関係機関別の基準を線形に適用する場合は、基準に基づいた設計機能を使用します。
基準に基づいた設計機能では、各自の線形設計が関係機関の規定する最低基準に適合しているかどうかを確認できます。
基準に基づいた設計機能を使用する場合は、設計基準ファイルを選択することもできます。このファイルからは、計算方法、最小半径テーブル、および摺り付け(緩和曲線)長さテーブルなどの基準を指定できます。線形をレイアウトする場合には、設計基準ファイルに指定された適切な最小値がコマンド ライン上に表示されます。特定のサブ図形に対する既定の最小値をそのまま使用することもできますが、新しい値を指定することも可能です。
摺り付け長さの最小値は、指定した曲線半径を基にして自動的に生成されます。緩和曲線に関連付けられている曲線が存在しない場合は、許容される最小の緩和曲線半径が最小値として使用されます。
サブ図形に対する設計パラメータの値が、設計基準ファイルに設定されている最小値を下回っている場合は、図面ウィンドウの該当するサブ図形、および[線形図形]ビスタと[線形レイアウト パラメータ]ウィンドウの該当する違反値の横に警告記号が表示されます。警告記号にカーソルを合わせると、どの基準に対して違反があったのかについてや、その違反値をどのように修正するのかについてのツールチップが表示されます。警告記号の表示は、線形スタイルにより制御されます。
線形設計における検証や違反の内容が記載されたレポートを生成することもできます。設計基準レポートにより、一定の測定範囲にある各サブ図形が、それが該当する設計基準またはデザイン チェックに違反しているか適合しているかを知ることができます。
線形が作成された後に、図形が互いに正接していることをチェックすることができます。
設計基準ファイル
デザイン基準ファイルには、線形および縦断オブジェクトに関する最小限の設計標準が記述されています。設計基準ファイルをカスタマイズして、擦り付け長さや最小半径などのパラメータの局所的な設計標準に対応できます。
Autodesk Civil 3D には、メートル単位およびインペリアル単位の両方による基準が指定された設計基準ファイルが事前に用意されています。
関係機関の基準が付属の設計基準ファイルの基準と異なる場合は、[設計基準エディタ]ダイアログ ボックスを使用して、関係機関の基準に対応するようファイルをカスタマイズすることができます。
線形設計基準の中には、設計基準ファイルのテーブル形式で使用できないものがあります。こうした基準に対しては、設計基準を検証するためのデザイン チェックを定義できます。線形にデザイン チェックを適用するには、デザイン チェック セットにデザイン チェックを追加する必要があります。
固有の設計基準ファイルを道路や軌道に適用できます。[軌道]線形タイプで道路の設計基準ファイルを使用することはできません。また、[中心線]、[オフセット]、[交差点巻き込み部の線形]タイプで軌道の設計基準ファイルを使用することはできません。
道路設計基準ファイルには、曲線を中心にした自動拡幅区間の動的オフセット線形への追加をサポートする基準も含めることができます。
線形設計基準
設計基準ファイルには、次の線形設計基準を指定できます。
- 特定の設計速度における最小半径
- 計算方法
- 特定の半径における横断勾配摺り付け率
- 特定の半径の最小摺り付け長さ 注: 卵形曲線の長さについては、設計基準ファイルに基づく検証は行われません。卵形曲線の長さを検証する場合は、デザイン チェックを使用する必要があります。
- 動的オフセット線形への自動拡幅区間の追加。(道路設計基準ファイルのみ。)
縦断設計基準
道路設計基準ファイルには、指定した設計速度での最小の K 値に関する基準テーブルが含まれています。次の距離に関する最小 K 値テーブルが使用できます。
- [制動停止視距]
- [追越視距]
- ヘッドライトの視距