Stingray 1.6 リリース ノート

Stingray 1.6 (1.6.1011.0)では、3ds Max と Stingray 間のワークフローを強化することに重点を置いています。この機能を使用すると、3ds Max からシーンを送信して、Stingray で魅力的なリアルタイム レンダリングを生成する作業を簡単に行うことができます。新しいフレームのレンダリング ツールにより、インタラクティブなプロジェクトのビデオを高画質でキャプチャして、オンラインで共有できるようになりました。

このトピックのセクション:

新機能


3ds Max との相互運用性を強化

新しいレベルの同期ワークフローを使用すると、Stingray 内で 3ds Max のシーンを自動的に再構築することができます。3ds Max を Stingray エディタにリンクすると、シーンのアセットに自動または手動でタグ付けし、Stingray で同じレイアウトを使用して再現することができます。3ds Max 内でアセットに行った修正は、Stingray 内で更新されます。これにより、2 つのツール内でレイアウトを手動で再現しなくても、シーンのビルド、反復、確認、および変更を簡単に行うことができます。このワークフローにより、Stingray シェーダにさらに多くの V-Ray マテリアルのプロパティを取り込むことが可能になるため、Stingray でも 3ds Max と同じように V-Ray マテリアルを表示して、同じように操作することができます。「Maya、Maya LT、3ds Max とのレベルの同期」を参照してください。

注: 上図で使用されているプロジェクトは、Virtual Resolution 社から提供していただきました。

フレームをディスクにキャプチャする

アクティブなカメラまたはビューポートをキャプチャして、フレームを OpenEXR ファイル形式でディスクに保存できるようになりました。新しい Capture Frames ツールは、テスト エンジンのフレームのキャプチャもサポートしています。詳細については、「Capture Frames ツール」を参照してください。


エンジン プラグイン用の SDK を開く(アルファ)

ソース コードにアクセスしなくても、Stingray エンジン用のプラグインを C で記述できるようになりました。これにより、すべてのお客様が Stingray を拡張できる機能が改善されました。ランタイム エンジンを他のサードパーティ製ライブラリおよびミドルウェア SDK にフックしたり、独自のカスタム データ型をサポートしたり、独自のゲームプレイ コードを C で記述したりできます。

作業を開始する方法については、「Stingray SDK ヘルプ」を参照してください。

エディタ プラグインの改善点と追加機能

Lua の手続き型メッシュ

プロジェクトの実行中に Lua を使用して新しいジオメトリを即座に作成できるようになりました。メッシュを作成し、マテリアルを適用した後、Stingray エディタを使用してシーン内に配置した他のオブジェクトと同じように、生成されたオブジェクトに対して動的に照射およびシェーディングすることができます。

上記のシーンで作業を開始するためのサンプル コードを参照してください。

レンダリングの新機能

ライトのベイク処理の改善

ライトのベイク処理および後処理のエフェクト(SSAO、SSR)を次のように改善したことにより、建築ビジュアライゼーション シーンにおけるライティングの品質とパフォーマンスが向上しました。

VR の改善

Stingray について学習するための準備

Stingray 1.6 では、新機能を学習する場合に必要となる 2 つの要素(より多くの時間をかけること、そしてどこから開始したらよいかに関してアドバイスすること)をユーザに提供しています。

愛好家、熱心なユーザ、早期導入者は非商用のスタートアップ ライセンスを使用して Stingray を実行できるようになりました。30 日間の試用期間で足りない場合は、使用条件を調べて、自分が非商用ライセンスの対象者であるかどうかを確認してください。このライセンスを使用した最新のインストール手順については、「Stingray インストールの補足情報」のトピックを参照してください。

注: 非商用ライセンスはすべての国で使用できるわけではありません。

チュートリアル ビデオをすべて見終わってしまったら、Stingray の Help メニューに新しく追加された極秘任務、Hands-on Training Mission をお試しださい。5 つの簡単なインタラクティブ チュートリアル レッスンを行えます。ユーザはこのレッスンを通して Stingray の基本を習得し、独自のプロジェクトを作成することができます。(このレッスンは実際は極秘ではありません。あなたの意見をお聞かせください!)「スタートアップ」トピックにこの点に関する注意事項を追加しました。


