のオプションの 1 つを選択します。
  9. [選択に割り当て](Assign to Selected)ボタンをクリックします。

    選択したオブジェクトに[頂点ペイント](VertexPaint)モディファイヤが適用され、[ライト モデル](Light Model)領域で選択したオプションに応じて、マテリアルおよびシーンの照明からオブジェクトの頂点カラーが割り当てられます。

    マテリアルやシーンの照明を変更しても、頂点カラーは変更されません。頂点カラーを変更するには、[すべて更新](Update All)ボタンをクリックします。

    注: 新しい頂点カラーは、[頂点ペイント](Vertex Paint)モディファイヤに保存されます。これらにアクセスするには、[修正](Modify)パネルに移動し、そのロールアウトにあるパラメータにアクセスします。[頂点ペイント](Vertex Paint)フローティング ダイアログ ボックスにあるツールを使って、レイヤの作成、ペイント、ブラー、およびカラーの調整を行うこともできます。[頂点ペイント](Vertex Paint)フロータは、オブジェクトを選択して[修正](Modify)パネルに移動すると起動されます。

例: 特定のオブジェクトに[頂点カラーを割り当て](Assign Vertex Colors)ユーティリティを使用するには:

  1. 24 セグメントの球を作成します。
  2. マッピングしたマテリアルを球に適用し、[ビューポートにマップを表示](Show Map In Viewport)をオンにします。

    マッピングした球がビューポートに表示されます。

  3. マッピングしたマテリアルを球に適用します。
    注: 大きく簡単に見分けられる領域のある、単純ではっきりとしたマップを選択します。
  4. 球の[オブジェクト プロパティ](Object Properties)ダイアログ ボックスを開き、[表示プロパティ](Display Properties)領域の右側のボタンに[レイヤ別](By Layer)と表示されている場合は、クリックして[オブジェクト別](By Object)と表示されるようにします。また、[表示プロパティ](Display Properties)領域で、[頂点のチャネル表示](Vertex Channel Display)をオンにして[OK]をクリックします。
  5. 頂点カラーが表示されているため、球は白くなります。既定値では頂点カラーはすべて白色です。
  6. 球を選択し、[頂点カラーを割り当て](Assign Vertex Colors)ユーティリティを開きます。
  7. [シェーディング](Shaded)を選択し、[マップを使用](Use Maps)をオンにします。
  8. [マッピング](Mapping)チェック ボックスにチェックマークを付けます。
  9. [選択に割り当て](Assign To Selected)ボタンをクリックします。

    マッピングのブラー バージョンが球に現れます。頂点は、マテリアルとシーンの照明を基に色付けされている状態です。24 セグメントのメッシュの解像度は、マップのピクセル解像度よりも低いので、マッピングでブラーがかけられます。

  10. [修正](Modify)パネルで、[頂点ペイント](VertexPaint)モディファイヤを探します。
  11. スタック内で作成パラメータまで下がり、警告プロンプトに対して[はい](Yes)をクリックし、[セグメント数](Segments)を 70 に増やします。

    新しい頂点が、割り当て済みの頂点を移動させます。

  12. スタックの[頂点ペイント](VertexPaint)レベルに戻り、[頂点カラーを割り当て](Assign Vertex Colors)ロールアウトの[割り当て](Assign)をクリックします。[ユーティリティ](Utilities)パネルに戻った場合は、スタックに別の[頂点ペイント](Vertex Paint)モディファイヤを追加した可能性があります。[頂点ペイント](Vertex Paint)モディファイヤで[割り当て](Assign)をクリックすると、そのモディファイヤだけが更新されます。
    ヒント: 拡散チャネルに頂点カラーのマップを割り当てると、頂点カラーは、レンダリングしたシーンのみに表示されます。しかし、この場合は、[頂点カラーを割り当て](Assign Vertex Colors)ユーティリティで頂点カラーを適切に更新できません。これを解決するには、[ブレンド](Blend)マテリアルをオブジェクトに割り当てます。[ブレンド](Blend)のマテリアル 1 にストレート拡散ビットマップを、マテリアル 2 に頂点カラーのマップを割り当てます。レンダリング時にマテリアル 2 を 100 パーセントに切り替え、頂点カラーの更新時にマテリアル 1 を 100 パーセントに切り替えます。

インタフェース

[チャネル](Channel)領域

ここにあるツールを使用すると、頂点カラー ユーティリティで割り当てるチャネル タイプを選択できます。[マップ チャネル](Map Channel)を選択した場合は、マップ チャネルの ID 番号も指定できます。

  • [頂点カラー](Vertex Color) 選択すると、頂点カラーのレイヤが割り当てられます。
  • [頂点イルミネーション](Vertex Illum) 選択すると、頂点の照明のレイヤが割り当てられます。
  • [頂点アルファ](Vertex Alpha) 選択すると、頂点の透明度のレイヤが割り当てられます。
  • [マップ チャネル](Map Channel) 選択すると、指定された番号のマップ チャネルが割り当てられます。
    [マップ チャネル](Map Channel)編集ボックス

    チャネル番号を定義します。[マップ チャネル](Map Channel)が選択されている場合にのみ使用できます。

チャネル名
チャネルに名前が定義されている場合、ここに表示されます。チャネルに名前を付けるには、[チャネル情報](Channel Info)ユーティリティを使用します。
注: カラー チャンネル、発光チャンネル、アルファ チャンネルには特定の名前を付けることができますが、3ds Max ではそこに保存されるデータの種類が制限されず、3 つのチャンネルのうち任意のものに 4 チャンネル(RGBA)頂点カラー データを含めることができます。

