3ds Max 2011 MAXScript の新機能

このページでは、3ds Max 2011 の MAXScript 言語の変更と改良点について簡単にその概要を説明します。各機能の詳細については、ドキュメントの各ページのリンクをお読みください。

新機能に関する説明以外の MAXScript リファレンスの変更内容については、「3ds Max 2011 におけるドキュメントの変更点」を参照してください。

3ds Max の新機能の公開

3ds Max 2011 には以下の新機能が追加され、MAXScript に公開されています。

PolyTools (グラファイト モデリング ツール)

PolyTools インタフェース - グラファイト モデリング ツール

PolyToolsModeling : GlobalUtilityPlugin

PolyToolsPaintDeform : GlobalUtilityPlugin

PolyToolsPolyDraw : GlobalUtilityPlugin

PolyToolsSelect : GlobalUtilityPlugin

PolyToolsShift : GlobalUtilityPlugin

PolyToolsTopology : GlobalUtilityPlugin

PolyToolsUVWTweak : GlobalUtilityPlugin

グラファイト モデリング機能は、複数の GlobalUtilityPlugin によって強化されてきました。これらのプラグインにより公開されるプロパティとメソッドが、MAXScript ツールとして正式にサポートされるようになりました。(3ds Max 2010 では、これらの機能は MAXScript には公開されていましたが、ユーザのスクリプトにおいては正式にサポートされていませんでした。)

リボンおよびキャディのマニピュレータ

インタフェース: MaxRibbon

新しいコア インタフェースです。リボン UI にアクセスし、その外観をカスタマイズするメソッドを公開します。

インタフェース: Grip

新しいコア インタフェースです。(内部的には「Grip」と呼ばれる)キャディの画面内パラメータ マニピュレータの外観と配置に関するプロパティを公開します。

インタフェース: EPolyManipGrip

新しいコア インタフェースです。キャディ(Grip)の画面内パラメータ マニピュレータの、さまざまなポリゴン モデリング機能に対応する表示に関するメソッドを公開します。

QuicksilverHardware レンダラー

Quicksilver_Hardware_Renderer: RendererClass

新しいレンダラー クラスです。Quicksliver ハードウェア レンダラーのインスタンスを作成して、プロダクション レンダラーに割り当て、プロパティの設定を行います。

スケマティク マテリアル エディタ

maxOps マテリアル エディタ モード

新しい maxops.mtlDlgMode プロパティです。マテリアル エディタのモードをレガシーで取得、設定するか、スケマティク マテリアル エディタを取得します。

MatEditor - マテリアル エディタを開く/閉じる

マテリアル エディタ モードを開き、閉じるための既存のメソッドを、スケマティク マテリアル エディタにも使用できるようになりました。新しいプロパティとメソッドが追加されたことにより、マテリアル エディタのコントロールをコントロールし、スケマティク マテリアル エディタを個別的に開くことができるようになりました。

インタフェース: SME

新しいコア インタフェースです。スケマティク マテリアル エディタを MAXScript に公開します。

コンテナおよびロックされたトラック

インタフェース: ContainerPreferences

新しいコア インタフェースです。コンテナの基本設定を MAXScript に公開します。

Container : ヘルパー

いくつかの新しいプロパティとメソッドが既存のコンテナ ヘルパー オブジェクトに追加されました。

インタフェース : LockedTracksMan

既存のインタフェースに 3 つの新しいメソッドが追加され、アニメーションの公開済みの UI 状態がコントロールされ、子のロック解除ができるようになりました。

CAT および MAXScript

3ds Max CAT および MAXScript

3ds Max CAT(キャラクタ アニメーション ツール)システムは 3ds Max に不可欠なものとなり、MAXScript に完全公開されるようになりました。

上記のクイック ナビゲーション アイコンから、CAT 関連のトピックに移動できます。

Biped および MAXScript

BipFilter コア インタフェース

既存の key Reduction メソッドへの COMkeySpacing 引数は、整数から実数に変更されました。

OpenEXR ビットマップ I/O

OpenEXR : BitmapIO

これまでの OpenEXR IO プラグインに代わる新しい OpenEXR IO プラグインです。レイヤ EXR ファイルが新たにサポートされます。

mental ray レンダラー

その他の mental rayプロパティ

mental ray の新しい .taskSize Auto プロパティによって、バケット サイズを自動調整してすべてのコアを最適に使用するかどうかがコントロールされます(マテリアル エディタ サンプルの更新時など)。

インタフェース mental_ray_string_options

新しいコア インタフェースです。レンダリング オプションの切り替えと、UI 内でまだ利用できない内部パラメータの設定を行います。

このインタフェースによって、mental ray 機能の公開と通常使用前に、評価を行うことが可能です。文字列セットは MaxScript によってのみ設定、クリアできます。いったんオプションを設定すると、そのオプションをクリアするまで、あるいは 3ds Max をシャットダウンするまで、すべての mental ray レンダーがその影響を受けます。

mental ray String オプション

このトピックでは、mental ray の高度な機能および UI 機能に現在公開されていない機能にアクセスするための、Progressive レンダリングIrradiance パーティクル、Importon、強制ファイナル ギャザー モードなどの String オプション インタフェースの使用方法について説明します。