その他の新機能

アニメーション コントローラでの条件付きトランジション

アニメーション コントローラに、式をランタイムで評価してトランジションのフローをコントロールする新しいノード TransitionSwitch が追加されました。この式は TransitionSwitch 内で定義され、アニメーション コントローラ変数および関数(「sin」、「cos」、「abs」など)を使用できます。アニメーション イベントによって TransitionSwitch の開始トランジション(TransitionSwitchEntry)がトリガされ、TransitionSwitch で定義されたこの終了時の間隔値に対する式の評価結果に応じて、終了トランジションの 1 つ(TransitionSwitchExit)が使用されます。「アニメーション コントローラの状態」を参照してください。

布地シミュレーションの改善

布地オブジェクトを読み込む場合、APEX Cloth の定義を対応する物理ファイルに手動で追加する必要はありません。オブジェクトとともに布地の定義が読み込まれるため、Unit Editor でオブジェクトに布地リソースを追加できるようになりました。「Apex Cloth を有効にする」を参照してください。

エンティティのフローのサポート

フローを使用してエンティティをコントロールできるようになりました。

Stingray ファイルの拡張子

Stingray プロジェクトに一意のファイル拡張子 .stingray_project が使用されるようになったため、プロジェクトの検索やオープンが容易になりました。エディタ内でプロジェクトを開くには、.stingray_project ファイルをダブルクリックします。「既存のプロジェクトを開く」や「プロジェクト構造について」などのヘルプ トピックが更新されました。

ファイル名とフォルダ名のピリオドに関する制限の削除

Stingray の旧バージョンでは、リソースおよびフォルダの名前で使用されている . 文字に、リソースの「バリアント」を示すという特殊な意味がありました。 このため、ファイルやフォルダに必要な名前を自由に付けることができず、ファイル名にピリオドが含まれているソース アート ファイルを読み込むときは問題が発生することがありました。このようなすべての制限が解除され、リソース名の中でピリオドを必要に応じて自由に使用できるようになりました。

テクスチャ読み込みの簡易化

Stingray には法線、リニアカラーのグレースケール、アルベド、アルベド不透明度、粗さ/メタリック/AO など、テクスチャを分類してテクスチャ設定を適用するのに役立つ新しいテクスチャ カテゴリおよびテンプレートが含まれています。Texture Manager に新たに追加されたテクスチャ テンプレートには、サポート対象の各プラットフォームで機能する既定の圧縮設定が付属しています。プロジェクトに読み込まれたテクスチャには既定の圧縮設定が割り当てられるようになりました。「テクスチャとマテリアルが含まれたモデルを読み込む」を参照してください。

オクルーダ ボックス

Create メニューのオクルーダ ボックスを使用すると、オブジェクトを隠し、最終的なレンダリング フレームに視覚的な影響を与えないシャドウやオブジェクトのレンダリングを回避することで、パフォーマンスを改善することができます。詳細については、「オクルーダ ボックスを作成する」を参照してください。

新しいプラグインをダウンロードする

Plugin ManagerGet more plugins を選択して、新しい Stingray プラグインをダウンロードし、既存のプラグインを更新します。使用可能なプラグインの中から選択し、Install をクリックしてダウンロードします。「Plugin Manager を使用してプラグインを追加および除去する」を参照してください。

レンダリングするときに DX11 と DX12 を切り替える

ソースのお客様は、エディタ内のビューポート レンダラーとして DX11 と DX12 を切り替えられるようになりました(Edit > Engine > Renderer)。このオプションを使用できるのは、ご使用のエンジンが DX12 をサポートしているときに、--use-d3d12 フラグを指定してエンジンをコンパイルする場合に限られます。「DX11 と DX12 を切り替える」を参照してください。

FBX バージョン 2017.1

このリリースの Stingray では、さまざまな面でセキュリティが向上している、FBX の最新バージョン(2017.1)が選択されます。

開発専用 Lua 関数を保護する

Lua API に含まれる関数の中には、最終リリースではなく、開発中にのみ使用することを目的としているものがあります。たとえば、デバッグ、エディタとのコンソール接続の使用、リソースの自動ロード、パフォーマンス監視などを行う関数が該当します。これらの関数はリリース ビルドでは使用できません。ゲームプレイ コードからこれらの関数のいずれかを呼び出そうとすると、エンジンがクラッシュします。

ゲームをリリースするときに、これらの関数に対する呼び出しが失敗しないようにするために、これらの関数のいずれかが呼び出された場合に警告を出力するようエンジンの開発ビルドに要求できるようになりました。

これらの警告のオン/オフを切り替えるには、stingray.Application.toggle_dev_only_warnings() 関数を使用します。リリース前に、これらの警告がログに表示されていないことを確認してください。

