シミュレーションの概要

InfoWorks WS Pro では、ランという概念に基づいてシミュレーションを処理します。ランは、データベース内のラン グループ内に作成されます。

ランは、次のもので構成されています。

[ライブ データを関連付け]ダイアログを使用すると、ライブ データ コンフィギュレーションをランに関連付けることができます。

詳細については、「ランを作成およびスケジュールする」を参照してください。

特殊なラン タイプ

ほとんどの場合、ランをスケジュールするときには、ラン タイプとして[標準]を選択します。ただし、特殊なラン タイプもいくつかあります。

サージ アドバイザー

上記のラン タイプに加えて、さらにいくつか計算結果を求めて、大きな一時水圧が発生しうる場所を明らかにすることができます。

サージ アドバイザー結果をランの一部として追加で生成するには、[シミュレーション オプション]ダイアログから[水力遷移に関する通知]オプションを選択します。

詳細については、「サージ アドバイザー」のトピックを参照してください。

水の価格

水の価格を求める計算をランに含めることができます。水の価格に関するデータを管コントロール プロパティ([管コントロール]ページ)に追加するだけです。このオプションは、どのラン タイプでも使用できます。詳細については、「水の価格」を参照してください。

水圧関連需要

InfoWorks WS Pro は通常、ノードでの実際の水圧を参照せずに需要を計算します。圧力関連の需要ランを使用すると、ノードでの圧力の変化に応じて需要を変えることができます。詳細については、「水圧関連需要」を参照してください。このオプションの使用には十分に注意してください。

非接続システム

すべてのセグメントに水頭を計算する手段が含まれている限り、非接続ネットワーク(複数のネットワーク セグメントがリンクされていないモデル)を使用してランを実行できます。つまり、各セグメントに貯水池または固定水頭ノードが含まれている必要があります。「非接続システムをモデル化する」を参照してください。

ネットワーク サブセット ラン

ランをスケジュールするときに選択リストを含めることで、ネットワーク内の選択したサブセットに対してのみランを実行できます。選択リスト内のオブジェクトのみがシミュレーションの対象になります。「ネットワークのサブセットをモデル化する」を参照してください。

費用管理

標準ラン タイプに対して、ポンプ場の最適化を実行できます。最適化ランを使用すると、ポンプ場をいくつか選択して電気料金の削減を目的とした最適なポンプ スケジュールを決定できます。詳細は、「費用管理シミュレーション」を参照してください。

サステイナビリティ

ネットワーク内のエネルギー損失とポンプ場でのエネルギー使用を CO2 換算で表す計算をランに含めることができます。このオプションは、どのラン タイプでも使用できます。詳細については、「サステナビリティ解析」を参照してください。

汎用マルチ ラン

汎用マルチ ランを使用すると、複数のテスト ケースを実行するシミュレーションをセットできます。「[マルチ ラン オプション]ダイアログ」と「[汎用マルチ ラン設定]ダイアログ」を参照してください。

初期状態

シミュレーション中に随時ネットワークの状態を保存して、後続のシミュレーションの初期状態として使用できます。

シミュレーションの状態を保存するには、[シミュレーション状態]ダイアログで[このシミュレーションの状態を保存]オプションをオンにします。

以前のシミュレーションの保存した状態を現在のシミュレーションの初期状態として使用するには、[水力ランをスケジュール]ビューで初期状態のシミュレーションと保存した状態の時間を選択します。

シミュレーション プロセス

InfoWorks WS Pro は、連続する複数の定常状態(タイムステップ)を分析することにより、給水システムの動作をシミュレーションします。その際に、境界条件が時間の経過とともにさまざまに変化することを考慮に入れます。たとえば、貯水池や給水塔の水消費量や水位の変化、ポンプのオン/オフ状態、バルブ操作、需要の変化などです。

有効性チェック

次の操作では、モデル データが有効なデータであるかどうかをチェックします。InfoWorks WS Pro エンジンは、何らかの計算を行う場合、事前にデータをチェックします。モデル データを検証手順に従ってトラップしていない場合、エラーが残っている可能性があります。ライブ データや、ランを構成するさまざまなデータ タイプ間の関係は、検証手順の対象になりません。

実行時の有効性チェック中に発生しうる警告およびエラー メッセージの詳細については、「実行時のメッセージ」を参照してください。

初期状態

InfoWorks WS Pro でのデータの有効性チェックが完了すると、システムの初期状態が定義されます。

[水力ランをスケジュール]ビューで初期状態シミュレーションが選択されている場合は、その選択したシミュレーションからシステムの初期状態がセットされます。

初期状態のシミュレーションが選択されていない場合は、コントロール データからシステムの初期状態がセットされます。コントロール データが定義されていないコントロールには、次のデフォルトが与えられます。

InfoWorks WS Pro では、これらの設定がの出力ウィンドウとログ結果に表示されます。シミュレーションは、開始日時の需要の計算から始まります。

定常状態の解決

InfoWorks WS Pro では、給水システムの各定常状態を解決する際に、改良されたノード指向の手法を適用します。長年の経験を通して完成した合理的な手法です。

各リンクには、水頭損失への流れに関する方程式があります。ノード指向の手法は、各ノードに出入りする流れに関するこうした方程式を解こうとする反復スキームです。その際、[水力ランをスケジュール]ビューの[計算精度]フィールドに許容誤差内の流動バランスをセットします。許容誤差は、平均的なモデル流入の約 1% にセットすることをお勧めします。

InfoWorks WS Pro での処理中に、に出力メッセージが表示されます。出力メッセージは、シミュレーションのログ結果にもリストされます。メッセージの内容は次のとおりです。

計算ミス

エンジンが解の収束に失敗することがあります。[水力ランをスケジュール]ビューにセットされた最大反復回数に達すると、InfoWorks WS Pro による計算が停止します。デフォルトの反復回数は 99 回です。InfoWorks WS Pro で解に達しない場合、に警告が表示され、デフォルトでは引き続きランが実行されます([シミュレーション オプション]ダイアログには、スナップショットが失敗したらランを停止するというオプションもあります)。この警告は、シミュレーションのログ結果にもリストされます。

統合スキーム

InfoWorks WS Pro は、システムがタイムステップ全体で定常状態にあることを前提としています。各タイムステップの最後に、InfoWorks WS Pro では次の処理が実行されます。

InfoWorks WS Pro では、シミュレーション全体でタイムステップが一定に保たれます。タイムステップを短くすると、誤りの発生を抑えることができます。大規模で複雑なシステムを扱う場合にタイムステップを固定する利点は、シミュレーションの計算時間とサイズ制限を妥当な値に維持できることです。

チェック アウトされたネットワークによるシミュレーション

ネットワークへの変更をデータベースにコミットする前にモデル化シナリオをテストする場合は、チェック アウトされたネットワークを使用してシミュレーションを実行できます。