インタフェース: renderMessageManager

mental ray のレンダリング メッセージ ウィンドウを MAXScript に公開します。

mental ray シェーダ インデックス

多数の新しい mental ray シェーダが 3ds Max 2011 に追加されました。

MultiOutputChannelTexmapToTexmap : textureMap

複数出力の MetaSL シェーダを別シェーダの入力に渡すために使用される特殊なテクスチャ マップです。

ライト メータ マネージャ

インタフェース : LightMeterManager

新しいプロパティ deleteCacheBeforeCalculation が既存のインタフェースに追加されました。

名前付き選択セット マネージャ

インタフェース: NamedSelectionSetManager

名前付き選択セットにアクセスしたり、それらを管理をするためのメソッドを公開するインタフェースです。

Modifier

カメラ マップ: モディファイヤ

SpaceCameraMap : SpacewarpModifier

既存のモディファイヤに新しい .affectBehind Camera プロパティが追加されました。

ClothOpsInterface

新しいメソッド . getObjectProperty が、既存のモディファイヤのインタフェースに追加されました。

ボディ オブジェクト

ボディ オブジェクト

Body_Object : GeometryClass

Body_Cutter : GeometryClass

Body_Utility: GeometryClass

Join_Bodies: GeometryClass

4 つのボディ オブジェクトによって、nPower Software によりライセンスされたテクノロジに基づくソリッド ボディが実装されます。

オブジェクト スナップ

snapMode

新しい「ボディ」OSnap セットがインデックス 1 の既存 Snaps システムに追加されました。これによって、スナップセットの数が 5 から 6 に増え、これまで使用可能であった「NURBS」および 4 つの「Standard」OSnap セットのインデックスが 1 つ上に引き上げられました。

以前使用可能だったプロパティ snapMode.useAxisCenterAsStartSnap Point は、3ds Max 2011廃止されました

Importer プラグイン

sketchUp : ImporterPlugin

新しい ImporterPlugin です。Google SketchUp ファイルを 3ds Max に読み込むことができます。

InventorImport : ImporterPlugin

新しい ImporterPlugin です。Autodesk Inventor ファイル(.IPT、.WIRE、.IAM)を 3ds Max に読み込むことができます。

既定のオブジェクト名と名前変更

maxOps.NameSuffixLength

3ds Max 2011 において、オブジェクト名の既定の桁数は 3 に変更されました。この数は maxOps.NameSuffixLength プロパティを使用してコントロールできます。

uniquename

uniquename() メソッドは、新しい既定の桁数もサポートし、新しいオプションのキーワード引数 numDigits も提供されています。これは、生成される桁数をコントロールします。

mergeMaxFile()

mergeMaxFile() メソッドでは、新しいオプションのフラグ #autoRenameDups がサポートされるようになりました。このフラグを使用すると、シーン内に既に存在する名前を持つ取り込みオブジェクトの名前が自動的に変更されます。

前バージョンとしての保存

saveMaxFile()

saveNodes()

saveMaxFile() メソッドと saveNodes() メソッドでは、新しいオプションのキーワード引数 saveAsVersion : がサポートされます。この引数によって、整数値 2010 が受け入れられ、ファイルが指定バージョンの形式で保存されます。値が指定されていない場合、あるいはその他の値が指定された場合は、現在のバージョンのファイル形式が使用されます。

Container の SaveContainer メソッド

saveContainer() メソッドにおいても、新しいオプションのキーワード引数 saveAsVersion: がサポートされます。この引数によって、整数値 2010 が受け入れられ、ファイルが指定バージョンの形式で保存されます。値が指定されていない場合、あるいはその他の値が指定された場合は、現在のバージョンのファイル形式が使用されます。

ファイル アセット タイプ

インタフェース: FileResolutionManager

2 つのメソッドが既存のインタフェースに新規追加されました。これらのメソッドにより、アセット タイプにアクセスできます。

getClassInstances 関数に関する改善と rootScene アクセス

getClassInstances()

3ds Max 2011 よりも前のバージョンでは、 getClassInstances() 関数は、アニメート可能なツリーを列挙することでクラス インスタンスを探していました。オブジェクトのサブアニメーションのセットが、オブジェクトが保持する参照のサブセットであるために、シーンに存在するインスタンスが欠落するケースが数多く生じています。これを解決するために、この関数では、(2 つの新しい引数を含む)引数に応じて、さまざまな方法でクラス インスタンスが検索されるようになりました。

rootScene システム グローバル変数

Max System Globals - R

スクリプトのシーン ルートおよびマクロ レコーダを表わします。 rootScene の subAnims にはノード階層、マテリアル エディタ、トラック ビュー、およびシーン マテリアル ライブラリなどが含まれます。

数値

64 ビット値 - Dobule、Integer64、IntegerPtr

非常に小さな Double 値の出力が改善されました。

MAXScript レンダリングとビットマップ ページャに関する改善

3ds Max 2011 における MAXScript レンダリングとビットマップ ページャに関する

これまでのリリースでは、MAXScript で複数の render() 呼び出しが実行されると、前回のレンダリング結果がメモリに残り、自動的にリリースされませんでした。それらをリリースするために、ユーザは手動でガベージ コレクションを呼び出さなければなりませんでした。これはメモリを浪費する上、ビットマップ ページャの存在によりディスク スペースも圧迫していました。この問題は、レンダリング後に定期的にガベージ コレクションを自動実行することによって 3ds Max 2011 で修正されました。

関連事項