カメラのコントロールのほとんどは両方のカメラに共通です。このトピックでは、これらのコントロールについて説明します。
手順
表示領域を広げるには:
- [視野](FOV)編集ボックスの値を大きくしてカメラの視野を広げます。
- 短い焦点距離のボタンをクリックします。[レンズ](Lens)編集ボックスを使用して、そのボタンに設定されている値とは異なる焦点距離を設定します。
表示領域を狭くするには:
- [視野](FOV)編集ボックスの値を小さくしてカメラの視野を狭くします。
- 長い焦点距離のボタンをクリックします。[レンズ](Lens)パラメータを使用し、そのボタンに設定されている値とは異なる焦点距離を設定します。
カメラ ビューポートで[視野](FOV)ボタンを使用するとインタラクティブに視野を調整できます。
カメラ ビューポートで[パース](Perspective)ボタンを使用すると、カメラをドーリーしながら視野を変更できます。
注: カメラとともに保存されるのは[視野](FOV)編集ボックスの値だけです。焦点距離の値は、視野の表現と選択のための代替手段でしかありません。
カメラ レンズのサイズを設定するには:
- [ストック レンズ](Stock Lenses)領域のボタンをクリックして、ストック焦点距離を選択します。
- [レンズ](Lens)編集ボックスをカスタム焦点距離に設定します。
ヒント: 同じレンズを保持する場合は、ナビゲーション アイコン ボタンの[視野](FOV)または[パース](Perspective)を使用しないようにし、[視野](FOV)編集ボックスを変更しないようにします。
カメラをフィルムやビデオの形式に合わせるには:
[レンダリング設定](Render Setup)ダイアログ ボックスの[出力イメージ サイズ](Output Size)領域で、出力タイプを選択します。 以下のいずれかの方法を使用します。 - ドロップダウン リストから、HDTV (ビデオ)などのプリセットを選択します。[口径幅](Aperture Width)はプリセットの値にロックされます。
- [カスタム](Custom)を選択し、[口径幅](Aperture Width)に任意の値を設定します。(その他の出力値は後からいつでも調整できます。これらの値は、シーンのクロップに影響しますが、カメラ レンズの設定には影響しません)。
- [口径幅](Aperture Width)を設定した後、カメラの[レンズ](Lens)値を再現したいカメラ レンズのタイプに設定します(50mm など)。
同じレンズを保持する場合は、ナビゲーション アイコン ボタンの[視野](FOV)または[パース](Perspective)を使用しないようにします。
焦点距離を設定するには:
- 変更した口径幅に基づいてレンズの焦点距離を設定するには、[レンダリング設定](Render Setup)ダイアログ ボックスを開きます。[出力サイズ](Output Size)ドロップダウン リストから[カスタム](Custom)を選択し、[口径幅](Aperture Width)スピナーに値を指定します。カメラの[レンズ](Lens)パラメータの新しい値は、[口径幅](Aperture Width)の値に基づいて設定されます。
カメラの円錐を表示するには:
カメラの水平線を表示するには:
環境範囲を調整するには:
- [近接範囲](Near Range)編集ボックスまたは[遠方範囲](Far Range)編集ボックスの値を調整します。
既定値の設定では、[近接範囲](Near Range)編集ボックスの値は 0.0 で、[遠方範囲](Far Range)編集ボックスの値は、[クリッピング平面](clipping plane)領域の[遠方](Far)編集ボックスの値と同じです。
環境範囲の設定により、[環境クリップ](Environment)ダイアログ ボックスで設定されている環境効果の及ぶ近接範囲制限と遠方範囲制限が定義されます。
ビューポートに環境範囲を表示するには:
クリッピング平面を設定するには:
- [手動でクリップ](Clip Manually)チェック ボックスにチェックマークを付けます。
[手動でクリップ](Clip Manually)チェック ボックスのチェックマークが消えているときは、カメラが[近接](Near)クリッピングおよび[遠方](Far)クリッピング平面の位置を無視するので、コントロールを選択できません。この場合、カメラは、視野にあるすべてのジオメトリをレンダリングします。
- [近接クリップ](Near Clip)の値を設定して、近接クリッピング平面を配置します。
[近接距離](Near distance)編集ボックスの値よりもカメラの近くにあるオブジェクトは、カメラでは見えないため、レンダリングできません。
- [遠方クリップ](Far Clip)の値を設定して、遠方クリッピング平面を配置します。
[遠方距離](Far distance)編集ボックスの値よりもカメラから離れているオブジェクトは、カメラで見ることができないため、レンダリングできません。
