エネルギー設定は、エネルギー解析用モデル作成の動作をコントロールします。さらに、マテリアルのプロパティやサーマル ゾーンのプロパティなど Revit モデルで指定されている追加情報のうちどれを選択して使用するかをコントロールすることもできます。
エネルギー最適化を初めて実行するときには、エネルギー設定を変更する必要はありません。既定のエネルギー設定を変更する前に、Revit 用エネルギー最適化の概要を説明します。
Revit には、建築モデルからエネルギー解析用モデルを作成するために 4 つのモードが用意されています。
建物要素を使用: 詳細な建築モデルがある場合は、このモードを選択します。「エネルギー解析用モデルを作成する: 詳細な建築モデル」を参照してください。
コンセプト マスと建物要素を使用: モデルにマスのみが含まれている、建物要素のみが含まれている、または 2 つのタイプの要素の組み合わせが含まれている場合に、このモードを選択します。これは、混合設計法を使用してエネルギー最適化を実行する場合に便利です。
通常は、既定の[コンセプト マスと建物要素を使用]モードを使用してください。
部屋またはスペースを使用: モデルに部屋またはスペースが含まれている場合は、このモードを選択します。この方法では、モデル内の部屋やスペースに基づいて建物モデルで定義されている容積を使用します。これらの容積は、エネルギー設定を使用して作成される容積ほど正確でない可能性があります。この方法を使用する前に、モデルに部屋またはスペースを追加します。
地盤面のレベルを指定します。このレベルを下回ると、エネルギー解析用モデル サーフェスが伝熱のために地盤面と接触することが想定されます。
1 階の一部が地下である建物(斜面に組み込まれている建物など)の場合は、地表に最も面しているレベルを地盤面として使用します。通常、実行されるエネルギー解析にほとんど違いはありません。
指定したフェーズまたは上流工程の構築フェーズに割り当てられたすべての建物要素やコンセプト マスが、エネルギー解析の対象となります。下流工程の構築フェーズに割り当てられた要素とマスは、エネルギー解析の対象外となります。
[解析用スペース分割値]パラメータと[解析用サーフェス分割値]パラメータは、エネルギー解析用モデル生成のアルゴリズムによって使用される重要な情報を提供します。
これらのパラメータの既定値は、ほとんどの Revit モデルでエネルギー解析用モデルの精度と処理時間のバランスが最適になるように設計されています。ただし、Revit モデルのサイズ、複雑さ、品質はモデルによって大きく異なるため、高い精度を確保したり、エネルギー解析用モデルの処理時間を短縮するためには、これらのパラメータを修正する必要があります。
[解析用スペース分割値]と[解析用サーフェス分割値]の値を大きくすると、エネルギー解析用モデルの作成に要する処理時間を大幅に短縮できます。
これらのパラメータの値を小さくすると、エネルギー解析用モデルの作成に要する処理時間が大幅に長くなります。
これらの値を小さくしても、必ずしもエネルギー解析用モデルの精度が上がるわけではありません。たとえば、[解析用スペース分割値]の設定値を小さくすると、Revit 要素間のギャップが小さくなる可能性がありますが、設定値が大きいときには無視されていた建築要素間のギャップが原因で、解析用スペースの一部が失われる可能性があります。
これらのパラメータがどのように動作するのかを理解するには、各種モデルでさまざまな値を試す必要があります。「エネルギー解析用モデルの作成処理について」、「エネルギー解析用モデル内のスペースについて」、および「エネルギー解析用モデル内のサーフェスについて」も参照してください。
外壁からの距離を指定してペリメータ ゾーンを設定します。この設定は必ず[ペリメータ ゾーンの区分]の設定とともに使用します。
建物のコアは、外部の気象条件や窓からの外光に直接さらされることがないため、冷暖房負荷はペリメータとは異なります。一般的なペリメータ ゾーンの奥行きは 4~5 m (12~15 フィート)です。
ペリメータ ゾーンの奥行きの設定は、自動サーマル ゾーニングの重要な部分であり、特にオープン プランが大規模である建物や、マスの検討を早期に行う建物において重要です。詳細については、「エネルギー解析用モデル内のスペースについて」を参照してください。
このオプションは、建物のペリメータ(コアを除く)を、個別のサーマル ゾーンに区分する場合に選択します。[ペリメータ ゾーンの奥行き]が 0 より大きい場合は、この設定を常に有効にしておく必要があります。
ペリメータ ゾーンを使用すると、エネルギー消費量の推定が正確になります。たとえば、晩夏の午後は、西面で太陽熱取得が発生しますが、東面では発生しません。ペリメータ ゾーン設定を使用すると、これらのペリメータのエネルギー解析を個別に処理できます。詳細については、「エネルギー解析用モデル内のスペースについて」を参照してください。
この値を使用することで、不要な熱負荷や断熱プロパティが解析用スペース(たとえば、天井裏空間、クローゼットや小さな収納スペースなどの小さな垂直スペース)に適用されないようにします。解析用スペースの平均高さがこのしきい値内にある場合は、[無条件]に設定されたゾーン設備機器に、このしきい値が自動で割り当てられます。[無条件]として割り当てられたすべての解析用スペースは、どのシステム解析にも含まれません。解析用スペースには高さがないため、[平均の垂直方向のボイド高さのしきい値]は容積を面積で割って決定します。
既定は 6 フィートで、[プロジェクトで使う単位]ダイアログ ボックスの[長さ]の単位でコントロールします。
[平均の垂直方向のボイド高さのしきい値]と同様に、この値を使用することで、不要な熱負荷や断熱プロパティが解析用スペースに適用されないようにします。解析用スペースの面積がこのしきい値内にある場合は、このしきい値も[無条件]に設定されたゾーン設備機器に割り当てられて、すべてのシステム解析から除外されます。
既定は 1 平方フィートで、[プロジェクトで使う単位]ダイアログ ボックスの[長さ]の単位でコントロールします。
エネルギー解析レポートの既定のパスを指定します。
[エネルギー詳細設定]ダイアログを開くには、[編集]をクリックします。