AEC デザイン要素の使用

3ds Max は、3 次元デザインのアイデアを容易に試すことができるように、[樹木](Foliage)、[ドア](Doors)、[窓](Windows)、[階段](Stairs)、[レール](Railing)、[壁](Wall)などの機能を含んでいます。

この項では、これらの一般的な機能について説明します。詳細な説明と手順に関しては、次の各項を参照してください。

ドア

階段

レール

樹木

ドアと窓

3ds Max では、一連の窓およびドア パラメトリック オブジェクトを壁の開口部に配置することによって、建築モデルをよりリアルに表示できます。これらのオブジェクトを使用して、モデルの中のトリムやパネル フィルなどの詳細を制御できます。

ヒント: ドアおよび窓を追加する場合に、より正確に表示するにはスナップを使用します。

新しいドアまたは窓を作成する場合は、シーンの中で、ドアまたは窓の長方形のサイズと方向を定義する 4 つの点を定義しなければなりません。シーンまたはシーンのビューによっては、これらの点を特定の順序で選択すると便利です。

フィルする矩形の穴が既にある場合でも、次の手順によって希望するサイズと方向のドアまたは窓を作成することができます。

ドアまたは窓を作成するには:

  1. 開口部の底面と 1 つの縦のエッジとその高さの全体が見えるように、角度を設定したユーザ ビューをセットアップします。
  2. オブジェクト スナップを[頂点](Vertex)または[終点](Endpoint)に設定します。これによってモデルをより正確に作成できます。
  3. [窓](Window)または[ドア](Door)をクリックしてから、作成方法として[幅/奥行き/高さ](Width/Depth/Height)または[幅/高さ/奥行き](Width/Height/Depth)を選択します。
  4. パラメータの調整を行って、詳細を定義します。

ドア/窓の幅と方向は常に、最初のマウス クリックとその後のマウス ドラッグによって定義されます。指定した作成方法によって、次に高さまたは奥行きが定義されます。

オブジェクト スナップを設定せず、パース ビューポートまたはユーザ ビューポートを使用している場合は、[幅/奥行き/高さ](Width/Depth/Height)設定方法を使用すると垂直のドアまたは窓が作成されます。[幅/高さ/奥行き](Width/Height/Depth)作成方法を使用すると、オブジェクトは側面を下にして作成されます。

わき柱の斜め配置

[わき柱の斜め配置](Allow Non-vertical Jambs)の切り替えは、垂直平面に合わないドアや窓、たとえば傾斜屋根の天窓を作成するときに便利です。既定値では、この切り替えはオフになっています。このとき、3 番目に作成する点は、2 番目の点の真上か([幅/高さ/奥行き](Width/Height/Depth)の場合)、または 2 番目の点と同じ水平面上に([幅/奥行き/高さ](Width/Depth/Height)の場合)配置されます。

[わき柱の斜め配置](Allow Non-vertical Jambs)をオンにした場合には、3 番目に作成する点が任意の選択した場所に配置され、4 番目の点は 3ds Max によって自動的に追加されます。4 番目の点の平面からのオフセットは、最初の 3 つの点によって決まります。

[オブジェクト スナップ](Object Snaps)を使用してドアおよび窓を作成する場合は、パース ビューポートおよびユーザ ビューポートで[幅/高さ/奥行き](Width/Height/Depth)作成方法を使用し、[わき柱の斜め配置](Allow Non-vertical Jambs)をオフにすると効率的です。しかし、この方法は最初は複雑かもしれません。3 番目に定義する点、すなわち[高さ](Height)は、ホーム グリッドよりも高いか低い点を指定するまで、ホーム グリッド上の点として解釈されます。[オブジェクト スナップ](Object Snap)設定を使用している場合、3ds Max は、ポイントがスナップできる、平面上にない点の近くにカーソルを移動するまで、点がグリッドから離れていることを認識しません。

その他のパラメータ

この他に、それぞれのドアおよび窓のタイプに固有のパラメータがあり、全体的な寸法パラメータや、サブオブジェクト コンポーネントの詳細パラメータ、たとえばリーフの中のマリオン、トリム、パネルを制御します。これらのパラメータの詳細は、ドアおよびを参照してください。

