Visual LISP の[コンソール]ウィンドウでは、AutoLISP コードを入力するとただちにそのコードの実行結果を確認することができます。
注: Visual LISP IDE は Windows でのみ使用可能です。
これは、AutoCAD のコマンド プロンプトに対して行えることと似ていますが、これら 2 つのウィンドウで同じ作業を遂行するための方法が多少異なります(微妙な違いがあります)。
たとえば、Visual LISP で AutoLISP 変数の現在値を表示する場合、[コンソール]ウィンドウでは、変数名を入力して[Enter]キーを押すだけです。AutoCAD のコマンド プロンプトから変数の値を表示するには、変数名の前に感嘆符(!)を入力しなければなりません。
両者のプロンプトの外観も異なります。AutoCAD のコマンド プロンプトの場合、初期プロンプト「コマンド:」が表示されますが、コンソール ウィンドウ プロンプトは次のように表示されます。
_$
[コンソール]ウィンドウの使用時には、入力したテキストと、そのテキストを実行して得られた出力がすべて保存されます。その後、[コンソール]ウィンドウをスクロールして、それまでに行った作業を確認したり、[Tab]および[Shift]+[Tab]を押すことによって、以前に入力したテキストを取得することができます。[コンソール]ウィンドウは、AutoLISP の診断メッセージや多くの AutoLISP 関数の結果が表示される場所でもあります。たとえば、print 関数と princ 関数からの出力は、[コンソール]ウィンドウに表示されます。
注: AutoCAD のコマンド ウィンドウとは異なり、Visual LISP の[コンソール]ウィンドウでは、ドキュメントは区別されません。使用可能な[コンソール]ウィンドウは 1 つのみです。アクティブなテキスト エディタ ウィンドウで開いているファイルに関係なく、入力したすべての文字はアクセス可能です。
次に、Visual LISP の[コンソール]ウィンドウの機能の概要を示します。
- AutoLISP 式を評価し、表示された値を返します。[Enter]を押すと、入力した AutoLISP 式を評価します。
- 次の行に移るときに[Ctrl]+[Enter]を押すことにより、複数行にわたって AutoLISP 式を入力することができます。[Enter]を押すと、入力した AutoLISP 式が評価されます。AutoCAD のコマンド ウィンドウとは異なり、[Spacebar]を押しても式は評価されません。
- 一度に複数の式を評価することができます。
- [コンソール]ウィンドウとテキスト エディタ ウィンドウ間で、テキストををコピーしたり移動することができます。
- [Tab]を押すことにより、[コンソール]ウィンドウに以前入力した関数を取得することができます。[Shift]+[Tab]を押すと、関数の取得方向が逆になります。
- [コンソール]ウィンドウで以前の結果または入力したテキストを選択して[Enter]を押すと、テキストがコンソール プロンプトにコピーされます。
- [Tab]を押すことにより、入力履歴からの結合検索を実行できます。たとえば、式を (+ で始めてから[Tab]を押すと、(+ で始まる最後に入力した関数を検索して取得することができます。[Shift]+[Tab]を押すと、検索方向が逆になります。
- [Esc]を押すことにより、コンソール ウィンドウ プロンプトに続けて入力した式を消去することができます。[Shift]+[Esc]を押すと、コンソール ウィンドウ プロンプトに対して入力した式は、評価されずに中断されたまま残り、新しいコンソール ウィンドウ プロンプトが表示されます。
たとえば、次のような無効な関数呼び出しを入力したとします。
((setq origin-x (car origin)
((_>
[Shift]+[Esc]を押すとコードが中断され、「入力が放棄されました」というメッセージが次のように表示されます。
((_> ; <input discarded>
- [コンソール]ウィンドウで実行した操作は、ログ ファイルに記録して保存することができます。ログ ファイルを作成するには、Visual LISP メニューから[ファイル] [コンソール ログを切り替える]をクリックします。
注: コンソール ウィンドウ プロンプトに対して入力した式は、[Enter]を押さずに AutoCAD の図面ウィンドウに切り替えると削除されます。