Stingray 1.4 リリース ノート

Stingray 1.4 (1.4.728.0) では、Autodesk 3D ツールとの接続が改善され、より多くの VR プラットフォームのサポートが追加され、さらに WebGL2 を実験的にサポートしており、開発者がプロジェクトを特定の Web ブラウザで展開できるようになります。また、Stingray のこのリリースでは、エンジンのいくつかの機能領域で使いやすさを向上させるためのその他の更新が多数行われています。

さらに、Stingray のこのリリースでは、ネットワーク ライセンスをサポートしています。更新されたオートデスクのライセンス情報とインストール情報は、Stingray オンライン ヘルプのこのバージョンに記載されています。

このトピックのセクション:

新機能


Maya、Maya LT とのレベルの同期

個々のアセットのリンクに加えて、Maya または Maya LT で作成されたシーン全体を直接 Stingray にリンクして書き出すことができます。Maya または Maya LT を Stingray エディタにリンクすると、シーンのアセットに自動または手動でタグ付けし、Stingray で同じレイアウトを使用して再現することができます。Maya または Maya LT 内でアセットに行った修正は、Stingray 内で更新されます。これにより、2 つのツール内でレイアウトを手動で再生しなくても、シーンのビルド、反復、確認、および変更を簡単に行うことができます。「Maya、Maya LT、3ds Max とのレベルの同期」を参照してください。

WebGL2 のサポート

この Stingray での新しい実験モードでは、新しい WebGL2 プラットフォームの開発を試すことができます。この実験モードが有効になったことにより、Stingray プロジェクトを特定の Web ブラウザの夜間開発者ベータ版ビルドで実行できるようになりました。これは新しい対象プラットフォームを一般ユーザが利用できるようになる前に、開発者がプロジェクトをこのプラットフォームでテストするための便利な方法です。

注: この機能は、Stingray 1.4 リリース後にいくつかの点が更新されました。最新情報については、「Web で開始する」を参照してください。

VR のサポート

Stingray 1.4 では VR プラットフォームのサポートが向上し、Oculus Rift SDK v1.4 と SteamVR SDK v1.0 のサポートが追加されています。更新された VR SDK キットのリストについては「サポートされるプラットフォーム」を参照してください。

また、このリリースには更新された SteamVR テンプレート プロジェクトがあります。このプロジェクトは Project Manager からダウンロードできます。

Vive コントローラの Flow スクリプト

開発者は Flow(Stingray のノード ベースのビジュアル スクリプト システム)を使用して、Vive コントローラ(SteamVR)のコントローラ アクションを作成することができるようになりました。これにより、Vive VR エクスペリエンスに迅速かつ簡単にインタラクティビティを追加することができ、また設計者が手動でコーディングしなくてもプロトタイプを簡単に作成してテストすることができるようになります。

プロジェクト間でアセットを共有する

複数の Stingray プロジェクト間でアセットをより簡単に共有することができます。書き出すファイルを右クリックすると、すべてのファイル従属が 1 つの便利な圧縮ファイルに自動的に収録されます。このため、プロジェクト間やチーム間でのアセットの共有や、デジタル アセット ストアの販売が、以前より簡単になります。「パッケージを使ってアセットの読み込みと書き出しを行う」を参照してください。

Gameware Navigation の複数のデータベース

以前のリリースでは、各 Stingray レベルは 1 つの Gameware Navigation データベースにしか関連付けられませんでした。そのため、1 つのサイズのキャラクタの NavData しか生成できませんでした。

このリリースでは、Navigation パネルで NavData を生成する際に各レベルで複数の NavData データベースを作成できるようになりました。データベースごとに異なるサイズ パラメータを設定できるため、各データベースで管理されている NavData は当該サイズのキャラクタに現実的な動きをより正確に反映できるようになります。たとえば、あるデータベースを人間サイズのキャラクタに、別のデータベースを巨人や恐竜に使用することができます。最新情報については、「ナビゲーション メッシュを生成する」を参照してください。

Stingray で UV スケール/オフセット値を編集する

マテリアルを Maya、Maya LT、または 3ds Max から書き出す場合、Stingray では UV OffsetUV Scale の値をマテリアルに含めて表示し、UV タイリングを引き続き Stingray で編集できるようにします。

エディタのプラグイン フレームワークを導入

このリリースでは、Stingray エディタの新しいプラグイン フレームワークが導入されています。誰でもこのフレームワークを使用してエディタの動作をカスタマイズしたり、新しい編集機能を追加することができます。しかも、その際に Stingray のソース コードを開く必要はありません。詳細については、「プラグインを使用して Stingray エディタをカスタマイズする」を参照してください。

3ds Max のマテリアルの相互運用性をサポート

3ds Max 用の Stingray DCC Link プラグインをインストールすると、Stingray の物理ベースのシェーダを Stingray プロジェクト フォルダで直接読み込みおよび書き込みできるようになります。Stingray と 3ds Max の間で新しいマテリアルを送信すると、すべての入力接続やノードなどのパラメータが保持されます。

最新情報については、「Maya、Maya LT、3ds Max にマテリアルを送信する」と「Maya、Maya LT、3ds Max からマテリアルを受信する」を参照してください。

拡張された Android のサポート

このリリースでは、Mali シリーズの GPU がサポートされるようになり、広範囲の Android ベースのモバイル デバイスを展開対象にできるようになりました。最新情報については、「サポートされるプラットフォーム」を参照してください。

