アニメーションは残像と呼ばれる人間の視覚の原理を利用しています。関連する静止画を高速に連続して見た場合、脳はそれをとぎれのない連続した動きとして捉えます。個別のイメージはフレームと呼ばれ、ビジュアル システムが表示した後の各フレームを短時間保持することで、動いているという錯覚が生じます。
フレームはアニメーション フィルム画像の 1 コマです。
歴史的には、アニメーション作成の主な障害は、アニメータによる大量のフレーム作成の手間でした。アニメーションの品質にもよりますが、1 分のアニメーションで 720 枚から 1800 枚もの独立したイメージが必要です。イメージを手で作成することは多くの労を必要とします。そのため「キーフレーミング」という方法が登場しました。
アニメーションの多くのフレームはあらかじめ指定された目的に向かって、前のフレームを型にはまった手順で徐々に変化させます。従来のアニメーション スタジオでは「キーフレーム」という主要フレームを描くことでマスター アーチストの生産性を高められることに気付きました。これにより、アシスタントはキーフレームとキーフレームの間の各フレームに必要な部分を描くことができます。この中間フレームを「トゥイーン」といいます。
すべてのキーフレームとトゥイーンができたら、各イメージをリンクするか、レンダリングして最終イメージとします。今日でも、従来方式のアニメーションの製作では、数百人のアーチストの手で数千枚のイメージを作成する必要があります。
1、2、および 3 の番号が付いているフレームがキーフレーム。その他はトゥイーン(中割り)
このプログラムは、アニメーション アシスタントの役割を果たします。ユーザはマスター アニメータとして、各アニメーション シークエンスの最初と最後を記録したキーフレームを作成します。これらのキーフレームの値を「キー」といいます。3ds Max がキーとキーの間の補間値を計算して完全なアニメーションを生成します。
3ds Max では、シーンのすべてのパラメータに対するアニメートが可能です。ベンド角度、テーパ量のようなモディファイヤ パラメータや、オブジェクトの色または透明度を決めるマテリアル パラメータなどをアニメートできます。
アニメーション パラメータを指定すると、レンダラーによりフレームごとのシェーディングやレンダリングが行われます。これで、高品質なアニメーション作品が完成です。
オブジェクトの位置 1 と 2 は、別々の時間にキーフレーミングされたモデル。コンピュータによって中間フレームが生成されます。
従来のアニメーション方法や初期のコンピュータ アニメーション プログラムは、フレーム単位のアニメーション製作の概念に縛られていました。形式が 1 つしかない場合や、時間を細分してアニメーション効果を指定する必要がなければそれも可能でした。
ところが、アニメーションにはたくさんの形式があります。少なくとも 24 FPS (毎秒フレーム数)のフィルムと 30 FPS の NTSC ビデオは、数ある一般形式の中でも代表的な 2 形式です。更に、フレームベースのアニメーションに対する正確な時間ベースのアニメーションの必要性は、科学的プレゼンテーションや法律関係のプレゼンテーションとしてアニメーションの重要性が増すにつれ、限界に達しつつあります。
アニメーション形式が異なるとフレーム レートも異なります。
3ds Max は時間ベースのアニメーション プログラムです。内部精度 1/4800 秒で時間を測定し、アニメーション値を保存します。3ds Max では、最も作業しやすい形式で時間が表示され、従来のフレーム形式も使用できます。「時間設定」を参照してください。
次の項で取り上げるさまざまな例では、伝統と親しみやすさを考慮して、フレーム方法を利用しながら時間について説明します。前提条件として、非常に精度の高い時間ベース方法でアニメートしているものとし、3ds Max にアニメーションのレンダリングを指示するまでフレームは作成されないものとします。
基本アニメーション ツールは、インタフェースの次の領域にあります。
浮動ウィンドウまたはドッキング可能ウィンドウで、アニメーションの詳細な編集ができます。トラック ビューを参照してください。
キーフレームと補間コントロールにすばやくアクセスできます。展開するとファンクション カーブを編集できます。トラック バーを参照してください。
位置、回転、およびスケール アニメーションに関係のあるすべての変換コントローラを調整します。コントローラを使った操作を参照してください。
複数のオブジェクト間のリンクを制御するすべてのパラメータを調整します。インバース キネマティックのパラメータと基点の調節機能が含まれます。階層パネルを参照してください。
ビューポート表示内の時間移動に使用します。任意の時間に移動して、ビューポートでアニメーションを再生できます。アニメーションおよびタイム コントロールで説明するタイム コントロールは次のとおりです。
アニメーションの作業を開始する前に、「オート キー モードの使用」 を参照してください。