Inventor Studio では、アセンブリ拘束とパラメータをアニメーション入力として使用することにより、製品設計に組み込まれる機械的な動きをアニメーションにすることができます。拘束を省略し、コンポーネントを拘束されていない状態でアニメーションにすることもできます。拘束選択コマンド([上部拘束を選択]と[すべての拘束を選択])を使用して複数の拘束を選択した後、右クリック メニューから 1 つを選択することにより、一連の選択を省略したりアニメーションのお気に入りに追加することができます。
コンポーネント、カメラ、またはライトをアニメーションにすると、アニメーション タイムラインに「アクション」が配置されます。アニメーション アクションは、直接に、またはその作成に使用されたダイアログ ボックスを通じて、容易に修正されます。タイムラインに沿ってアクションをドラッグしたり、開始時点や終了時点を編集したり、アクションに対してミラー操作を実行して容易に反転させることができます。シーン ブラウザやアニメーション ブラウザで、Studio ノードの名前を変更できます。一方のブラウザで名前を変更すると、両方に反映されます。
Inventor Studio に付属のビデオ制作ツールでは、複数のカメラ場面、呼び出されたショット、静止ショット、およびショット遷移を使用して、映画のようなアニメーションを制作できます。
アニメーションの合成
アニメーションの合成には、ターンテーブル カメラを作成するという単純なものがあります。また、製品がペースを刻んでその他のオブジェクトと相互作用する間に、フライバイ カメラがパスをたどるという複雑なものもあります。複雑さのレベルを指定します。一般に、単純化することによって制作を容易かつ短時間で行えます。
アニメーションを合成するときは、次の点を考慮してください。
- アニメーションの目的は何か製品の機能を示すことなのか、それとも製品を中心舞台に据えたターンテーブルなどの単純なアニメーションを作ることなのかアニメーションで実現しようとすることを書き留める
- カメラをどこに置くか
- 複数のカメラからのショットが必要か異なる角度がいくつ必要か
- 小道具を使用して製品をその環境下で表示するかそれらをどこに置くか
- アニメーションの長さをどれだけにするか
まだストーリーボードを作成していない場合は、次の手順で簡単なものを作成してください。この手順はデジタル処理で実行することも(これについては各種のソフトウェア製品を利用できます)、手作業で実行することもできます。
- 小道具を使用するかどうかを決めます。使用する場合は、ラッパー アセンブリを作成し、そのアセンブリに希望のコンテンツを追加することをお勧めします。
- カメラを作成および配置し、各カメラ角度でのテスト イメージをレンダリングします。便宜を図るため、これらをドキュメントに入れて後でアクセスしやすくすることができます。
- カメラ角度のイメージに対して実行するアニメーション アクション(コンポーネント、カメラ、照明)を書き留めます。
ビデオ場面の制作
Inventor Studio では、1 つまたは複数のカメラを使用して合成アニメーションを作成できます。ビデオ制作ツールに付属のコマンドを使用すると、開いているドキュメント内のアニメーションからの、1 つまたは複数のカメラからの場面を組み合わせて、ビデオ場面を作成できます。さらには、ショット遷移(フェードやグラデーション ワイプ)を使用して、アニメーションに映画のような見栄えにすることができます。
ビデオ制作者を使用すると、次のことができます。
- 同じドキュメント内の任意のアニメーションの任意のカメラからのショットを使用して、単一のアニメーションを制作する。ショットは多数のフレーム/時でもよいし、あるいは静止ショットと同程度に単純であってもかまいません。
- 使用するカメラ場面の部分を指定する。
- フェードなどの遷移を始まり、終了、およびショット間に指定します。
- ショットや遷移のスパンを変更する。
[ビデオ制作ツール]コマンドをアクティブにすると、既存のすべてのカメラのスナップショットが取られ、ダイアログ ボックス内のショット ブラウザに置かれます。取得されるショットの数は、イメージやアニメーションに対して定義したカメラの数、および各カメラに割り当てられたアニメーション シーケンスの数によって異なります。たとえば、ターンテーブルとしてアニメーション表示されたカメラには、そのカメラを表す 1 つのスナップショットが存在します。アニメーション内で 3 回アニメーション表示されたカメラには、ブラウザ内に 3 つのショット(アニメーション シーケンスごとに 1 つ)が存在します。
遷移を使用して 2 つのショットの間に効果を挿入します。アセンブリ内に複数の作品を作成および保持できます。
アニメーションのレンダリング
Inventor Studio には、アニメーション設計過程でのレンダリングや最終出力のためのコマンドが用意されています。
アニメーション設計過程でアニメーションの様子を知りたいだけで、最終レンダリングでの外観は気にしない場合は、プレビュー レンダリングを行うことができます。プレビュー レンダリングでは、標準の Inventor グラフィックス システムを使用してアニメーション出力を生成します。リアルなレンダリング結果を長時間待つことなく、アニメーションをすばやくレンダリングして、コンポーネントの動きやカメラ アニメーションを見ることができます。
後でアニメーションが完成したときに、[シェーディング]レンダリング タイプを使用して完全な照明や反射とともにレンダリングしたり、[イラストレーション]タイプを使用して「漫画」のようにレンダリングすることができます。また、ビデオ制作者を使用してさまざまなカメラ ショットや遷移を組み合わせてビデオ場面を作成した場合は、その出力をレンダリングします。
レンダリング アニメーション コマンドを使用すると、次のことができます。
- 標準の Inventor グラフィックスを出力に使用してプレビュー レンダリングを行う。プレビュー レンダリングでは、レンダリングの際に現在のシーン照明を使用します。
- シェーディングおよびイラストレーション タイプ固有の設定を使用して、出力をレンダリングする。
- 特定のフレーム、時間範囲、またはアニメーション全体をレンダリングし、それをイメージ シーケンスとして出力するか、ビデオ フォーマット(wmv または avi)で出力する。
- 事前設定された値の一覧から選択するか、3000×3000 ピクセルまでのサイズと比率を指定することにより、出力サイズを指定する。
- 一般に使用されるフレーム レートの一覧からフレーム レートを選択する。
- ビデオ制作者からビデオ場面をレンダリングする。