AutoLISP プログラムの開発サイクルの中で、AutoLISP 開発者は AutoCAD ソフトウェア内では実行できないいくつかの操作を行います。
注: Visual LISP IDE は Windows でのみ使用可能です。
このような操作(たとえば、テキストを編集するなど)の中には、他のソフトウェア ツールを使用して行える操作もあります。それ以外の操作(AutoLISP ソース レベルのフル デバッグなど)は、Visual LISP でのみ採用されています。Visual LISP では、AutoLISP プログラムの開発で必要となる多くの操作を単一の環境の中で行います。これには、テキストの編集、プログラムのデバッグ、 AutoCAD と他のアプリケーションとのやりとりが含まれます。
テキストの編集やデバッグは、AutoCAD とは異なる各種のウィンドウやメニューを使用して実行されますが、Visual LISP が AutoCAD とは別に独立して実行されることはありません。Visual LISP で作業するときは、必ず AutoCAD も実行する必要があります。Visual LISP IDE から AutoLISP プログラムを実行する場合、通常は AutoCAD の図面ウィンドウやコマンド プロンプトと対話する必要があります。
次に、Visual LISP 統合開発環境の構成要素を示します。
- ソース デバッガは、AutoLISP 用に特別に設計されたもので、 AutoCAD ソフトウェア内でコードの実行結果を表示しながら、同時に別のウィンドウで AutoLISP のソース コードをステップ実行できます。
- テキスト ファイル エディタでは、AutoLISP と DCL コードを色付けできるほか、AutoLISP 構文の他のサポート機能を使用できます。
- AutoLISP 整形機能により、プログラムをより読みやすい形式に再構築できます。
- 広範囲にわたる検査およびウォッチ機能を使用すると、変数や式の値に容易にアクセスでき、データ構造をウォッチしたり変更することができます。これらの機能を使用して、AutoLISP のデータや AutoCAD 図面の図形を調べることができます。
- 状況依存ヘルプにより、AutoLISP 関数およびシンボル名を検索するための強力な該当検索機能に関する情報を得ることができます。
- 構文チェッカーにより、組み込み関数の呼び出しの中での AutoLISP 構文の誤りや不適切な引数を検出できます。
- ファイル コンパイラにより、実行速度が向上し、確実かつ効率的なアプリケーション作成プラットフォームが提供されています。
- プロジェクト管理システムにより、複数ファイルのアプリケーションの管理を簡単に行うことができます。
- コンパイルした AutoLISP ファイルを 1 つのモジュールにパッケージ化できます。
- デスクトップの保存と復元機能を使用して、任意の Visual LISP セッションからウィンドウ環境を保存したり再使用できます。
- AutoLISP 開発者のために新しいレベルの便宜と効率化を採用したインテリジェントな[コンソール]ウィンドウ。[コンソール]ウィンドウの基本的な機能は AutoCAD のテキスト スクリーン機能に対応しており、履歴のスクロールや入力行全体の編集など、いくつかの対話型機能を備えています。