Stingray 1.5 リリース ノート

Stingray 1.5 (1.5.863.0)に HDR 明暗順応エフェクト、モーフ ターゲットのワークフロー、新しい散乱ツールが導入され、軽量ユニットを使用してレベル環境をすばやく簡単に設定できるようになりました。このリリースでは、プロジェクトの読み込みからアセットの複製または選択まで、いくつかの操作性が改善され、新規ユーザも経験豊富なユーザもより優れたエクスペリエンスを得ることができます。

さらに、Stingray 1.5 では、新しいミニ レンダラーを含めて GearVR への実験的なサポートが開始されました。

このトピックのセクション:

新機能


シェーディング環境の自動露出コンポーネント

HDR 情報を含むシーンで、シェーディング環境に自動露出コンポーネントが導入されました。このコンポーネントにより、自動露出機能の基本的なコントロールが可能となります。最小露出および最大露出、露出の入力スレッショルド、および適応速度とダンピングをコントロールすることができます。これにより、まぶしいライトのエフェクトや暗い領域に入ったときの明暗順応エフェクトを作成できます。重要な点は、このコンポーネントによりシーンで HDR 範囲をフルに活用できるようになったことです。

自動露出コンポーネントに付随して、ヒストグラムおよび平均輝度ビューを使用した新しいレンダリング デバッグ モードが追加されました。詳細については、「異なるライティング環境にシーンを適応させる」を参照してください。

ブレンド シェイプのワークフロー

Stingray でブレンド シェイプおよびモーフ ターゲットを使用できるようになりました。完全なツール セットを使用して、メッシュ上でブレンド シェイプを読み込み、プレビュー、コントロール、アニメートすることができます。「ブレンド シェイプ」を参照してください。

これらのツールは、Stingray 1.5 の拡張機能をフルに活用するプラグインとして実装されます。

サンプル プロジェクトへの容易なアクセス

Project Manager の新しいタブを使用して、Creative Market からサンプル プロジェクトを容易に取得することができます。新しい Online Examples タブを使用して、サンプル プロジェクトとゲーム プロジェクトをダウンロードできます。「アセットとサンプル プロジェクトをダウンロードする」を参照してください。

この機能の注意事項: リリース 1.8 として、Autodesk Gamedev ポータルでオンライン プロジェクトをご利用いただけるようになりました。その他のアセットや環境も利用できます。

新しいエンティティ コンポーネント

エンティティ システムにいくつかの新しいコンポーネントが追加されました。

実験的な機能

散乱ツール

新しい散乱ツール プラグインで、シーン内のオブジェクトを散乱させることができます。散乱ブラシでペイントすることにより、草、花の束、ポスター、ガソリンタンクなどの軽量ユニットを分散させ、すばやくレベルを作成できます。Scatter Pools Settings を使用してスポーン動作を変更し、プロジェクト内すべての散乱データに選択した設定を一度に適用します。「散乱ツールでペイントする」を参照してください。

GearVR とミニ レンダラー

モバイル デバイスで VR (GearVR など)を試そうとするユーザ向けに、新しいレンダラーが導入されました。これは簡略化されたマテリアル モデルを使用する前方レンダラーで、すべてのポスト エフェクトを除外し、性能の低いプラットフォームでのパフォーマンスをさらに向上させます。「ミニ レンダラー」を参照してください。

その他のメリット

ライト ギズモのアイコンと動作の更新

使いやすさを改善して理解しやすくするために、ライト ギズモのアイコンと動作が更新されました。ライト ギズモは対応するライト タイプに似た外観となりました。さらにライト ギズモのサイズを個別にコントロールし、アダプティブ スケーリングを行うことが可能となり、ズーム レベルに合わせてライト アイコンをスケールできるようにました。ライト ギズモの更新については、「光源」を参照してください。

既定のロード レベルとテンプレート レベル

プロジェクトを開いたときに自動的にロードするレベルをコントロールするために、プロジェクト設定で既定のレベルを設定できるようになりました。これにより、日常の作業を開始する時間が短縮され、新規ユーザはより直観的なスタートアップ エクスペリエンスを得ることができます。