[近接](Near)クリッピング平面をカメラの近くに設定することによってすべてのジオメトリを含め、一方で、[遠方](Far)クリッピング平面を使用してオブジェクトを除外することができます。同様に、[遠方](Far)クリッピング平面をカメラから十分に離れた位置に設定することによってすべてのジオメトリを含め、一方で、[近接](Near)クリッピング平面を使用してオブジェクトを除外することもできます。
[近接クリップ](Near)編集ボックスの値は[遠方クリップ](Far)編集ボックスの値より小さくなければなりません。
クリッピング平面がオブジェクトと交差している場合、その交差した部分が切り取られ、破断図が作成されます

クリッピング平面の効果
複数のパスの効果をシーンに適用するには:
- [マルチパス効果](Multi-Pass Effect)領域で、[被写界深度](Depth Of Field)または[モーション ブラー](Motion Blur)を選択して[使用可能](Enable)チェック ボックスにチェックマークを付けます。
- [マルチパス効果](Multi-Pass Effect)領域で、[使用可能](Enable)をオンにします。
被写界深度(dof)は、既定値で 3ds Max に用意されている唯一のマルチ パス効果です。
- [マルチパス効果](Multi-Pass Effect)領域で、[使用可能](Enable)をオンにして[被写界深度](Depth Of Field)を選択します。
- [被写界深度パラメータ](Depth Of Field Parameters)ロールアウトまたは[モーション ブラー パラメータ](Motion Blur Parameters)ロールアウトを使用して、選択した効果の値を設定します。
- カメラ ビューポートをアクティブにします。
- [マルチパス効果](Multi-Pass Effect)領域で、[プレビュー](Preview)をクリックしてカメラ ビューポートの効果をプレビューします。
[プレビュー](Preview)ボタンは、カメラ ビューポートがアクティブでない場合は無効です。
- シーンをレンダリングまたはアニメートします。
インタフェース

- レンズ
- カメラの焦点距離をミリメートル単位で設定します。[レンズ](Lens)編集ボックスを使用して、[ストック レンズ](Stock Lenses)領域のボタンに設定済みのストック レンズの値と異なる焦点距離を設定します。
[レンダリング設定](Render Setup)ダイアログ ボックスの[口径幅](Aperture Width)の値を変更すると、[レンズ](Lens)スピナー フィールドの値も変更されます。これらの値を変更しても、カメラのビューは変わませんが、[レンズ](Lens)の値と[視野](FOV)の値の関係が変更されます。また、カメラの円錐のアスペクト比も変更されます。
- 視野方向フライアウト
- 視野(FOV)値を適用する方法を次のうちから選択できます。
-
[水平](Horizontal) (既定値)視野を水平にします。これは、視野の設定および測定の標準的な方法です。
-
[垂直](Vertical) 視野を垂直方向で適用します。
-
[対角](Diagonal) 視野をビューポートの一方の隅から他方の隅へ斜方向に適用します。
- 視野
- カメラ ビューに表示される領域の幅(視野)を設定します。視野方向が水平(既定値)の場合は、視野パラメータを使用して、カメラの水平線の円弧を角度で設定します。更に、視野を垂直または対角で測定するように設定することもできます。
また、[視野](FOV)ボタンを使用すると、カメラ ビューポート コントロールでインタラクティブに視野を調整できます。
- 正投影
- チェックマークが付いている場合、カメラ ビューは[ユーザ](User)ビューとまったく同じように見えます。チェックマークを消すと、カメラ ビューは標準的なパース ビューと同じように表示されます。このチェック ボックスのチェックマークが付いているときでも、[パース](Perspective)ボタン以外のビューポート ナビゲーション ボタンは通常どおりに機能します。[パース](Perspective)ボタンの機能を使用してカメラを移動したり視野を変更したりすることはできますが、[正投影](Orthographic)ビューではこれらの操作がキャンセルされるため、[正投影](Orthographic)チェック ボックスのチェックマークを消すまでは変更内容を確認できません。
[ストック レンズ](Stock Lenses)領域
- [15mm]、[20mm]、[24mm]、[28mm]、[35mm]、[50mm]、[85mm]、[135mm]、[200mm]
- これらのプリセット値で、カメラの焦点距離をミリメートル単位で設定します。
- タイプ
-
カメラのタイプをターゲット カメラからフリー カメラに変更したり、その逆に変更したりします。
注: ターゲット カメラからフリー カメラに切り替えると、ターゲット オブジェクトが非表示になるのでカメラのターゲットに適用されているアニメーションは失われます。
- 円錐を表示
-
カメラの視野によって定義されている円錐(実際にはピラミッド)を表示します。円錐は、他のビューポートには表示されますが、カメラ ビューポートには表示されません。
