自動メッシュサイズは、提供開始当初からモデリングプロセスの単純化に大きく寄与してきました。自動メッシュサイズは、モデルに最適化されたメッシュを定義し、ジオメトリのあらゆる詳細を正確に表現します。
ジオメトリの正確な表現は、高度に忠実な解析のための唯一の要件です。例えば、均一なメッシュが適用された単純なモデル上の流れに大きな勾配がある場合があります。粗いメッシュによる解析結果はあまり正確でない可能性がありますが、流れの傾向はわかります。このような傾向を使用して、どこに要素を集中させれば解析の精度が向上するかを特定することができます。
アダプティブ メッシュでは、解析結果を使用して徐々にメッシュ定義が改善されます。シミュレーションは複数回実行されます。毎回、前回のサイクルの結果を使用して次回のサイクルのメッシュが改良されます。その結果、特定のシミュレーションに最適化されたメッシュが作成できます。メッシュは勾配が急な領域では細かく、他の部分では粗くなります。
アダプティブ メッシュを有効にすると、次の処理が行われます。
この結果、流れと温度結果の各フィールドについて調整され、インテリジェントにリファインされたメッシュが完成します。
アダプティブ メッシュの使用
アダプティブを有効にするには、[実行]ダイアログを開き、[アダプティブ]タブをクリックします。
アダプティブ ダイアログにはいくつかのアダプティブ メッシュ コントロールがあります。以下は最もよく使われる項目です。これらは、アダプティブ サイクルの数、中間サイクルの結果を保存するかどうかなど、主要な動作を定義するものです:
[アダプティブを有効化] |
アダプティブ メッシュを有効にするには、[アダプティブを有効化]を選択します。 |
[繰り返し実行] |
デフォルトで、3 回のアダプティブ サイクルが実行されます。実行回数を変更するには、繰り返し実行を変更します。シナリオの合計数は、ベースライン+指定されたサイクル数となります。 シミュレーション実行 前 にアダプティブを有効にすると、指定されたサイクル数に加えて初期ベースラインが実行されます: 合計サイクル = 繰り返し実行 + 1 シミュレーション実行 後 にアダプティブを有効にすると、繰り返し実行 で指定された回数のみが実行されます。既存のシナリオがベースラインとして使用されます。 |
保存周期 |
各中間メッシュを保存するには、保存周期を有効にします。1つのシナリオ完了毎に、自動的にクローン化され、ベースとなるシナリオ名にサイクル番号が追加されます。以下に例を示します。
注: プロセス全体を通じて、Scenario 1 が常にアクティブなシナリオです。終了時には、Scenario 1には最終的なメッシュが含まれます。中間メッシュはシナリオ内に、"Mesh"が追加された名称で保存されます。
各メッシュが個別のシナリオとして保存されるため、デザインレビューセンターやディシジョンセンターを使ってメッシュ感度の影響を調べ、メッシュへの依存性を判断することが可能です。 保存周期が無効に設定されていると、デザインスタディには最終的なメッシュと結果のみが保存されます。中間アダプティブ サイクルは破棄されます。 |
許容粗さ |
デフォルトで、アダプティブ メッシュはメッシュの細分割のみを行います。メッシュを粗くすることを許可(それによってメッシュサイズが大きくなりすぎないようにする)するには、許容粗さを有効にします。 |
アダプティブ メッシュは以下の種類のシミュレーションや設定をサポートしていません:
アダプティブ メッシュの使用時には、解析でメッシュからの独立性をいつ達成したかを知ることが重要です。メッシュからの独立性は、メッシュが細分割された後でも変化しない結果を生成する、最も粗いメッシュです。アダプティブの各手順中で、Simulation CFD は圧力、速度、温度場を評価して、解がメッシュからの独立性までどの程度まで進んでいるかを決定します。各手順の終了時に、Simulation CFD は以下のようなメッセージで、アウトプットバーにメッシュからの独立性のステータスをレポートします。
メッシュからの独立性: 圧力: 85 % 速度 98 % 温度 97 %
これらの値は、シミュレーションが各量にどれだけ近づいたかを示します。値が大きいほど、メッシュに対する感度が少ないことを示し、解がメッシュからの独立に近づいていることを意味します。
最良の結果を得るには、収束する(またはそれにできるだけ近い状態)ように各アダプティブ サイクルが実行される必要があります。アダプティブ サイクルの反復数が少ない場合、したがって収束に到達しない場合、メッシュからの独立性のインジケータは正確になりません。