プロパティの管理

プロパティの管理には、プロパティ定義の作成および管理作業が含まれます。これらの作業を実行するには、管理者のアクセス権が必要です。

プロパティは、ファイルに関連付けられている属性です。Vault では、システム定義プロパティおよびユーザ定義プロパティ(UDP)という 2 種類のプロパティ定義を認識します。システム定義プロパティは、Vault から取得されるプロパティです。Vault にはグローバル プロパティのセットがあり、Vault のファイルに適用されます。ユーザ定義プロパティは、管理ツールを使用して作成します。

プロパティを操作する前に、Vault のプロパティ システムに関する用語、データ タイプ、および属性について理解しておく必要があります。

一般的な用語

次の表では、よく使用されるプロパティ関連の用語について説明します。

用語定義
関連付けプロパティを使用できるエンティティ クラスを指定する属性です。
準拠すべてのプロパティ ポリシーと等価性評価を満たすプロパティのステータスです。
データ タイププロパティ値で使用可能なデータのタイプです。このタイプには、テキスト型、数値型、ブール型、日付型があります。
データベース プロパティデータベースの任意のプロパティ。ユーザ定義またはシステム プロパティがあります。
エンティティエンティティは、ファイルを関連付けることのできるシステム クラスです。エンティティには、ファイル、フォルダ、アイテム、または変更管理があります。
等価値がソース値に一致するときのマッピングされたプロパティのステータスです。
ファイル プロパティファイルに関連付けられているプロパティです。
マッピングされたプロパティ定義されるプロパティの値の取得元となるプロパティです。たとえば、ユーザ定義プロパティは、複数の異なるファイル プロパティから値を取得することができます。ファイル プロパティは、システム プロパティから値を取得することができます。
マッピング定義されるプロパティと、その値の取得元となるプロパティ間に設定された一連の関係です。所定のプロパティ定義には、複数のマッピングが存在する場合がります。
マスターマッピングされたプロパティの値の取得元となるプロパティです。マスター プロパティの値は、従属プロパティに書き込まれます。
非対応1 つまたは複数のプロパティ ポリシーまたはその等価性評価を満たさなかったときのプロパティのステータスです。
非等価値がソース値に一致しないときのマッピングされたプロパティのステータスです。
プロパティ定義プロパティに関するすべての属性および制約です。これには、名前、データ タイプ、初期値、マッピング、最小値と最大値、大文字/小文字の値、使用状況の値、基本検索の値などがあります。
プロパティ名GUI(グラフィカル ユーザ インタフェース)で使用される名前。プロパティを識別します。
プロパティ ポリシープロパティ ポリシーでは、データ タイプに応じて、満たす必要のある特定の拘束が指定されます。拘束には、満たす必要のある値の範囲、値のタイプ、または値の形式を含めることができます。たとえば、プロパティ ポリシーには、「プロパティの値は 1 ~ 10 の範囲内で設定する必要があります」のように記述します。

プロパティがプロパティ ポリシーを満たさないときは、非対応とみなされます。

プロパティ値特定のファイル バージョンに関するプロパティの属性のリテラル コンテンツです。
オーバーライドカテゴリによって定義されたポリシーがプロパティ値に優先するかどうかを指定します。
従属マッピングされたプロパティ。マスター プロパティから値を取得します。
システム定義プロパティデータベースのプロパティで、システムによって作成され、ファイルに割り当てられます。
ユーザ定義プロパティ(UDP)データベースのプロパティで、管理者が作成します。このプロパティは、ファイルが Vault へ追加されたときに、ファイルに適用できます。

データ タイプ

すべてのプロパティ値にはデータ タイプがあります。このデータ タイプによって、プロパティ値の読み込みと処理方法が定義されます。

データ タイプ名説明
ブール型真または偽
日付型特定の日付、または開始日と終了日で表す日付範囲
数字数字のみ
テキスト文字と数字

属性

プロパティには、プロパティの記述方法と値の制約を定義する属性があります。

属性名説明
基本検索基本検索の対象にプロパティを含めるかどうかを指定する制約です。
大文字と小文字の区別テキスト型のデータ タイプに適用される制約です。この制約は、[なし]、[大文字]、[小文字]、[名前の大文字と小文字]、[文の大文字と小文字]に設定できます。
値の一覧を強制プロパティの値を一覧から取得する必要があるかどうかを指定する制約です。
初期値値が指定されていない場合のプロパティの初期値を指定する属性です。
注: 初期値は書き込みマッピングで使用するのに最も適しています。標準の読み取りマッピングで初期値が設定されている場合は、その読み取りマッピングの方が優先度が高く、初期値は上書きされます。初期値が読み取りマッピングによって上書きされないのは、マップされる値が空白の場合のみです。
値を一覧表示[リスト タイプ]ダイアログ ボックスを表示します。ここで、一覧の値を入力したり、表示順序を指定することができます。一覧には、アイテムが 1 つ以上表示される必要があります。
最小長さプロパティ値に指定できる文字数の最小値です。
最大長さプロパティ値に指定できる文字数の最大値です。
値が必要プロパティに、値を設定する必要があるかどうかを定義する制約です。
ステータスファイルのライフサイクル ステータスを認識するかどうかを示すプロパティの設定です。
使用状況プロパティを現在使用しているファイルの数を示します。この情報を使用して、使用率の高いプロパティを調べ、Vault から削除しても支障のないプロパティを判定することができます。

プロパティ コンプライアンス アイコン

Vault Client のメイン ビューには[プロパティ コンプライアンス]列があり、さまざまなステータス アイコンが一覧表示されます。この列のアイコンは、ファイルに関連付けられたプロパティが準拠、非対応、保留中のいずれであるかや、等価性評価に失敗したかどうかを示します。

Icon[値]定義

アイコンなし

準拠

すべてのプロパティがポリシー要件と等価性を満たしています。

 

非対応

1 つまたは複数のプロパティがプロパティ ポリシー要件または等価性を満たしていません。

マウスをアイコンに合わせると、1 つまたは複数のプロパティがコンプライアンスに失敗した理由の詳細が示されます。

 

計算されていません

1 つまたは複数のプロパティに変更がありましたが、等価性とポリシーがまだ確認されていません。

 

保留中

現在、等価性についてプロパティが評価されています。

 

評価が失敗しました。

等価性評価が失敗しました。これはまれな状況で、プロセッサが評価ループに入ったときに発生します。

注: [検索]ダイアログ ボックスで、評価が失敗した値が追加されます。これにより、評価が失敗したファイルを検索できます。
注:ファイル プロパティを再インデックスする」も参照してください。