Asset Browser の改善

シェーダ グラフの改善

Flow スクリプトの改善

各フロー ノードからフロー ノードのリファレンス ドキュメントに直接アクセスすることができます。また、Flow グラフの特定のノードを検索できるようになったため、Flow でのナビゲートや、複雑なシーン インタラクティビティの作成が簡単にできるようになりました。

均等なスケーリング

シーン オブジェクトの XYZ スケール トランスフォーム値をロックできるようになり、Property Editor で比率を維持したままオブジェクトのスケールを簡単に変更することができます。これにより、オブジェクトのスケールの一貫性を確保でき、シーンやプロジェクトの要件を満たすことができます。

TIFF ファイルのサポート

TIFF ファイルを読み込んでテクスチャとして使用できるようになりました。最新情報については、「サポートされるファイル形式」を参照してください。

布地シミュレーションの改善

Stingray 1.4 では、Stingray 1.3 で追加された NVIDIA Apex Cloth のサポートが改善されています。新しい更新ではラグドール キャラクタでの布地の衝突が追加されていて、シーン内を動くキャラクタの周囲で布地が本物らしく現実的に動くようになります。

さらに、Apex Cloth が設定されたアセットを読み込むと、FBX ファイルと名前が一致する .apx ファイルがすべて Stingray プロジェクトに自動的に読み込まれます。たとえば、cloth_test.fbx という名前の FBX ファイルを読み込むと、cloth_test1.apx および cloth_test2.apx という名前のファイルも読み込まれます。Stingray エディタでユニットを名前変更または移動すると、関連付けられている同じ名前の .apx ファイルも名前変更または移動されます。

デカールを並べ替える

新しいDraw Order プロパティを使用して、同じレイヤに配置されたデカールを並べ替えることができます。デカールの投影順序は描画順序に基づいていて、値が大きいデカールが上に表示されます。

レンダリング パフォーマンスの改善

強力な Stingray レンダラーが Screen Space Ambient Occlusions (SSAO)により最適化され、全体の処理速度が向上しました。

GLSL レンズ エフェクト シェーダ

WebGL プラットフォームで、Stingray レンダラーがワイド パノラマ シーンに適したレンズ エフェクト シェーダをサポートするようになりました。

新しい Stingray ライト ベイカー設定

Stingray ベイカーを使用してライトマップをベイク処理する場合、次の項目を調整できます。

更新された DCC 相互運用性プラグイン

このリリースには更新された Stingray DCC Link プラグインがあり、これにより Maya 2017 および Maya LT 2017 がサポートされます。また、3ds Max 2017 用のプラグインもあります。プラグインの詳細については、「Maya、Maya LT、3ds Max との相互運用性」を参照してください。

簡単な Wwise エンジンの環境設定

Stingray プロジェクトの settings.ini ファイルから、統合 Wwise オーディオ エンジンのメモリ使用量と動作をより詳細に制御できるようになりました。Stingray エンジンの settings.ini ファイルのリファレンスを参照してください。

PhysX プラグインの更新

Stingray には Maya 2017 および Maya LT 2017 用の PhysX プラグイン インストーラが付属していますが、このインストーラは PhysX プラグインの最新バージョン 3.3.20602.11122 をインストールするようアップグレードされています。Maya の以前のバージョン用のプラグインを入手するには、「PhysX プラグインのダウンロード」をクリックしてください。関連情報については、「DCC ツール用 PhysX プラグインをインストールする」を参照してください。

先頭に戻る

修正事項

オーサリング ツールおよびアニメーション:

コア:

エンティティ:

Gameware Navigation:

相互運用性

PhysX

プラットフォームと Deployer:

レンダリング:

先頭に戻る

既知の制限事項


このセクションでは、Stingray の既知の制限事項と回避策について説明します。

修正事項」セクションに特に記載のない限り、このリリースには以前のバージョンの「Stingray リリース ノート」に記載される「既知の制限事項」と同じ内容が適用されることにご注意ください。

先頭に戻る

アップグレード要件


Stingray を含むオートデスク製品の完全なインストール ガイドが、Stingray オンライン ヘルプ(こちら)に含まれています。

このセクションでは、Stingray の旧バージョンを使用しているユーザ向けに、特定のアップグレード手順を必要とする改善点と修正事項について説明します。

Oculus VR テンプレートの更新

Oculus Lua API がこのリリースで更新され、パブリックの Oculus Rift SDK の作業ができるようになりました。残念ながら、この変更により、VR テンプレートの Lua スクリプトで一部のコード変更が必要となります。

Stingray の以前のバージョンで VR テンプレートからプロジェクトを作成した場合、そのプロジェクトの作業を Stingray 1.4 で行うことはできません。

この問題を回避するには、このリリースで VR テンプレートから新しいプロジェクトを開始します。その後、すべての内容(scripts フォルダを除く)を以前のプロジェクトから新しいプロジェクトにコピーします。

Lua API の変更点

このリリースの Lua API のすべての新しい要素、変更された要素、削除された要素の完全なリストについては、「バージョン履歴」を参照してください。

プロジェクト内の API 要素が変更または除去された場合は、それに応じてコードを調整する必要があります。

主な変更点:

フロー ノードの変更点

このリリースのすべての新しいフロー ノード、変更されたフロー ノード、削除されたフロー ノードの完全なリストについては、「バージョン履歴」を参照してください。

プロジェクトに変更または削除されたフロー ノードが含まれている場合、旧バージョンのノードをすべて削除して新しいバージョンを再挿入し、グラフが適切に関連付けられていることを確認する必要があります。

主な変更点:

先頭に戻る