3ds Max のライトは自然の照明をシミュレートします。
標準ライトの強度はその HSV 値です。全値(255)で、光は最高輝度です。0 (ゼロ)では、光は完全な暗色です。
フォトメトリック ライトの強度は、現実世界の強度の値で設定します。単位はルーメン、カンデラ、ルクスのいずれかを使います。[強度/カラー/減衰](Intensity/Color/Attenuation)ロールアウト(フォトメトリック ライト)を参照してください。
3ds Max は、面の法線に沿ってライト オブジェクトから面までのベクトルを使用して、入射角を計算します。
入射角が 0 度であれば、サーフェスは完全に照らされます。つまり光源がサーフェスに垂直に当たります。入射角が増加すると、減衰が有効になります。また、光に色がある場合は、サーフェス強度を小さくすることができます。
つまり、物体に関する光の位置と方向は、シーン内の入射角を制御するものです。[ハイライトを配置](Place Highlight)コマンドを使用すると、光の位置を微調整することができます。
標準ライトの場合、減衰は既定値によりオフになっています。減衰でシーンをシェーディングまたはレンダリングするには、1 つまたは複数の光について減衰をオンにします。すべてのタイプの標準ライトで減衰がサポートされています。減衰の開始点および終了点は、明確に設定することができます。ライト オブジェクトおよび照らされるオブジェクトの間の実際の距離を厳密に設定する必要はありません。より重要なのはこの機能を使って減衰の効果を微調整できることです。
野外シーンの場合は、減衰を使って距離感を強調することができます。環境効果をモデル化するもう 1 つの方法として、レンダリング時に設定を使用する方法があります。「環境と露出の設定(Environment and Exposure Settings)」を参照してください。屋内設定の場合、減衰はろうそくなどの弱い(低い密度の)光源を使うときに便利です。
フォトメトリック ライトは、自然界と同じように、必ず逆二乗フォールオフを使って減衰します。IES サンライトの場合、強度が高いために減衰が見た目にはほとんど分かりません。
既定のレンダラーと標準ライトを使ってレンダリングした場合は、シーン内のオブジェクトからの反射光による影響は計算されません。このため、シーンに標準ライトを使用した場合は現実世界よりも多くのライト オブジェクトを追加する必要があります。しかし、ラジオシティを使うと反射光を表現することができます。
ラジオシティを使用しない場合は、[環境](Environment)パネルで周囲光の色と強度を調整することができます。周囲光はコントラストに影響を及ぼします。周囲光の強度が高いほど、シーン内のコントラストは低くなります。周囲光のカラーは、シーンに濃淡を付けます。周囲光はシーン内の他のオブジェクトから色を取得する反射光のこともあります。しかし、ほとんどの場合、周囲光のカラーは、シーンの主要な光源の補色となります。
3ds Max のライトの色は設定できます。色温度の RGB 値をシーンのライティングの基本的なガイドとして使用できます。ライトのプロパティを参照してください。ただし、人間の感覚はシーンが常に白色光で照らされていると認識する傾向があるので(色の恒常性と呼ばれる知覚現象)、光源の色を正確に再現するとレンダリングされたシーンは奇妙な色彩に見える場合があることに注意してください。光源値は、一般的なガイドラインとしてのみ使用してください。