ビューポート キャンバスは、オブジェクトのマテリアル内の任意のビットマップ上に、ビューポート内でカラーおよびパターンを直接ペイントするためのツールです。複数のレイヤ内で 3D オブジェクトに直接ペイントしたり、ビューポート上にスーパーインポーズされた 2D キャンバス上でペイントすることができます。ビューポート キャンバスでは、ペイント結果を PSD 形式で書き出すことができるため、書き出したデータを Adobe Photoshop やその他の互換プログラムで修正し、3ds Max でファイルを保存してテクスチャを更新できます。

まず、ブラシを選択し、いずれかのペイント ツール([ペイント](Paint)、[消去](Erase)、[クローン](Clone)など)をアクティブにします。その後、必要に応じてツールを切り替えたりレイヤを変更したりしながら、オブジェクト上に直接ペイントします。
ビューポート キャンバスの機能には、カスタム パレットを使用する、ブラシ設定をランダム化する、グラフィックス タブレットとペンを使用してブラシ半径やその他の設定を圧力に基づいて変化させる、ブラシ ストロークをミラーする、すべての設定を保存およびロードする、といったものがあります。また、オブジェクト上へのペイントと 2 次元のキャンバス上でのペイントを即座に切り替えることができます。また、どちらの領域でもリアルタイムのフィードバックを得られます。
最高の精度を実現するには、TIFF などのロスレスのファイル形式を使用します。また、テクスチャのビューポート表示に最高の解像度を使用していることを確認します。この設定を行うには、[カスタマイズ](Customize)メニュー
[カスタマイズ](Customization)
[基本設定](Preferences)
[ビューポート](Viewports)
[ドライバを設定](Configure Driver)を選択し、[ダウンロード テクスチャ サイズ](Download Texture Size)を 512 に設定し、[ビットマップ サイズに近づける](Match Bitmap Size As Closely As Possible)をオンにします。[ビューポート キャンバス](Viewport Canvas)は OpenGL を除くすべてのディスプレイ ドライバでサポートされます。
ビューポート キャンバスを使用するには(必要に応じてレイヤと一緒に):
この手順は、[ビューポート キャンバス](Viewport Canvas)の汎用目的の入門としても、[レイヤ](Layers)機能を使用するためのガイドとしても使用します。
オブジェクトにマテリアルを割り当てておく必要はありませんが、マッピング座標は必要です。マッピング座標が設定されていないオブジェクトでは、ビューポート キャンバスは機能しません。
[ビューポート キャンバス](Viewport Canvas)ダイアログ ボックスが開きます。必要に応じて、オブジェクトと重ならない位置に移動します。
[左](Left)または[右](Right)を選択します。 オブジェクトにマテリアルが割り当てられていない場合は[マテリアルの割り当て](Assign Material)ダイアログ ボックスが表示され、標準マテリアルを割り当てるか、マテリアル/マップ ブラウザを使用してマテリアルを参照するか、キャンセルするかを選択できます。 これらのオプションの詳細は、「[マテリアルの割り当て](Assign Material)ダイアログ ボックス」を参照してください。すばやく作業を開始するには、[標準マテリアルの割り当て](Assign Standard Material)を選択します。
マテリアルを割り当てると(またはオブジェクトにマテリアルが既に割り当てられている場合は)、使用可能なマップ タイプのリストが表示されます。このリストには、割り当てられているマップもすべて含まれています。
マップ タイプにビットマップ イメージ ファイルが割り当てられていない場合は、マップ タイプを選択すると[テクスチャ作成]ダイアログ ボックスが表示され、ここで参照ボタン(
)を使用して新規または既存のビットマップ ファイルを指定できます。 それ以外の場合、ビューポート キャンバスは現在のビットマップを使用します。
マテリアルとマップを設定すると、必要に応じて[レイヤ](Layers)ダイアログ ボックスが表示され、アクティブ ビューポート上ではマウス カーソルがアクティブなツール用のアイコン(たとえば[ペイント](Paint)ツールや[消去](Erase)ツールでは円)に変わります。[ペイント](Paint)ツールの使用中にカーソルがペイント対象のオブジェクト上に移動すると、ペイント イメージがブラシ アイコンの内側に表示されます。
バックグラウンド レイヤがアクティブになり、ペイントする準備ができました。
ただし、新規レイヤにペイントしたい場合は、次のヒントを参照してください。
ペイントに新規レイヤが追加され、アクティブなレイヤになります。
ペイント中は、ツール、カラー、ブラシ イメージを切り替えることができます。レイヤを追加、削除、切り替えたり、レイヤの順序を変更したり、フィルタおよびレイヤ間の相互作用を指定することもできます。また、ビューポートを操作して、オブジェクトの別の部分にペイントすることも可能です。
単一レイヤのビットマップに 1 つまたは複数のレイヤを追加した場合は、[テクスチャ レイヤを保存](Save Texture Layers)ダイアログ ボックスが表示され、ペイントに対する処理を指定するように求められます。これらのオプションについては、この説明を参照してください。
現在のマップ内にレイヤを保存するには、[PSD として保存しマテリアルのテクスチャと置換](Save as PSD and replace texture in material)を選択し、表示されたファイル ダイアログ ボックスを使用して、保存する PSD ファイルを指定します。このファイルは、オブジェクトのマテリアルにおける新しいマップになります。
任意のペイント ツールをアクティブにすると、もう一度そのマップの編集に戻ることができます。同じマテリアル内の別のマップを編集するには、[オプション](Options)ロールアウトから編集するマップを選択します。
例: [ビューポート キャンバス](Viewport Canvas)で[クローン](Clone)ツールを使用するには:
[クローン](Clone)ツールでは、オブジェクトの別の部分のテクスチャ、ビットマップの 1 つまたはすべてのレイヤを使用するテクスチャ、あるいはアクティブ ビューポートの任意の場所のテクスチャを使ってペイントすることができます。たとえば、あるオブジェクト内のテクスチャのクローンを、他のオブジェクトに作成することができます。ここでは、この 3 つのクローン ソースすべての使用例を説明します。

