複製は、2 つのサーバ間(通常は、それぞれ物理的な場所が異なる)でデータをコピーするプロセスを指します。この方法を使用すると、Vault 環境内に 2 つの異なる場所を設定できます。これにより、ユーザは、ワイド エリア ネットワーク(WAN)接続を経由しないで済むので、サイズの大きい CAD ファイルでも時間をかけずにダウンロードできます。
接続ワークグループ機能では、Microsoft SQL のパブリッシャー/サブスクライバ テクノロジを利用して、複数のデータベース サーバの使用をサポートしています。このテクノロジにより、複数の場所にある SQL データベースの複製が可能になります。
注: データ複製は、マルチサイト環境でのみ使用できます。バックアップを作成する前にデータを複製しておいてください。
SQL データベースは、マルチサイト環境内の各サイトに存在するファイルとバージョンを追跡します。各サイトを同期することによって、新しいファイルとバージョンをサイト間で共有させることができます。サイトに存在する個々の Vault を複製することも、有効化されているすべての Vault を複製することもできます。また、複製をスケジューリングすることもできます。既定では、Vault が有効にされたときに複製が平日午前 12 時(深夜)に設定されます。
ファイルおよびフォルダを複製する
フォルダおよびファイル複製には、Autodesk Data Management Server Console のナビゲーション ペインからアクセスできます。
注: [複製スケジュール]ダイアログ ボックスからファイルおよびフォルダを複製することもできます。[複製スケジュール]ダイアログ ボックスで、[複製されたフォルダ]ボタンをクリックします。
Autodesk Data Management Server Console からフォルダおよびファイル複製のダイアログ ボックスにアクセスするには、次の手順を実行します。
- ナビゲーション ペインで、複製の対象となる Vault のワークグループを選択します。
- 右ペインで、複製する Vault を右クリックし、[複製されたフォルダ]を選択します。
- 既定では、すべてのフォルダのチェック ボックスがオンになっています。複製しないフォルダのチェック ボックスをオフにします。複製するフォルダのチェック ボックスをオンにします。
右クリックして、[すべてチェック]、[すべてチェック解除]、[すべて展開]、[すべて折りたたむ]のいずれかを選択します。
注: この機能は、ファイル保管場所から複製するファイルのみコントロールし、ファイルについてのメタデータはコントロールしません。選択内容に関係なく、すべてのメタデータがサブスクライバ サイトに複製されます。メタデータの表示を制限するには、フォルダとファイルの適切なセキュリティを適用する必要があります。
Vault を複製する
複製資格情報を入力する
- サブスクライバの複製アカウントのユーザ アカウント名を入力します。このアカウントは、共有フォルダにアクセスできるため、共有フォルダにアクセスするときにログインする必要がありません。
- 複製ユーザ アカウントのパスワードを入力します。
- 複製アカウントのパスワードを確認します。
- [OK]をクリックします。
サブスクライバ コンピュータが別のドメインにある場合や複製アカウントがローカルの場合、パスワードを確認できないという警告メッセージが表示されます。[はい]をクリックして操作を続行します。
Vault データを複製する
- ナビゲーション ペインで、[ワークグループ]ノードを展開します。
- 適切なワークグループ ノードを展開してください。
- 適切なサイト ノードを展開してください。
- リストから、現在のサイトに存在する Vault を選択します。
- サイトを右クリックし、複製オプションを選択します。
- [直ちに複製]を選択すると、現在のサイトにあるすべての Vault が同期されます。
- [フォルダを複製]を選択すると、複製するフォルダとファイルを選択できます。
- 詳細については「フォルダおよびファイル複製」を参照してください。
- [複製スケジュール]を選択すると、同期化スケジュールの設定、またはスケジューリング済みの同期化の取り消しができます。
ワークグループの複製を管理する
ワークグループの複製を有効にする
接続ワークグループ環境を作成するには、ワークグループの複製を有効にする必要があります。ワークグループの複製を有効にするには、購読サイトをインストールする前に、公開者サイトから操作を実行する必要があります。
- Windows エクスプローラを使用して、ネットワーク共有フォルダを作成します。
- ナビゲーション ペインで、[ワークグループ]をクリックします。
- 右クリックして、[ワークグループの複製を有効にする]を選択します。
- ネットワーク共有フォルダへのパスを入力します。
- 複製を実行するユーザ アカウント設定を入力します。このアカウントには、ネットワーク共有フォルダへのアクセス権が必要です。
- 複製アカウントのパスワードを入力して確認します。
ワークグループの複製を無効にする
接続ワークグループ環境の使用を中止するには、ワークグループの複製を無効にする必要があります。ワークグループの複製を無効にする前に、すべてのワークグループを削除してください。
- ナビゲーション ペインで、[ワークグループ]をクリックします。
- 右クリックして、[ワークグループの複製を無効にする]を選択します。
- 購読サイトが削除されていない場合は、対象のチェック ボックスをオンにして、購読サイトを削除します。
- [OK]をクリックします。
ワークグループの複製を設定する