また、プロジェクトにテンプレート レベルのオプションが追加されたため、新しいレベルの作成時に、使用するレベルを指定できるようになりました。これは、プロジェクトに参加する新しいユーザに対して、上級ユーザが開始点を設定するのに便利です。「レベルを作成またはロードする」を参照してください。

選択ツールと選択機能の改善

Stingray のツールボックスに、直感的な選択オプションをすべて備えた Select Tool が導入されました。セレクション ボックスの動作が改善され、標準的な選択ホットキーが追加されました。

Select Tool では、オブジェクトをクリックするか、ドラッグして長方形セレクション ボックスを描いてオブジェクトを選択できます。異なるモードを使用して、セレクション ボックス内に完全に含まれるオブジェクトのみを選択するか、セレクション ボックスと部分的に交差する項目も選択するかを指定できます。詳細については、「レベルでオブジェクトを選択する」を参照してください。

Asset Browser でアセットを複製する

Asset Browser 内を右クリックしてアセットを複製することができるようになりました。これにより、既存のアセットの再利用や新しいバリエーションの作成が促進され、レベルの作成が容易になりました。

たとえば、既存の煙エフェクトのパーティクル システムがあり、それより密度が低くく、フォールオフが長い類似した別のエフェクトを作成する場合、パーティクル システムを単に複製してから、変更を加えて新しい煙エフェクトを作成できます。詳細については、「Asset Browser」を参照してください。

読み込み時に使用できる UV の生成オプション

FBX ファイルの読み込み時に、FBX Import オプションの Generate UVs for Light Baking を使用して、メッシュの UV のアンラップを有効にできるようになりました。これにより、Unit Editor を使用してメッシュの UV を手動でアンラップする必要がなくなりました。最新情報については、「ライト ベイク処理のための UV 座標のアンラップ」を参照してください。

レベルでオブジェクトをコピーして貼り付ける

現在のレベル内または他のレベルにレベル オブジェクトをコピーして貼り付けることで、オブジェクトの再利用またはシーンの再作成を簡単にできるようになりました。これにより、レベルをより短時間で作成し、必要に応じてレベル全体で共通した雰囲気を維持することができます。「レベルでオブジェクトをコピーして貼り付ける」を参照してください。

布地マテリアルのサポートの向上

布地アセットに適用されるマテリアルで法線マップがサポートされるようになりました。Stingray の旧バージョンでは、法線を入力せずにカスタム マテリアルを作成する必要がありました。

シーン ファイルおよびテクスチャ ファイルのバッチ読み込み

Stingray では、プロジェクト内でアセット ファイルのバッチ読み込みがサポートされるようになりました。複数のアセット ファイルをプロジェクトにコピーし、File > Batch Import を選択し、シーン ファイルおよびテクスチャ ファイルの読み込みを手動で開始します。バッチ読み込みでは、シーン、イメージ、テクスチャなどのプロジェクト内のすべてのファイルをスキャンし、.unit ファイルがない FBX ファイルに対して .unit ファイルを作成し、欠落しているテクスチャに対して .texture ファイルを作成します。また、FBX ファイルが既存の .dcc_asset ファイルより新しい場合は、FBX ファイルを再度読み込みます。「アセットのバッチ読み込み」を参照してください。

Web からリソース パッケージをダウンロードする

リソース パッケージ システムを使用してプロジェクトのストリームをランタイムで受送信するためのアセットのバンドルを定義すると、これらをゲームにストリーミングすることにより、プロジェクトにこれらのバンドルをランタイムでダウンロードさせることができるようになります。これは、配置されたゲームに対してバンドル済みデータの配布を回避できることを意味しますが、ランタイムにコンテンツをロードするときに、プロジェクトで通常より長い遅延が発生する可能性が高いことも意味します。

これを実行するには、stingray.Application.resource_package() 関数ではなく、新しい stingray.Application.resource_package_from_url() 関数を使用してリソース パッケージを作成します。「パッケージのロードとロード解除」も参照してください。

エディタ プラグインの拡張機能の追加

カスタム プラグインに以下を含めることができるようになりました。

プラス:

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修正事項

アニメーション ツール

Asset Browser

Asset Preview

Dependency ツール

エンティティ

フロー

一般

相互運用性

ランチャー

プラットフォーム固有

Project Manager

Property Editor

Rendering

Scaleform Studio

Script Editor

Shader Graph Editor

地表

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既知の制限事項


このセクションでは、Stingray の既知の制限事項と回避策について説明します。

修正事項」セクションに特に記載のない限り、このリリースには以前のバージョンの「Stingray リリース ノート」に記載される「既知の制限事項」と同じ内容が適用されることにご注意ください。

