アセンブリの使用

アセンブリは、ライティング装置として機能するジオメトリ オブジェクトとライト オブジェクトの組み合わせを作成する場合に便利です。このライティング装置は、ランプのアームとその 1 つ以上の光源を表すために使用します。アセンブリを使用して、単純な電気スタンド、ストリップ ライト、追跡システム、蛍光灯や白熱電灯付きの壁掛け燭台、シャンデリア システム、ライン ボルト ケーブル システムなどの照明装置を表すことができます。

右側のオブジェクトはアセンブリであり、単一のエンティティとして扱われます。

ライト アセンブリを作成する場合は、初めにオブジェクトを作成して階層を構築し、次に結合パラメータを設定して、インバース キネマティック(IK)を割り当てます。最後に、オブジェクトの階層を組み立てます。アセンブリ内で使用するライトは、光強度コントロールとフィルタ カラー コントロールを含んでいます。ルミネア ヘルパー オブジェクトの[減光](減光)パラメータと[フィルタ カラー](フィルタ カラー)パラメータを、ライト アセンブリに含まれる各光源のパラメータにワイヤリングします。

注: 照明器具コントロールを光源パラメータにワイヤリングするには、まずアセンブリを開き、ワイヤリング実行後、それを閉じます。

IK を使用すれば、ライトのターゲット オブジェクトを移動するだけで、ルミネアのビームをポイントできます。

アセンブリとグループ

アセンブリの機能は、グループ化のスーパーセットです。グループ化した場合と同じように、アセンブリを作成すると、複数のオブジェクトを組み合わせて 1 つのオブジェクトとして扱えるようになります。アセンブリ オブジェクトに名前を付けて、他のオブジェクトと同じように扱います。

アセンブリとグループの大きな違いは、メンバー オブジェクトを組み立てる場合は、ヘッド オブジェクト、つまりルミネア ヘルパー オブジェクトを指定する点です。ヘッド オブジェクトは、アセンブリのフロント エンドとして機能し、そのアセンブリが選択されているときには、[修正](Modify)パネルにそのオブジェクトのパラメータが表示されます。これらのパラメータを使用して、パラメータ ワイヤリングを行うことによって、アセンブリ内の光源を制御できます。MAXScript を使用して、他のタイプのヘッド オブジェクトを作成できます。

アセンブリ名は、アセンブリに付けられる点を除けば、オブジェクト名とよく似ています。[選択フロータ](Selection Floater)などのリストでは、アセンブリ名は[Assembly01]のように角括弧で囲まれて表示されます。シーン エクスプローラとその関連ダイアログ ボックスでは、アセンブリ オブジェクトのアイコンが角括弧で囲まれます。

ヒント: 照明装置を作成してパーツを組み立てたら、インスタンス化を使用して照明装置をコピーし、それらをシーン内に配置します。このようにすると、アセンブリ内の光源のアトリビュートを変更した場合に、その変更がインスタンス化したすべての光源に反映されます。たとえば、初期のデザイン段階でシャドウ マップを使用しても、後でレンダリングの精度を上げるために、高度なレイトレース シャドウへの切り替えが必要になる場合があります。インスタンス化を使用すると、そのような設定を簡単かつグローバルに変更できるようになります。

アセンブリの一般的な機能

オブジェクトを組み立てると、シーン内で単一のオブジェクトとして扱うことができます。アセンブリ内の任意のオブジェクトをクリックしても、そのアセンブリ全体を選択することができます。

アセンブリを作成すると、すべてのメンバー オブジェクトが非表示のルミネア ヘルパー オブジェクトに厳密にリンクされます。アセンブリは、このヘルパー オブジェクトの基点とローカル変換座標系を使用します。

アセンブリはネストすることができます。すなわち、アセンブリは任意のレベルまで他のアセンブリ(またはグループ)を含むことができます。

アセンブリが選択されているときは、[修正](Modify)パネルにヘッド オブジェクトのパラメータが表示されます。3ds Max [ワイヤ パラメータ](Wire Parameters)機能を使用して、それらのパラメータをアセンブリ内のライト オブジェクトのパラメータに接続することができます。

ルミネアのタイプ:

左: 固定

中央: 方向設定が可能なライト

右: 複数ライト

アセンブリを変換および修正

アセンブリは単一のオブジェクトと同じように変換したり、修正したりできます。また、変換をアニメートすることもできます。

グループの場合とは異なり、アセンブリにモディファイヤを適用すると、照明器具だけにモディファイヤが適用されます。このため、ベンドなどの変形モディファイヤはアセンブリに対しては効果がありません。

アセンブリに変換を適用すると、アセンブリ全体に適用されます。正確に言えば、アセンブリを表すダミー オブジェクトに対して 3ds Max が変換を適用します。メンバー オブジェクトを変更するには、まずアセンブリを開き、オブジェクトを選択してからモディファイヤを適用する必要があります。アセンブリが閉じているときは、モディファイヤ スタックにそれらのモディファイヤが表示されません。

アセンブリ内の個々のオブジェクトを、アセンブリ全体とは別に変換およびアニメートすることができます。ただし、アセンブリ自体を変換する場合、その変換はアセンブリを構成するすべてのオブジェクトに同様に適用されます。アセンブリの変換は、モーションが独立したオブジェクトに均一に追加されます。これは、移動する鳥かごの中で鳥が飛び回っている状況にたとえられます。「ケージ」(ダミー オブジェクト)は、アセンブリ内のオブジェクトにどのような変換が適用されても、アセンブリ内のすべてのオブジェクトを囲むように拡張します。