ワークグループが接続ワークグループ環境に追加されると、新しいワークグループの各 Vault を複製の対象として設定する必要があります。別のワークグループからアクセスできるのは、ワークグループの 1 つから複製の対象として選択されている Vault のみです。
- ナビゲーション ペインで、複製の対象となる Vault のワークグループを選択します。
- 右ペインで、複製の対象となる Vault を右クリックし、[複製を管理]を選択します。
- 追加[>>]および削除[<<]ボタンを使用して、Vault を複製するワークグループを選択します。
- [OK]をクリックします。
ワークグループの複製ステータスを表示する
購読サーバ コンソールのナビゲーション ペインで、特定のワークグループを右クリックし、[複製ステータス]を選択します。[複製ステータスの概要]ダイアログ ボックスに、Vault、ライブラリ、および現在のステータスが一覧で表示されます。
- データベース
- データベース タイプ
- 購読ステータス
- 配信レート
- 警告
詳細情報を表示するには、[詳細]ボタンをクリックします。
ワークグループの複製の詳細を表示する
詳細情報を表示するには、特定のワークグループ ステータスを選択し、[詳細]ボタンをクリックします。
- 購読ステータス
- マージ ステータス
- マージ エラー
- 最新のジョブ ステータス
- 最新のジョブ メッセージ
[コピー]ボタンをクリックすると、クリップボードにメッセージがコピーされます。これにより、その内容を別のドキュメントに貼り付けることができます。
複製優先度を管理する
複製優先度では、ファイル複製のためのサイトの優先一覧、または 1 つの選択したサイトをセットアップできます。複製優先度を使用すると、優先サイト一覧内のサイトが優先されます。
複製優先度を設定すると、その後のいかなるファイル複製(オンデマンドおよび予定されたもの両方)に対しても、優先サイト一覧が適用されます。
複製優先度を設定する
- Server Console で、[ワークグループ]ノード、サイトが属するワークグループの順に展開し、サイトを選択します。
- サイトを右クリックし、[複製優先度を管理]を選択します。
- [複製優先度を管理]ダイアログで、[追加]ボタンを使用して、サイトを[優先度設定済み]セクションに追加します。
- [上へ移動]または[下へ移動]ボタンを使用して、[優先度設定済み]セクションのサイトの優先度を変更します。
- [OK]をクリックして変更を保存します。
注: 既定では、いずれのサイトにも優先サイトは存在しません。すなわち、すべてのサイトでは、環境の残りのサイトは既定により[優先度未設定]セクションに表示されます。
[優先度設定済み]セクションにあるサイトでは、リストの一番上にあるサイトが優先度が最も高いサイト、一番下にあるサイトが優先度が最も低いサイトになります。最も優先度の高いサイトでファイルが使用できない場合、または何らかの理由でそのサイトにアクセスできない場合、一覧で次に優先度の高いサイトがファイル複製のためアクセスされます。[優先度設定済み]セクションにあるサイトのいずれにもファイルが含まれていない場合や何らかの理由でアクセスできない場合、[優先度未設定]セクションのサイトがランダムに選択されます。
サイトの複製優先度は、どのサイトからも設定できます。サイトの複製優先度を設定するために、そのサイトにログインする必要はありません。
注: 接続ワークグループ環境で作業している場合、複製優先度を変更するには、管理オブジェクトの所有権が必要になります。
サイトの優先リストは、[ワークグループ]ノードの下でサイトをハイライト表示することで、右側の[複製優先度]テーブルですばやく確認できます。
複製優先度を書き出す/読み込む
すべてのサイトの複製優先度は XML ファイルに書き出すことができ、テキスト エディタを使用して編集し、Vault に読み戻すことができます。
複製優先度を書き出す
複製優先度を書き出す
- Server Console で、[ワークグループ]ノードを右クリックし、[複製優先度を書き出す]を選択します。
- [保存]ダイアログで、場所を選択し、名前を入力して、[保存]をクリックします。
- 確認ダイアログで[OK]をクリックします。
- XML ファイルをテキスト エディタで開きます。
- XML ファイルを編集して複製優先度を設定し、変更を保存します。
複製優先度を読み込む
複製優先度を読み込む
- Server Console で、[ワークグループ]ノードを右クリックし、[複製優先度を読み込む]を選択します。
- 複製優先度を含む XML ファイルの場所を参照します。
- ファイルを選択し、[開く]をクリックします。
- 確認ダイアログで[OK]をクリックします。
- [ワークグループ]ノードの下にある各サイトを選択し、その[複製優先度]テーブルを表示して、読み込みを確認します。
マルチサイト環境で複製をスケジューリングする
注: データ複製は、
マルチサイト環境でのみ使用できます。バックアップを作成する前にデータを複製しておいてください。
データ複製は、日単位または指定間隔で実行されるようにスケジューリングできます。既定では、Vault が有効にされたときに複製が平日午前 12 時(深夜)に設定されます。
- ナビゲーション ペインで、ワークグループ ノードを展開します。
- 作業対象のワークグループを選択します。
- 該当するサイトを選択します。
- Vault を右クリックして、[複製スケジュール]を選択します。
- [複製スケジュール]ダイアログ ボックスで、[複製スケジュールを有効化]チェック ボックスをオンにします。
- 日次または複製頻度を選択します。
- 日次: 既定の日次複製スケジュールは平日深夜です。開始時間を指定し、複製を実行する曜日を選択します。
- プロンプトの頻度: 開始時間を指定し、複製の実行頻度を選択します。
- [OK]をクリックします。