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アップグレード要件


Stingray を含むオートデスク製品の完全なインストール ガイドが、Stingray オンライン ヘルプ(こちら)に含まれています。

このセクションでは、Stingray の旧バージョンを使用しているユーザ向けに、特定のアップグレード手順を必要とする改善点と修正事項について説明します。

Lua API の変更点

このリリースの Lua API のすべての新しい要素、変更された要素、削除された要素の完全なリストについては、「バージョン履歴」を参照してください。

プロジェクト内の API 要素が変更または除去された場合は、それに応じてコードを調整する必要があります。

このリリースの大部分の変更は、新しい関数とオブジェクトの追加であるため、ほとんどのAPI には 1.4 との下位互換性があります。唯一の変更は次で行われました。

フロー ノードの変更点

このリリースのすべての新しいフロー ノード、変更されたフロー ノード、削除されたフロー ノードの完全なリストについては、「バージョン履歴」を参照してください。

このリリースでは、互換性が損なわれる変更はなく、新しいノードと接続のみが追加されています。

マテリアル ノードの変更

このリリースのすべての新規マテリアル シェーダ、修正されたマテリアル シェーダ、および除去されたマテリアル シェーダの詳細リストについては、「バージョン履歴」を参照してください。

このリリースでは、互換性が損なわれる変更はなく、新しいノードと接続のみが追加されています。

Xbox One XDK バージョン

Stingray では、XDK の March 2016 QFE 5 リリースが必要です。

PlayStation 4 SDK バージョン

Stingray では、PlayStation 4 SDK の バージョン 3.5 が必要です。

古いバージョンの SDK からこのバージョンにアップグレードするときに問題が生じた場合は、インストール前に C:¥ProgramData¥SCE フォルダから既存ファイルを削除してください。

CodeWorks for Android バージョン

Stingray で、Android サポートのあるソースからビルドするには NVIDIA CodeWorks for Android 1R4 が必要です。

Navigaton プラグインを、Plugin Manager から使用できるようになりました。「core/gwnav」内のすべてのアセットが、「gwnav」フォルダに格納されるようになりました。

既存の Navigation プロジェクトを開いたときに、移行を確認するプロンプトが表示されたら、Yes をクリックします。移行されないプロジェクトには、次のコンパイル エラー メッセージが生成されます:「File does not exist core/gwnav/boot.package

Stingray 全体で物理ユニットを合理化

Stingray の旧バージョンでは、global.physics_properties ファイルで使用される質量単位とエンジンによって要求される質量単位が一貫していませんでした。global.physics_properties ファイルは、相対密度値(水の密度に相対する値。マテリアルの密度が 1.0 の場合、水の密度と正確に一致)を使用し、一方 Stingray エンジンは「容積質量」(SI 単位を使用した kg/m3)を表す絶対密度値を使用していました。

このリリースからは、Stingray ではすべてのテンプレート プロジェクトを含めて、エンジンとエディタの両方で SI 単位を使用します。質量値は kg 単位、密度は kg/m3 単位、既定の密度値(水)は 1000 です。すべてのテンプレート プロジェクト用の global.physics_properties ファイルが更新されました。

重要: DCC 用に NVidia PhysX プラグインで作成して、Stingray に書き出された PhysX アクターは、基準重量単位としてグラムを使用します。Stingray で要求される質量単位と適合させるために、これらのアクターはランタイムに kg に変換されるようになりました。

プロジェクトに DCC で PhysX を使用して設定した物理アクター、および Stingray の Unit Editor を使用して設定した物理アクターが混在している場合は、プロジェクトの global.physics_properties ファイルを編集して密度値に 1000 を乗算します。

たとえば、次のような値を

materials = {
 brick = {
     density = 1.922

次のように変更します

materials = {
 brick = {
     density = 1922

注: Unit Editor で明示的な(ゼロ以外)の質量で定義されたアクター(kg で設定およびロードされた)は、引き続き期待どおりの動作をします。

グローバル物理プロパティ」も参照してください。

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