標準マテリアルは、サーフェスをモデリングするための簡単な方法を提供します。現実の世界では、サーフェスの外観は光の反射方法で変わります。3ds Max では、標準マテリアルはサーフェスの反射の特性をシミュレートします。マップを使用しない場合、標準マテリアルではオブジェクトは単一で均等なカラーをしています。
既定の標準マテリアルでレンダリングしたスクータ
このトピックでは、標準マテリアル用のコントロールについて説明します。ただし、マップの使用は除きます。
1 色のサーフェスは通常、多くの色を反射します。標準マテリアルでは、通常 4 色モデルを使用してこれをシミュレートします(これは、使用するシェーダに応じて異なります)。この 4 色は、マテリアルのカラー コンポーネントと呼ばれます。
このコンポーネントは、サーフェスに当たるライトがさまざまな方向に反射することから、「拡散反射」と呼ばれています。ハイライトはその反対に、光源を反射します。
サーフェスにはグランシング ハイライト(輝度の強いハイライト)もあります。これは、観察者またはカメラに対して入射角が大きい場合(光線がサーフェスとほぼ水平な場合)に現れます。グランシング ハイライトは、金属のサーフェスに見られる特徴です。
反射性が完全か、それに近いサーフェスもあります。それらはサーフェスを照らすライトのみでなく、サーフェスの環境も反射します。このようなサーフェスをモデル化するには、反射マップを割り当てるか、レイ トレースを使用する必要があります。
フィルタ カラー コンポーネントは、マテリアルの[不透明度](Opacity)が 100% より小さくなければ表示されません。
各領域のエッジで 3 つのカラー コンポーネントがブレンドされます。拡散反射光と周囲光の間のブレンドはシェーダによって計算されます。拡散反射光と鏡面反射光の間のブレンド量は、標準マテリアルの鏡面反射ハイライト コントロールを使用して設定します。
オブジェクトの色を説明する場合、通常は拡散反射光カラーのことを意味します。周囲光の選択は照明の種類によって異なります。周囲光は、適度な屋内照明では濃い拡散反射光カラーとなりますが、明るめの屋内照明や自然光の場合には主要光源(主光線源)を補う役割を果たします。鏡面反射光カラーは、主光線源と同色か、明度が高く彩度が低い拡散反射光カラーにします。
カラー コンポーネントの選択に関する詳細については、「現実味のあるカラーを選択」を参照してください。
標準マテリアルの鏡面反射光カラーはハイライトで表示されます。ハイライトの大きさと形はコントロールできます。光沢のあるサーフェスでは小さく強いハイライトになります。マット サーフェスでは、ハイライトは大きくて弱いかまったくハイライトされません。
標準マテリアルには、オブジェクトを透明に見せるコントロールや、自己照明の状態にして輝いているように見せるコントロールもあります。
マテリアルのカラー コンポーネント同様、コンポーネントもハイライト、透明度、自己照明などをコントロールするパラメータに関連しています。