[ビューポート キャンバス](Viewport Canvas)ダイアログ ボックスが開きます。必要に応じて、ビューポートと重ならない位置にダイアログ ボックスを移動します。
これで、元のビットマップ ファイルに変更を保存することなく、いろいろと試すことができるようになります。

[レイヤ](Layers)ダイアログ ボックスが開き、ビットマップのレイヤが表示されます。

これで、テクスチャを選択してクローンを作成する準備が整いました。
を押したまま
(マウスの左ボタン)をクリックして、
を放します。 テクスチャ上のクリックした場所に、クローンする領域の中心を表す緑の点が表示されます。
これで、クローン イメージを使用してペイントする準備が整いました。
クローンされたテクスチャの、ブラシの円内に収まる部分が、プレビューとしてブラシと共に移動します。一方、緑の点は静止したままです。

[Alt]を押しながら「a」をクリックしてレイヤ 1 からクローンを作成する
クローンされたイメージが、選択したオブジェクトにコピーされます。
[クローン](Clone)ブラシを使用したこの後のペイントでは、ツールを終了したり設定を変更したりするまでは、この点に対して相対的なテクスチャがコピーされます。
ブラシは、緑の点が移動するとクローンを作成するテクスチャ上でスライドするように見え、ペイントを再開したときにテクスチャのどの部分のクローンが作成されるかが正確にプレビューされます。

緑の点は球から離れると赤色に変わる。

レイヤ 1 のクローン作成を続行
現在のレイヤの内容だけがクローンされます。
設定を変更したので、緑の点が消えます。[クローン](Clone)ブラシはアクティブなままですが、この状態でペイントしようとしても、クローン ペイントが失われているので、何もペイントされません。ただし、もう一度
+クリックすると、いつでも現在のレイヤ内で新しいクローン ポイントを指定することができます。