ドアと窓のアニメート

[開閉率](Open)パラメータなど、ドアおよび窓の特定の作成パラメータはアニメート可能です。詳細は、ドアおよびを参照してください。

階段とレールの作成

3ds Max には 4 種類の階段オブジェクトがあります。らせん階段、中間に踊り場がある U-型階段、階段のベンドに踊り場がある L-型階段、踊り場がない直線階段の 4 つです。補助的なレール オブジェクトを使用して、スプライン パスに沿って任意の数の手すりデザインを作成できます。

詳細は、階段を参照してください。

レール オブジェクト

[AEC 拡張機能](AEC Extended)カテゴリの[作成](Create)パネル上の[レール](Railing )ボタンを使用して、直線的なレール オブジェクトを作成することができます。レール コンポーネントには、レール、親柱、フェンスがあります。AEC 拡張オブジェクトフェンスにはピケット(バラスラー)またはソリッド フィルしたマテリアル(ガラスまたは木材片)が含まれます。

レール オブジェクトは 2 通りの方法で作成できます。1 つはレールの方向と高さを指定する方法、もう 1 つはスプライン パスを選択してレールをそのパスに適用するという方法です。レールが適用されたスプライン パスをレール パスと呼びます。後でレール パスを編集すると、その変更に対応してレール オブジェクトが自動的に更新されます。レール パスは 3 次元空間を使用することがあります。

レール オブジェクトに下のレール、親柱、フェンスのコンポーネントを作成する場合は、特別な[間隔ツール](Spacing Tool)を使って、これらのコンポーネントの間隔を指定します。3ds Max には、各レール コンポーネントごとに、それぞれ[下のレール](Lower Rail)、[親柱の間隔](Post Spacing)、[手摺子の間隔](Picket Spacing)という名前の専用の[間隔ツール](Spacing tool)ダイアログ ボックスが用意されています。間隔ツールに関する詳細は、間隔ツールを参照してください。

レール パラメータの詳細、およびレール オブジェクトの作成については、レールを参照してください。

壁の作成

[AEC 拡張機能](AEC Extended)カテゴリの[作成](Create)パネル上の[壁](Wall)ボタンを使用して、直線的な壁オブジェクトを作成することができます。壁オブジェクトのサブオブジェクト セグメントは[修正](Modify)パネルで編集できます。

方法:

コーナーで接する 2 つの壁セグメントを作成すると、重複するジオメトリが 3ds Max により自動的に削除されます。 このコーナーの「クリーン アップ」作業にはトリムが含まれます。3ds Max は、コーナーの最初の 2 つの壁セグメントに対してだけクリーン アップを行います。そのコーナーを共有するその他の壁セグメントはクリーン アップされません。 3ds Max は交差のクリーン アップは行いません。

[修正](Modify)パネルでサブオブジェクト選択モードを使用して壁のセグメントを編集できます。たとえば、壁の高さのプロファイルを定義します。3ds Max アクティブ グリッドが編集する壁の平面に移動します。これによって壁の平面の中のプロファイル頂点にスナップできます。

壁オブジェクトを移動、スケール、または回転するとき、リンクされているドアおよび窓も壁とともに移動、スケール、または回転します。リンクしているドアまたは窓を壁とともに移動するときに、ドアまたは窓のローカル座標系を使用し、[軸コンストレイント](Axis Constraints)ツールバーで[XY 平面の制限](Restrict to XY Plane)をオンにすると、開口部も一緒に移動します。また、[修正](Modify)パネルでドアまたは窓の全体の幅と高さを変更すると、開口部にもその変更が反映されます。

使用上のヒント

壁オブジェクトを操作する際のヒントを次に示します。

  • 壁オブジェクトを作成するときはトップ ビューポートを使用します。
  • 1 つの壁に多くの窓やドアを作成するとスナップ計算と壁オブジェクトの移動が遅くなります。挿入と編集を迅速にするには、1 つの壁ではなく複数の壁を使用してください。
  • 多数の壁、窓、ドアを含むシーンでは、それらを集約することによってパフォーマンスを向上させることができます。最初に、将来のパラメータの変更に備えて、集約していないバージョンの壁、窓、またはドアを保存します。壁を右クリックし、右クリック メニューから[子を選択](Select Children)を選択します。次に[ユーティリティ](Utility)ロールアウトで[集約](Collapse)を使用して、すべてを集約します。

詳細についてはを参照してください。

壁を作成するには:

