mr A&D 要素では、最も重要なArch & Design マテリアルのコンポーネントをレンダリング要素として指定できます。このとき、一般的に 3 種類の影響タイプ(raw、level、output)で指定します。こうした要素を HDR イメージ ファイルとして保存して、後で Autodesk Toxik のようなプログラムを使って合成することができます。
ほとんどの要素の場合、raw はスケールなしで、level はスケールになります。また output コンポーネン は raw コンポーネントと level コンポーネントの乗算で計算され、フル レンダリングされた出力に対する要素の影響を合成したものになります。level は、多くの場合、入力パラメータ(またはその組み合わせ)と関連しており、Arch & Design マテリアルのエネルギー変換機能に従うように修正されています。
このため、mr A&D 要素にはある程度の重複があります。たとえば、独立したチャネルにある現在の反射だけが必要な場合、Output Reflections 要素を使います。しかしポストプロダクションで反射の量をもっと細かく調整したい場合は、Output Reflections の代わりに、Raw Reflections や Level Reflections を使用すると、最終的なカラーに追加する前の合成の段階で、それらを乗算することができます(任意で追加の処理を加えることも可能)。
反射: Raw(左) * Level(中央) = Output(右)
以下は、Arch & Design マテリアルで使用可能なレンダリング要素すべてのリストです(個々の名称には「mr A&D」というプレフィックスが含まれています)。
Level 出力には、実際の不透明度そのものが含まれます。不透明度が 0 (ゼロ)に等しい場合、マテリアルが全くシェーディングを実行せず、他の出力に全く値が含まれないことになるので、注意が必要です。
出力を重複させることができるので、こうした出力を合成して、beauty レンダリングと同じ結果を生成する方法がいくつかあります。ここでは、数式の形で 2 種類の合成パイプラインを説明します。こうしたパイプラインは、Autodesk Toxik やその他の HDR 合成アプリケーションで使用できます。
まず、「シンプルな」パイプラインがあります。これは、さまざまな結果のパラメータを単純に合計したものです。この場合、ポストプロダクションでは、マテリアル間の全体バランスに最小限の変更しか加えることができません。このパイプラインのメリットは、それほど多くのファイルを必要としない点にあります。また、非浮動小数点合成でも適度に良い結果が得られます。
Beauty = Output Diffuse Direct Illumination + Output Diffuse Indirect Illumination + Output Specular + Output Reflections + Output Transparency + Output Translucency + Self Illumination
それからもう 1 つ、より「複雑な」パイプラインがあります。これはさまざまな raw 出力と level 出力を使うため、ポストプロダクションでのコントロールの幅が広がります。
raw 出力の保存と合成は、ダイナミックの範囲を維持するため、浮動小数点で行う必要がある点に注意してください。level 出力は、必ず 0.0 から 0.1 の範囲に収まります。浮動小数点で保存する必要はありません。
Beauty = Level Diffuse * (Raw Diffuse Direct Illumination + (Raw Diffuse Indirect Illumination * Raw Ambient Occlusion)) + Level Specular * Raw Specular + Level Reflections * Raw Reflections + Level Transparency * Raw Transparency + Level Translucency * Raw Translucency + Self Illumination
mr A&D レンダリング要素には、すべて同じ設定が含まれています。
出力の明るさをスケールします。
このチェック ボックスにチェック マークが付いている場合、サーフェス上の影が出力に含まれます。