標準機能の拡張

mental ray レンダラーへのプライマリ インタフェースには、[レンダリング設定](Render Setup)ダイアログ ボックスのロールアウトが使用されます。mental ray レンダラーを選択するには、[レンダリングを割り当て](Assign Renderer)ロールアウトこの手順を実行します。

また、オブジェクト プロパティ、ライト、マテリアル エディタには mental ray レンダリングをサポートするためのコントロールがあります。さらに、大規模で複雑なシーンのレンダリングを高速化するために、3ds Max では特別な mr プロキシ オブジェクトも用意されています。

オブジェクト プロパティの拡張

[オブジェクト プロパティ](Object Properties)ダイアログ ボックスの[mental ray]パネルには、ディスプレイスメントと mental ray の間接光機能(ファイナル ギャザーコースティックスグローバル イルミネーション)をサポートするためのパラメータがあります。

mental ray プロキシ オブジェクト

高解像度のジオメトリを扱う場合は、モデルの代わりに特別な mr プロキシ オブジェクトを使用することで、メモリやレンダリング時間を節約できます。

ライト オブジェクトの拡張

mental ray レンダラーと共に、mental ray 固有のエリア ライト オブジェクトとライト設定が用意されています。

ライト オブジェクト

エリア ライトは mental ray レンダラーの機能です。エリア ライトは、1 点の光源ではなく、光源周囲の広い領域から光を放射します。mental ray エリア ライトには、mr エリア オムニ ライトmr エリア スポットライトの 2 つの基本タイプがあります。その他の特殊用途の mental エリア ライトは mr Sky ポータルです。エリア ライトは、ソフトなエッジの影を生成します。これにより、レンダリングの現実味が増します。

注: ソフトなエッジの影をレンダリングするには、シャドウマップではなく、レイトレースで影を生成する必要があります。[レンダラー](Renderer)パネル [シャドウとディスプレイスメント](Shadows & Displacement)ロールアウトを参照してください。

3ds Max のエリア ライトは、MAXScript スクリプトの light-mentalray_areaomni.mslight-mentalray_areaspot.ms によって作成され、これらのスクリプトに対応しています。 どちらのスクリプトも、3ds Max インストール ディレクトリ内の \stdplugs\stdscripts\ フォルダにあります。 このため、エリア ライトを作成する場合、実際にはターゲット スポットまたはオムニ ライトを作成していることになります。このライトに対して、mental ray レンダラーは[エリア ライト パラメータ](Area Light Parameters)ロールアウトのパラメータを使用します。[既定値のスキャンライン レンダリング](default scanline renderer)でレンダリングする場合、ライトは他のターゲット スポットまたはオムニ ライトのように動作します。ライトの[一般パラメータ](General Parameters)ロールアウトのタイプ ドロップダウン リストを使用して、ライトの種類を別の種類に変更することができます。

mental ray レンダラーでレンダリングされたエリア ライトの場合、カラー、[強度](Multiplier)の値、スポットライトの円錐などの他のライティング パラメータを設定し、使用することができます。シャドウ マップは例外です。mental ray レンダラーは、ライトのローカル シャドウ マップ設定を無視します。エリア ライトでは、常にレイトレースされたシャドウを使用します。

ヒント: MAXScript ユーティリティを使用して 3ds Max の標準ライト オブジェクトをエリア ライトに変換することができます(手順はここを参照)。

ライト設定

mental ray レンダラーの間接光効果、コースティックスグローバル イルミネーションをサポートするために、[mental ray 間接光](mental ray Indirect Illumination)ロールアウトが追加されています。

[mental ray ライト シェーダ](mental ray Light Shader)ロールアウトが追加されているため、ライト オブジェクトに mental ray ライト シェーダを追加することができます。

これらのロールアウトは[修正](Modify)パネルにのみ表示され、[作成](Create)パネルには表示されません。

カメラの拡張機能

[パラメータ](Parameters)ロールアウトの[マルチパス効果](Multi-Pass Effect)ドロップダウン リストには、mental ray レンダラーの被写界深度効果をサポートするための[被写界深度(mental ray)](Depth Of Field (mental ray))というオプションがあります。この効果を使用するには、カメラの[マルチパス効果](Multi-Pass Effect)領域(既定値はオフ)の[使用可能](Enable)と、[レンダリング設定](Render Setup)ダイアログ ボックス [レンダラー](Renderer)パネル [カメラ効果](Camera Effects)ロールアウトの[被写界深度](Depth Of Field)の両方をオンにします。

また、カメラに mental ray レンズ、出力、ボリューム シェーダを割り当てることもできます。これらのコントロールは、[レンダリング設定](Render Setup)ダイアログ ボックス [カメラ効果](Camera Effects)ロールアウトにもあります(このロールアウトには、いくつかのコンタ シェーディング コントロールも含まれている)。

注: mental ray レンダラーを使用するとき、反射または屈折した光線はカメラのクリッピング平面([パラメータ](Parameters)ロールアウトの[クリッピング平面](Clipping Planes)領域で設定)に常に従うとは限りません。また、クリッピング平面の値を大きくすると、シャドウ マップのレンダリングの品質の劣化につながる場合があります。これを修正するには、クリッピング範囲を狭くするか、レイトレースされたシャドウに切り替えます。

マテリアル エディタの拡張機能

マテリアル エディタは、[既定値のスキャンライン レンダリング](default scanline renderer)を使用する場合と同じように動作します。特定のマテリアルとマップ、またはそれらのコントロールの一部は、mental ray レンダラーでサポートされません。「Mental ray レンダリングの 3ds Max マテリアル」 を参照してください。

既定値では、マテリアル エディタのサンプル スロットはアクティブなレンダラーを使用します。通常は、[既定値のスキャンライン レンダリング]か[mental ray レンダラー]のいずれかになります。サンプル スロットのレンダラーの割り当ては、[レンダリング設定](Render Setup)ダイアログ ボックス [共通設定](Common)パネル [レンダリングを割り当て](Assign Renderer)ロールアウトで行います。

mental ray レンダラーがアクティブな場合、マテリアル エディタにはこれらの追加の mental ray 機能が表示されます。