  1. [作成](Create)パネルの[AEC 拡張機能](AEC Extended)で[壁](Wall)ボタンをクリックします。
  2. [カスタマイズ](Customize)メニュー [単位設定](Units Setup)を使用して精度を指定し、次に[パラメータ](parameters)ロールアウトで壁の[幅](Width)、[高さ](Height)、[位置合わせ](Justification)のパラメータを設定します。
  3. いずれかのビューポートでマウスをクリックして離し、壁セグメントを希望する長さまでドラッグし、もう一度クリックします。

    この操作で壁セグメントが作成されます。壁を終了するか、または別の壁セグメントを作成することができます。

  4. 壁の作成を完了する場合は右クリックします。別の壁セグメントを追加する場合は、次の壁セグメントを希望する長さまでドラッグし、もう一度クリックします。

    同じ壁オブジェクトの別のセグメントの終端でセグメントを終了して部屋を作成した場合、3ds Max では[ポイントを連結しますか?](Weld Point)ダイアログ ボックスが表示されます。 このダイアログ ボックスでは 2 つの端の頂点を 1 つの頂点に変換するか、または 2 つの端の頂点を独立させておくことができます。

  5. 壁セグメントのコーナーを連結する場合は、[はい](Yes)をクリックします。この場合、一方の壁が移動したとき、他方の壁はコーナーにとどまります。連結させない場合は、[いいえ](No)をクリックします。
  6. 壁の作成を完了する場合は右クリックし、別の壁セグメントを作成する場合はこのまま作業を続行します。

離れた壁をアタッチするには:

  1. 壁オブジェクトを選択します。
  2. [修正](Modify)パネルで[アタッチ](Attach)をクリックし、別の壁オブジェクトを選択します。

    2 つの壁オブジェクトは同じ壁オブジェクトの一部になりますが、物理的には接続されていません。

    [アタッチ](Attach)がまだアクティブのため、アタッチする壁セグメントの選択を続行できます。アタッチを終了するには、[アタッチ](Attach)ボタンをクリックするか、アクティブなビューポート内で右クリックします。

    複数の壁オブジェクトを選択した壁オブジェクトに同時にアタッチするには、[修正](Modify)パネルで[複数アタッチ](Attach Multiple)をクリックし、[複数アタッチ](Attach Multiple)ダイアログ ボックスを開きます。壁オブジェクトしか表示されない点を除けば、[複数アタッチ]( Attach Multiple)ダイアログ ボックスは[シーンから選択](Select From Scene)ダイアログ ボックスと同様に機能します。アタッチする複数の壁を選択し、[アタッチ](Attach)ボタンをクリックします。

壁の各頂点を接続するには:

    この方法では、2 つの別個の壁の断面を新しいセグメントと接続することができます。

    ヒント: ワイヤフレーム表示モードでは、壁の頂点を簡単に操作できます。
  1. 複数の断面を持つ壁オブジェクトを選択します。このようなオブジェクトの作成には、通常、[アタッチ](Attach)を使用します。
  2. モディファイヤ スタック内で、[頂点](Vertex)サブオブジェクト レベルに移動します。
  3. [接続](Connect)をクリックし、マウスを端の頂点に置き、カーソルが十字に変わるのを確認します。
  4. 端の頂点を 1 回クリックします。
  5. 別の端の頂点にカーソルを移動し、クリックして 2 つのセグメントを接続します。

壁に頂点を挿入するには:

    ワイヤフレーム表示モードでは、壁の頂点を簡単に操作できます。

  1. 壁セグメントを選択します。
  2. モディファイヤ スタック内で、[頂点](Vertex)サブオブジェクト レベルに移動します。
  3. [挿入](Insert)をクリックします。

    壁の下部に沿って、頂点を挿入できる場所を示す、ハイライト表示された線が表示されます。

  4. ハイライト表示された線上の任意の場所をクリックして、頂点を挿入します。

    新しい頂点がマウス カーソルにアタッチされます。

  5. マウスを移動して頂点の位置を決め、クリックして頂点を配置します。

    これで、マウスは新しいセグメントの 1 つにアタッチされました。

  6. セグメントに沿ってマウスを移動し、クリックして頂点を追加します。
  7. 右クリックしてこのセグメントの作業を終了します。これで、別のセグメントに頂点を挿入できます。または、もう一度右クリックして、[挿入](Insert)モードを終了します。