Quicksilver ハードウェア レンダラー

Quicksilver ハードウェア レンダラーは、グラフィック ハードウェアを使用してレンダリングを生成します。

Quicksilver ハードウェア レンダラーの利点の 1 つはスピードです。既定値の設定では、高速レンダリングを実行します。

Quicksilver レンダリング。時間: 4 秒

比較用に mental ray レンダリングを使用した同じシーン。時間: 24 秒

Quicksilver ハードウェア レンダラーは、CPU (中央処理装置)とグラフィック処理装置(GPU)を使用してレンダリングを加速化します。3ds Max 内にゲーム エンジン レンダラーがあるようなものです。CPU の主な役割は、シーンのデータをレンダリングできるように変換することです。これには、使用中の特定のグラフィック カード向けにシェーダをコンパイルすることが含まれます。そのため、レンダリングする第 1 フレームは、シェーダのコンパイルのために処理に時間がかかることがあります。この処理が必要なのはシェーダごとに 1 回だけです。Quicksilver レンダラーは使用回数が増えるほど高速になります。

複数の透明なサーフェスをレンダリングできます。

内部パーツを示すために透明なボディでレンダリングされた自動車。シャドウも透明度を示す。

Nitrous ビューポートによっても提供されている非フォトリアリスティック スタイルにレンダリングできます。

ハードウェアの考慮事項

重要: Quicksilver ハードウェア レンダラーを使用するには、グラフィック ハードウェアが Shader Model 3.0 (SM3.0)以降をサポートしている必要があります。ご使用のグラフィック ハードウェアが何であるか分からない場合は、3ds Max で[ヘルプ](Help) [ビデオ ハードウェアを診断](Diagnose Video Hardware)を選択してください。すると、ご使用のグラフィック構成の詳細が記載されたダイアログ ボックスが表示されます。これに含まれる[GPU シェーダ モデル サポート](GPU Shader Model Support)にシェーダ モデルのバージョン番号が記載されています。

Quicksilver ハードウェア レンダリングでのシャドウ

Quicksilver ハードウェア レンダラーは、ライト オブジェクトに関連付けられたほとんどのシャドウ コントロールをサポートしますが、シャドウ マップされたシャドウを常に生成します。これらのシャドウはアダプティブであり、シーンのスケールに合わせて調整します。不適切なシャドウ マップ サイズを選択した場合にスキャンラインでレンダリングされるシャドウ マップされたシャドウで見られるような、折れ曲がったエッジは表示されません。

エリア ライトに対して、Quicksilver レンダラーはソフトエッジ シャドウを生成できます。

Quicksilver レンダラーはシャドウ内のパターンをサポートしません([シャドウ パラメータ](Shadow Parameters) [マップ](Maps))。

サポートされているマテリアル

マテリアルの種類 制限事項
Arch & Design マテリアル Quicksilver レンダラーは、Arch & Design マテリアルに対する以下の設定を無視します。
  • 自己照明
  • ラウンド コーナー
Autodesk マテリアル Quicksilver レンダラーは、Autodesk マテリアルに対する以下の設定を無視します。
  • 自己照明
  • ラウンド コーナー
注: Quicksilver レンダラーは、3ds Max 2010 シーンの ProMaterials をサポートしません。
標準マテリアル  
両面マテリアル  
マルチ/サブオブジェクト マテリアル  

サポートされているマップとシェーダ

マップまたはシェーダのタイプ 制限事項
MetaSL シェーダ マテリアル変換へマップ」および「DirectX シェーダ マテリアル」を参照してください。
DirectX シェーダ DirectX シェーダ マテリアル」を参照してください。
mr Physical Sky
注: [カスタム バックグラウンド マップ使用](Use Custom Background Map)をオンに切り替えると、バックグラウンドが反射および屈折に表示されますが、シーンの照明には関係しません。
Utility Gamma & Gain  
標準マップ ビットマップを使用する場合、[タイリング](Tiling)がオンになっていることを確認してください(既定値はオンです)。

フォールオフ マップについて、メインの設定はサポートされていますが、ミキシング カーブまたは出力の設定はサポートされていません。ただし、MetaSL コンポーネント フォールオフ シェーダは完全にサポートされています。

以下の標準マップはサポートされていません。

反射は常にボックス投影です。平面投影はサポートされていません。

その他の機能と制限事項

機能 機能と制限事項
レンダリング要素 以下のアルファ要素および Z 深度要素をサポートします。
  • [アルファ](Alpha)
  • マテリアル ID
  • [オブジェクト ID](Object ID)
  • [Z 深度](Z Depth)
テクスチャへのレンダリング サポートされていません。
[オブジェクト プロパティ](Object Properties)の設定 Quicksilver レンダラーはこれらを無視しますが、[レンダリング可能](Renderable)および[表示](Visibility)プロパティは 3ds Max によってレンダラーに渡されるため、これらの設定は期待どおりに動作します。

Quicksilver レンダラーを使用する: ヒントとコツ

パフォーマンスの考慮事項

  • ノイズ マップは大量の計算を必要とし、パフォーマンスを低下させる場合があります。または、レンダラーがメモリ不足になることもあります。
  • ビットマップで、標準ビットマップ マップの 2D 座標の設定を考慮しなくてよい場合は、代わりに MetaSL テクスチャ ルックアップ 2d シェーダを使用してください。その方が効率的であり、より多くのビットマップをマテリアルに追加できます。
  • 反射サーフェスを持つオブジェクトが多いほど、シーンのレンダリングに時間がかかります。