[ライト モデル](Light Model)領域

オブジェクトのサーフェスの照明方法を指定するオプションがあります。

  • [ライトと拡散反射光](Lighting + Diffuse) 現在のシーンのライトとマテリアルを使って、頂点カラーに効果を与えます。
  • [ライトのみ](Lighting Only) 頂点カラーにライトだけを割り当て、マテリアルのプロパティは無視します。

    このオプションを選択した場合、[レンダリング オプション](Rendering Options)ロールアウトのシャドウとマッピングは無効になります。

  • [拡散反射光のみ](Diffuse) マテリアルの拡散反射光カラーが使用され、照明が無視されます。

[カラー割り当て](Color Assignment)領域

サーフェス間でカラーが補間される方法を指定できます。

  • [面によるカラー割り当て](Color by Face) (既定値)。それぞれの面の中央の間でカラーが補間されます。

    [面によるカラー割り当て](Color By Face)ではサンプリングされる点が少ないため、この手法は高速です。ただし、結果の精度は低くなります。

  • [頂点によるカラー割り当て](Color by Vertex) 頂点間でカラーが補間されます。

    この手法では、面ごとに 1 つではなく 3 つの点が使用されるので、低速ですが一般的には正確です。オブジェクトの影が 2 つの頂点間に落ちる場合は例外です。この場合、オブジェクトによって照明が遮断されますが、頂点のみが考慮されるので、影が計算されずに「ライトの漏れ」が発生します。

[レンダリング オプション](Rendering Options)領域

この領域のオプションでは、影、テクスチャ マップ、ラジオシティ ソリューションを頂点カラーに組み込むかどうかを選択できます。

注: 頂点カラーでラジオシティ ソリューションを保存できますが、ライト トレーサ照明は保存されません。これはシーンのジオメトリでは保存されません。
シャドウ
このチェック ボックスにチェックマークが付いている場合、頂点がシェーディングされているときに影が使用されます。既定値ではチェックマークは付いていません。
ヒント: [頂点ペイント](VertexPaint)モディファイヤのペイント ツールかブラー ツールを使用し、影のエッジをソフトにすることができます。
マッピング
このチェック ボックスにチェックマークが付いている場合、頂点がシェーディングされているときにテクスチャ マップが使用されます。既定値ではチェックマークは付いていません。

[ラジオシティ オプション]

このラジオ ボタンでは、ラジオシティ データの使用方法を指定します。

  • [ラジオシティなし](No Radiosity) (既定値)。頂点カラーの割り当て時に、ラジオシティ ソリューションが使用されません。
    注: このオプションは、シーンにラジオシティ ソリューションが存在しない場合に使用できる、唯一のオプションです。
  • [ラジオシティあり、ソリューションからの直接光を使用]頂点カラー割り当てでラジオシティが組み込まれ、ソリューションから直接照明が使用されます。

    これは、[レンダリング パラメータ](Rendering Parameters)ロールアウトで[ラジオシティ ソリューションの直接光を再利用](Use Direct Illumination From Radiosity Solution)を選択することと同じです。

    これを選択すると、影を再計算する必要がなくなるので、[シャドウ](Shadows)が無効になります。

  • [ラジオシティあり、レンダラー直接光を使用](Radiosity, Render Direct Illumination) 頂点カラー割り当てでラジオシティが組み込まれますが、別のパスが使用されて直接光がレンダリングされます。

    これは、[レンダリング パラメータ](Rendering Parameters)ロールアウトで[直接光でレンダリング](Render Direct Illumination)を選択することと同じです。

  • [ラジオシティ間接光のみ] 頂点カラー割り当てにおいて、ラジオシティ ソリューションから間接光のみが組み込まれます。

    これを選択すると、影を再計算する必要がなくなるので、[シャドウ](Shadows)が無効になります。

[警告](Reminder)フィールド
リギャザリングが有効であるか無効であるかを示すメッセージが表示されます。リギャザリングではラジオシティの結果が最も正確になりますが、ラジオシティ計算に時間がかかることがあります。
ラジオシティ設定
クリックすると、[レンダリング設定](Render Setup)ダイアログ ボックスの[アドバンスド ライティング](Advanced Lighting)パネルが表示され、ラジオシティ ソリューションの設定と生成ができるようになります。

mental ray レンダラーがアクティブ レンダラーである場合、このボタンは使用できません。

選択に割り当て
割り当てたマテリアル、および上の領域で指定した選択内容に基づいて、選択したオブジェクトに頂点カラーを割り当てます。[選択に割り当て](Assign to Selected)では[頂点をペイント](VertexPaint)モディファイヤが作成され、選択したオブジェクトのスタックに追加されます。
編集
割り当てられた[頂点ペイント](VertexPaint)モディファイヤに切り替えると、そのインタフェースが[修正](Modify)パネル、[頂点ペイント](VertexPaint)ダイアログ ボックス、および頂点ペイント ツールが保持されているフローティング ダイアログ ボックスで開きます。

[選択に割り当て](Assign To Selected)をクリックしていない場合、このボタンは使用できません。