レイヤ 2 からのクローン作成
+クリックします。 これで、アクティブなレイヤだけでなく、すべてのレイヤからクローンを作成できるようになりました。

すべてのレイヤからのクローン作成
+クリックします。 これで、スクリーン全体からクローンを作成します。

スクリーンからのクローン作成
[テクスチャを保存](Save Texture)がオフなので、ペイントした内容は破棄されます。
この最初のセクションでは、[ビューポート キャンバス](Viewport Canvas)ダイアログ ボックスの上部にあるコントロール、すなわちブラシとカラーの設定、および2D ビューと[レイヤ](Layer)ダイアログ ボックスを開くためのボタンについて説明します。その他のコントロールはこのダイアログ ボックスの別のロールアウトにあり、「ビューポート キャンバスのその他のロールアウト」で説明します。
[左](Left)または[右](Right)を選択します。ドッキングしたダイアログ ボックスをフロートさせるには、このダイアログ ボックスをドラッグするか、上部付近で右クリックして[フローティング](Float)を選択します。 
ビューポート キャンバスでオブジェクトをペイントするには、オブジェクトを 1 つ選択し、[ビューポート キャンバス](Viewport Canvas)ダイアログ ボックスの上部からペイント ツールを選択します。ペイント ツールは、選択した単一のオブジェクトにのみ機能します。また、そのオブジェクトには、少なくとも 1 つのマップにビットマップ ファイルが割り当てられているマテリアルがなければなりません。必要に応じて、ビューポート キャンバスでマテリアルを適用し、マップを作成することもできます。オブジェクトには UVW 座標も必要で、これはビューポート キャンバスで作成することはできません。
詳細は、こちらの手順を参照してください。
モデルにペイントが適用されないようにするには(実験中など)、[オプション](Options)ロールアウトの
[テクスチャを保存](Save Texture)をオフにします。これで、右クリックすると、ツールを終了する前にペイントは破棄されます。また、大部分のブラシには、オプションのプレビュー モードが用意されています。
モデルの任意の位置にペイントしたり、カラー、不透明度、ブラシ イメージおよびその他の設定を変更したり、ビューポートを操作することができます。
他のペイント ツールの使用中は、
キーを押したままにすることによって一時的に[消去](Erase)をアクティブにすることができます。キーを放すと、ツールは元の機能に戻ります。
キーを使用する場合を含む)、[不透明度](Opacity)の設定は[消去](Erase)にのみ適用されます。それ以外のときは、[不透明度](Opacity)の設定は[消去](Erase)以外のすべてのツールに適用されます。 [クローン](Clone)ツールを使用するには、まず
を押したまま画面上からクローンのポイントをクリックし、
を放して選択したオブジェクトをペイントします。最初にクリックした領域から、ペイントがサンプリングされます。詳細は、こちらの手順を参照してください。
[クローン](Clone)の使用中は、現在のレイヤ、すべてのレイヤ、またはスクリーン全体からサンプルを選択できます。詳細は、「クローン ソース」を参照してください。
[Texel ルックアップ](Texel Lookup)を[もっとも近く](Nearest)に設定することをお勧めします。これにより、ビューポート内のテクスチャが最も鮮明になり、ペイントが投影されたときに最も正確な結果を実現できます。なぜなら、ビューポートに表示されているもののみをクローンできるからです。 2D View キャンバスでのペイント中は、レイヤ全体に現在のカラーまたはブラシ イメージを適用します。
ブラシ イメージを使用して塗り潰す場合は、塗り潰しツール - ブラシ イメージを使用して、イメージをタイリングするのか、一度だけ貼り付けるのかを指定します。
このツールを使用するには、グラデーションの開始位置でクリックし、終了位置までドラッグします。塗り潰しは、ドラッグ方向の「後方」にあるオブジェクトの部分に、ビュー平面に対して垂直に実行され、ユーザが設定した終了位置で完全に透明になるように減衰していきます。
ブラーの量を調整するには、[ブラー](Blur)/[シャープ](Sharpen)の設定を使用します。
シャープの程度を調整するには、[ブラー](Blur)/[シャープ](Sharpen)の設定を使用します。
[レイヤを移動](Move Layer)は、バックグラウンド レイヤには使用できません。
[レイヤを回転](Rotate Layer)は、バックグラウンド レイヤには使用できません。
[スケール レイヤ](Scale Layer)は、バックグラウンド レイヤには使用できません。
以下のマウスおよびキーボード オプションは、ペイント ツールの使用中に使用できます。
消しゴム: 現在アクティブなツールで描画したペイントの一部を消去します。このモードでは、[消去](Erase)ツールの[不透明度](Opacity)の設定が使用され、他のツールで使用される標準の[不透明度](Opacity)の設定は使用されません。
選択したオブジェクトのサーフェスからカラーをサンプリングします。ブラシの中央から単一のピクセルをピックします。
押したままクリックすると、最後にペイントしたポイントからクリックした位置までの直線を描画できます。[ペイント](Paint)や[消去](Erase)など、すべてのストロークタイプのペイント ツールで使用できます。
+
押したまま垂直方向にドラッグして、ブラシの半径をインタラクティブに変更します。
+
押したまま垂直方向にドラッグして、ブラシの不透明度をインタラクティブに変更します。
+
押したまま垂直方向にドラッグして、ブラシの硬さをインタラクティブに変更します。
(右クリック) ツールを終了してペイントをモデルのテクスチャに適用し、ビットマップ ファイルに保存します。ほとんどの場合は 1 秒以内に処理が完了しますが、それ以上の時間がかかる場合は、計算中にインタフェース内に進行状況バーが表示され、更新されていきます。 1 つまたは複数のレイヤを単一レイヤのビットマップに追加した後に、右クリックなどの方法でペイント ツールを終了すると、[テクスチャ レイヤを保存](Save Texture Layers)ダイアログ ボックスが表示され、マルチレイヤ イメージの処理方法を選択するように求められます。

カラー見本をカスタマイズするには、カラー見本を右クリックし、表示された[カラー セレクタ](Color Selector)を使用してカラーを調整します。ダイアログ ボックスの下部にあるボタンを使用すると、カスタム パレットをロードしたり、現在のパレットを保存したり、現在のパレットを既定値として保存することができます。

+
キーを押したまま垂直にドラッグします。 ビューポート内で不透明度をインタラクティブに変更するには、
+
キーを押したまま垂直にドラッグします。
ビューポート内で硬さをインタラクティブに変更するには、
+
キーを押したまま垂直にドラッグします。