概要 - 立面図を操作する

現在の図面に建物モデルの立面図を作成するには、まず立面線分と立面記号を作成し、次にその線分に基づいて 2D 立面図または 3D 立面図を作成します。作成する立面図のサイズと形状をコントロールできます。また、立面図に含まれているオブジェクトを修正したときに、既存の立面図を更新することができます。2D 立面図を作成すると、隠線や重なった線は除去されます。2D 立面図の外観は、2D 立面図のスタイルと表示プロパティによってコントロールされるデザイン規則を適用することでコントロールできます。

立面線分と立面記号

立面線分によって、建物モデルの立面図の範囲が定義されます。立面線分は、直線状にもジグザグ状にもできます。立面線分によって定義されているエリアの長さと高さを指定することもできます。立面記号は、立面線分の両端に表示されます。立面記号には通常、立面図の方向を示す文字または数値が含まれます。

立面線分の作成が終わったら、その線分に基づいて立面オブジェクトを作成します。

立面線分と立面記号を表示

2D 立面図

2D 立面図を作成するには、いくつかのオブジェクトの前に立面線分を描いた後、それらのオブジェクトから 2D 立面オブジェクトを作成します。立面オブジェクトには、隠線および重なった線は描画されません。2D 立面図を編集するには、オブジェクト表示プロパティまたはスタイル表示プロパティを変更します。2D 立面図スタイルを使用すると、立面図の表示レベルに表示コンポーネントを追加したり、立面図の異なる要素を異なる表示コンポーネントに割り当てる規則を作成したりできます。各コンポーネントの表示/非表示、レイヤ(画層)、色、線種、線の太さ、線種尺度をコントロールできます。また、レンガやコンクリートのハッチングなどといったマテリアルを、オブジェクトまたはスタイルの個々のコンポーネントに割り当てることもできます。さらに、線図編集コマンドを使用すると、2D 立面図の個々の線分を異なる表示コンポーネントに割り当てたり、ジオメトリを 2D 立面図に合成したりすることができます。2D 立面図の寸法を記入することもできます。

建物の 2D 立面図

3D 立面図

3D 立面図を作成するには、いくつかのオブジェクトの前に立面線分を描いた後、それらのオブジェクトから 3D アイソメ立面オブジェクトを作成します。3D 立面図では、スタイルは使用されません。ただし、3D 立面図内部の区画の表示をコントロールすることができます。[隠線処理投影図]コマンドを使用すると、3D 立面図の任意のビューから 2D 隠線処理投影図を作成できます。この 2D隠線処理投影図は、分解、編集、ハッチングすることができます。

3D ビュー内の 3D 立面図

立面図の区画

2D または 3D 立面オブジェクトは、いくつかの区画に仕切ることができます。この機能は、ビューアに近い部分は濃く太い線にし、遠い部分は細い線で描くようなオブジェクトのパースビューを作成するときに使います。

パースビュー内の区画を持つ 3D 立面図

ライブ断面ビュー

ライブ断面ビューは、3D 断面図の特殊なビューです。ライブ断面ビューでは、断面化されたオブジェクトは、3D 断面オブジェクトに変換されることなく、図面内のオブジェクトのままに保たれます。断面線分の境界ボックスの内部にある部分では、元の表示コンポーネントが使用されます。断面線分の外部にある部分は、表示または非表示を切り替えることができます。断面線分の外部にある部分の外観をコントロールするには、断面化されたオブジェクトにマテリアルを割り当てる必要があります。

たとえば、ライブ断面図をレンダリングしたときに、外側の部分に半透明にすることができます。

ライブ断面ビューを立面図で使用すると、一時的に必要となったエリアを切り取り、その特定のエリアに注目することができます。これにより、パフォーマンスが向上するとともに、建物モデルがより操作しやすくなります。

レンダリングされたライブ断面ビュー(ボディコンポーネントが透明になっている)

立面図のマテリアル

AutoCAD Architecture 2024 ツールセットでは、オブジェクトの各コンポーネントにマテリアルを割り当てることができます。これらのマテリアルは、2D または 3D 立面オブジェクトの作成時に表示されます。マテリアルの表示プロパティ、立面オブジェクトの表示プロパティのいずれを使用するかを指定できます。

複数のサーフェスハッチングが含まれる 2D 立面図

AutoCAD Architecture 2024 ツールセットには、あらゆる一般的なデザインに使用される定義済みのマテリアルが豊富に用意されています。これらの定義済みマテリアルはそのまま使用することもできれば、特別なデザインに合わせて変更することもできます。ユーザ独自のマテリアルを作成することもできます。

2D 立面図スタイル内の区画とマテリアル

スタイルに区画を作成するときには、通常、その区画のオブジェクトと他の区画のオブジェクトを明確に区別できるようにします。オブジェクトにマテリアルを割り当てた後に、ハッチングパターンはマテリアルのものを使用し、色と線種は区画の表示プロパティのものを使用するように、2D 立面図のスタイルを設定することができます。