- 水平線を表示
-
水平線を表示します。カメラ ビューポートの水平レベルにグレーの直線が表示されます。
[環境範囲](Environment Ranges)領域
- [近接範囲](Near Range)および[遠方範囲](Far Range)
- [環境](Environment)パネルで設定されている環境効果の及ぶ近接範囲と遠方範囲を指定します。この範囲内にあるオブジェクトは、遠方値(パーセント)と近接値(パーセント)の範囲内でフェードします。
- 表示
- カメラの円錐内に長方形を表示し、近接範囲と遠方範囲を表示します。
上: 近接範囲と遠方範囲の概念図
下: レンダリング後の結果
[クリッピング平面](Clipping Planes)領域
クリッピング平面を定義するオプションを設定します。ビューポートでは、クリッピング平面はカメラの円錐内に(斜方向の)赤い長方形で表示されます。
- 手動でクリップ
- チェックマークを付けると、クリッピング平面を定義できます。
[手動でクリップ](Clip Manually)チェック ボックスにチェックマークが付いていない場合は、カメラから 3 単位までのジオメトリは表示されません。この設定を無効にする場合には、[手動でクリップ](Clip Manually)チェック ボックスにチェックマークを付けます。
- [近接クリップ](Near Clip)および[遠方クリップ](Far Clip)
- 近接クリッピング平面および遠方クリッピング平面を設定します。近接クリッピング平面より近くにあるオブジェクトや、遠方クリッピング平面より遠くにあるオブジェクトは、カメラで見ることができません。遠方クリップの制限値は 10 の 32 乗です。
手動でのクリップ操作をオンにした場合、近接クリッピング平面はカメラに 0.1 単位まで近づけることができます。
警告: [遠方クリップ](Far Clip)編集ボックスに極端に大きい値を設定すると、浮動小数点数エラーが発生する場合があります。これにより、ビューポートで他のオブジェクトの前にオブジェクトが表示されるべきではない場合に表示されるなど、Z バッファの障害による問題が生じます。

近接クリッピング平面と遠方クリッピング平面の概念図
[マルチパス効果](Multi-Pass Effect)領域
このコントロールで、カメラの被写界深度やモーション ブラー効果を割り当てることができます。これらの効果をカメラで生成すると、複数のパスのシーンをオフセットでレンダリングして、ブラー効果を生成できます。このレンダリングには時間がかかります。
ヒント: 被写界深度とモーション ブラー効果は同時に使用できません。いずれも複数のレンダリング パスに依存しているため、同じカメラに同時に適用すると動作が非常に遅くなることがあるからです。被写界深度とモーション ブラーを同じシーンで使用する場合は、これらのカメラ パラメータを使用したマルチパスの被写界深度を
オブジェクト モーション ブラーと組み合わせて使用します。
- 使用可能
- このチェック ボックスにチェックマークが付いている場合、プレビューやレンダリングで効果が使用できます。このチェック ボックスにチェックマークが付いていない場合、効果はレンダリングされません。
- プレビュー
- クリックすると、アクティブなカメラ ビューポートの効果をプレビューできます。このボタンは、アクティブ ビューポートがカメラ ビューでない場合には無効です。
- [効果ドロップダウン リスト]
- 生成するマルチパス効果、被写界深度、またはモーション ブラーが選択できます。これらの効果は、一度に 1 つしか選択できません。既定値は[被写界深度(DOF)](Depth Of Field)です。
また、このリストを使用すると、[被写界深度(mental ray/iray)](Depth of Field Parameter (mental ray/iray))を選択できます。ここでは、ネイティブの被写界深度効果(mental ray、iray、または Quicksilver レンダラー)を使用できます。
Nitrous ビューポートがアクティブで、[有効](Enable)がオンになっている場合、カメラ ビューポートにも被写界深度が表示されます。
注: 既定では、選択した効果のロールアウトは[パラメータ](Parameters)ロールアウトの後に表示されます。
- パスごとに効果をレンダリング
- このチェック ボックスにチェックマークが付いている場合、マルチパス効果(被写界深度あるいはモーション ブラー)の各パスにレンダリング効果が割り当てられていれば適用されます。チェックマークが消えていると、マルチパス効果を生成するパスにだけレンダリング効果が適用されます。既定値ではチェックマークは付いていません。
[パスごとに効果をレンダリング](Render Effects Per Pass)のチェックマークを消すと、マルチパス効果のレンダリング時間を短縮できます。
- ターゲットまでの距離
- フリー カメラでは、ポイントを設定してそのポイントを軌道回転できる非表示ターゲットとして使用します。ターゲット カメラでは、カメラとそのターゲット間の距離を表します。