アセンブリ内のオブジェクトにアクセス

アセンブリを[開く](Open)および[閉じる](Close)ことで、アセンブリを解除することなく内部の個々のオブジェクトにアクセスすることができます。次のコマンドでは、アセンブリの整合性が維持されます。

アセンブリに[個別のモディファイヤとして割り当て](Make Unique)を使用

インスタンス化を使用してアセンブリのコピーを作成してから、コピーを一意にする場合は、パラメータ ワイヤリングへの影響を考慮する必要があります。ここでは、次の一般的な使い方について考えます。

  1. 照明装置などのアセンブリをシーン内にドラッグします。
  2. インスタンス化オプションを使用して、アセンブリを複数回コピーし、それらのインスタンスをシーン内に配置します。
  3. より現実的なシーンを作成するために、シーン内のオブジェクトにランダムな外観を付けます。そのために、一部のアセンブリ インスタンスを一意にし、他のインスタンスとは異なるものになるようにそれらのパラメータを調整します。

アセンブリのクローン インスタンスを作成すると、すべてのワイヤ パラメータとともに、アセンブリ内のすべてのオブジェクトがインスタンス化されます。そのため、ワイヤリングされたルミネア パラメータを変更すると、すべてのインスタンス化されたアセンブリに反映されます。

モディファイヤ スタックにインスタンスまたは参照のアセンブリ ヘッドが表示されている場合は、[固有にする](Make Unique)ボタンがアクティブになります。このボタンをクリックすると、そのアセンブリ ヘッド オブジェクトが他のインスタンスから独立して一意になり、すべてのアセンブリ メンバーも一意になります。

一意になったアセンブリ ヘッドとそのメンバー間のパラメータ ワイヤリングは、他のアセンブリ インスタンスから切り離されます。一意のアセンブリ ヘッド オブジェクトのパラメータを変更すると、そのアセンブリのメンバーのパラメータだけに反映され、他のアセンブリ インスタンスのメンバーには反映されません。

複数のアセンブリ インスタンスを選択している場合、[個別のモディファイヤとして割り当て](Make Unique)コマンドは、複数のオブジェクト インスタンスを選択している場合と同様に機能します。この場合は、選択したアセンブリを相互に一意にするかどうかを確認するメッセージが表示されます。

アセンブリを解除

アセンブリは、[非アセンブリ](Disassembling)または[すべて分解](Exploding)により解除することができます。どちらのコマンドでもアセンブリは解除されますが、解除のレベルが異なります。

アセンブリを分解すると、そのアセンブリに適用したすべての変換アニメーションは失われますが、オブジェクトは分解を実行したフレーム内に元の状態で残ります。ただし、オブジェクトの個別のアニメーションは維持されます。

アセンブリ内のオブジェクトを個別に変換または修正するには、一時的または永続的に、アセンブリからオブジェクトを削除する必要があります。これは[開く](Open)コマンドを使って行います。

アセンブリと他の選択方法との比較

3ds Max でオブジェクトを結合するときに使用する他の方法と比較すると、アセンブリは一時的な選択よりも継続性がありますが、オブジェクトのアタッチほどではありません。

手順

既存のアセンブリを挿入および配置するには:

  1. [オート グリッド](AutoGrid)をオンにします。
  2. Web ページからアセンブリをドラッグするか(i-drop オブジェクトの場合)、またはローカル ディスクからアセンブリをドラッグして、シーンにドロップし、任意の既存のサーフェス上に置きます。
  3. メイン ツールバーで([基点中心を使用](Use Pivot Point Center))をクリックします。
  4. 他のオブジェクトと同じように、アセンブリを配置して方向を定めます。
  5. 必要に応じて、アセンブリの照明器具を 1 つまたは複数の光源にワイヤリングします。
  6. アセンブリを選択し、[修正](Modify)パネルの設定で、[減光](Dimmer)コントロールを使用して、ライトの強度を調整します。

独自の照明器具を作成するには:

  1. ライティング装置のジオメトリを作成します。
  2. 光を作成するか、または[作成](Create)パネルで、[ライト](Lights)をクリックして、作成したライティング装置のジオメトリに標準ライトまたはフォトメトリック ライトを追加します。
  3. ジオメトリ オブジェクトとライトを含むアセンブリ内のすべてのオブジェクトを選択します。
    注: IK を使用する場合は、ライト ターゲットを個別に操作できるように、アセンブリから除外しておきます。
  4. [グループ](Group)メニューから[アセンブリ](Assemble) [アセンブリ](Assemble)を選択します。

    ダイアログ ボックスが表示され、アセンブリ名とヘッド オブジェクトを指定するように要求されます。既定で使用できるヘッド オブジェクトのタイプは、照明器具だけです。

  5. アセンブリ名を入力し、[OK]をクリックします。
  6. アセンブリの照明器具を 1 つまたは複数の光源にワイヤリングします。パラメータ ワイヤリングの詳細は、この手順のリンクをクリックしてください。

    アセンブリ内に複数の光源がある場合は、ワイヤリングされた連続パラメータを作成します。式テキスト ボックスに適切な関係式を入力します。

アセンブリの基点の位置を調整するには:

アセンブリでラジオシティを使用するには:

アセンブリのプロパティを調整するには:

  1. 減光やフィルタ カラーのパラメータをワイヤリングした後で、照明器具を選択し、[修正](Modify)パネルに移動して、証明器具のパラメータを表示します。
  2. すべてのパラメータを調整します。

    その効果はビューポートに表示されます。