実験的な機能

ブラウザ内でのプロジェクト起動時間の短縮

Stingray は WebGL を使用することにより、Web ブラウザ内でプロジェクトをすばやく実行できるようになりました。コンパイルされたデータを独立したフォルダにパッケージ化して、データを読み取るのではなく、URL からコンテンツをロードするように、起動プロセスが更新されました。この URL にはコンテンツ フォルダの場所も表示されます。

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修正事項

アニメーション

Asset Browser

エンティティ

フロー

一般

相互運用性

Lua

パーティクル

プラットフォーム固有

レンダリングと VR

Script Editor

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既知の制限事項


このセクションでは、Stingray の既知の制限事項と回避策について説明します。

修正事項」セクションに特に記載のない限り、このリリースには以前のバージョンの「Stingray リリース ノート」に記載される「既知の制限事項」と同じ内容が適用されることにご注意ください。

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アップグレード要件


Stingray を含むオートデスク製品の完全なインストール ガイドが、Stingray オンライン ヘルプ(こちら)に含まれています。

このセクションでは、Stingray の旧バージョンを使用しているユーザ向けに、特定のアップグレード手順を必要とする改善点と修正事項について説明します。

Lua API の変更点

このリリースの Lua API のすべての新しい要素、変更された要素、削除された要素の完全なリストについては、「バージョン履歴」を参照してください。

プロジェクト内の API 要素が変更または除去された場合は、それに応じてコードを調整する必要があります。

フロー ノードの変更点

このリリースのすべての新しいフロー ノード、変更されたフロー ノード、削除されたフロー ノードの完全なリストについては、「バージョン履歴」を参照してください。

前方軸の設定

読み込まれたアセット内で前方方向を維持するには、settings.ini ではなく .stingray_project で前方軸の設定(reverse_forward_axis)を行います。「ベスト プラクティス: 軸方向を保持する」を参照してください。

旧バージョンの Stingray から移行したプロジェクトでは、前方軸の設定が引き続き settings.ini から読み取られます。

ローカライズされたリソースおよびリソースのバリアント

既存のプロジェクトの中に、リソースのさまざまなバリアントを示すために古い Stingray リソース プロパティ システムを使用するものがある場合は、.stingray_project ファイルをさらにカスタマイズしなければならない可能性があります。リソース名に含まれている . 文字に基づいてエンジンがリソースをバリアントとして自動的に認識することはなくなりました。.stingray_project ファイル内の新しい data_compiler 設定によって、どのサフィックスがプロパティ名として処理されるのかがデータ コンパイラに正確に伝えられるようになりました。この変更は、プラットフォームのプロパティ名(.ps4.ios など)と、言語名やコンテンツのプロパティ名(.en.ja.lowres など)の両方に適用されます。これにより、プロパティ システムを詳細にコントロールできるようになり、ファイルやフォルダの名前内でピリオドの使用が制限されることがなくなりました。

プラットフォームに対して従来と同じ方法でリソースのサフィックスが機能するようにコンパイラを設定するには、ご使用の .stingray_project ファイル内に、最新のプロジェクト テンプレート内にあるのと同様な data_compiler ブロックが含まれていることを確認する必要があります。

data_compiler = {
    file_folder_extensions = [
        ".s2d"
    ]
    resource_overrides = [
        {
            platforms = [
                "win32"
            ]
            suffix = ".win32"
        }
        {
            platforms = [
                "ps4"
            ]
            suffix = ".ps4"
        }
        {
            platforms = [
                "xb1"
            ]
            suffix = ".xb1"
        }
        {
            platforms = [
                "ios"
            ]
            suffix = ".ios"
        }
        {
            platforms = [
                "android"
            ]
            suffix = ".android"
        }
    ]
}

また、言語ごとに異なるバージョンのリソースを使用している場合は、次に示す言語のサフィックスも含める必要があります。

data_compiler = {
    resource_overrides = [
        {suffix = ".ja", flags = ["ja"]}
        {suffix = ".fr", flags = ["fr"]}
    ]
}

さらに、新しい stingray.Application.set_resource_override(flag_name, priority) 関数を呼び出して、これらの言語フラグの中のいずれをアクティブにするのかの識別方法も変更する必要があります。

詳細については、「リソースをローカライズする」を参照してください。

事前の通知事項: Visual Studio 2015 への移行

このリリースは、ソース コードからすべてのコンポーネントを再ビルドするために Visual Studio 2012 をサポートする、最後の Stingray リリースになる予定です。開発ブランチは既に Visual Studio 2015 に移行しています。

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