モデリングの新機能

四角ポリゴン描画ツールの更新

Maya 2014 でモデリング ツールキット(Modeling Toolkit)の一部として導入された四角ポリゴン描画(Quad Draw)ツールで、メッシュのリトポロジ化のためのワークフローの効率がさらに向上しました。ライブにする(Make Live)ツールが参照メッシュの設定の既定の方法になりました。リラックス ブラシ(Relax brush)延長ツール(Extend tool)自動連結(Auto-weld)オプションを含むその他の新しいツールとオプションによりトポロジの作成が加速します。すべてのリトポロジ ツールとオプションで GPU キャッシュ ノードがサポートされるようになりました。これによって高ポリゴン カウントを含む高密度アセットをリトポロジ化できるようになりました。その他の更新には、カスタマイズ可能な四角ポリゴン描画のホットキーおよびコンストラクション ヒストリのサポートが含まれます。

メッシュのリトポロジ化に関する更新情報については、「四角ポリゴン描画(Quad Draw ) を使用してメッシュをリトポロジ化する」を参照してください。

UV テクスチャ エディタ(UV Texture Editor)の更新

新しいオプションとツールにより、UV テクスチャ エディタ(UV Texture Editor)で選択を行う場合に、よりよくコントロールできます。

  • UV シェルの作成: 新しい UV シェルを作成(Create UV Shell)コマンドを使用すると、コンポーネントの選択から UV シェルを作成することができます。UV シェルを作成する」を参照してください。
  • UV シェルで接続されたエッジの表示: 新しいシェル境界の切り替え(Toggle Shell Borders)コマンドは、接続されたエッジのセットを異なるカラーでハイライトし、共有されているエッジを識別しやすくします。UV シェルで接続されたエッジを表示する」を参照してください。
  • UV 微調整ツール: 移動(Move)ツールに切り替えることなくコンポーネントを再配置します。UV を微調整する」を参照してください。
  • UV シェルの選択: フェースをダブルクリックするか、UV テクスチャ エディタ(UV Texture Editor)マーキング メニューから新しいシェル(Shell)オプションを選択すると、UV シェルを選択できます。UV シェルを選択する」を参照してください。
  • ハード エッジ表示モード: ハード エッジが表示されると(ディスプレイ > ポリゴン > ハード エッジ(Display > Polygons > Hard Edges))、すべてのコンポーネントが UV テクスチャ エディタ(UV Texture Editor)に表示され、任意のコンポーネント タイプを選択することができます。ハード エッジ表示モードでポリゴンを編集する」を参照してください。
  • シェルおよびコンポーネントの移動: UV テクスチャ エディタ(UV Texture Editor)ツールバーの新しい移動コントロールを使用して、選択項目をすばやく移動します。UV テクスチャ エディタでシェルおよびコンポーネントを移動する」を参照してください。
  • UV の正規化: 新しい最近接タイルの中心(Center on closest tile)オプション(UV の編集 > 正規化(Edit UVs > Normalize))を使用すると、最近接の UV タイル内の UV シェルをスケールすることができます。
  • 簡単なコンポーネント選択: UV テクスチャ エディタ(UV Texture Editor)で現在の選択が分離されなくなりました。選択を行うと、選択されていないコンポーネントは表示されたままになります。
  • ツール ボックスを使用してコンポーネントをトランスフォームする: 移動(Move)スケール(Scale)、または回転(Rotate)ツールを使用して、UV テクスチャ エディタ(UV Texture Editor)でコンポーネントをトランスフォームできるようになりました。

マルチカット ツールの機能強化

機能強化された マルチカット(Multi-Cut)ツールを使用してポリゴンをより簡単にカットおよびスライスします。広範な更新により冗長性が取り除かれ、ポリゴンのカット、分割、および接続が可能になる単一の強力なツールが提供されます。マルチカット ツール(Multi-Cut Tool)では、廃止されたポリゴンの分割ツール(Split Polygon Tool)インタラクティブ分割ツール(Interactive Split Tool)の機能が統合され、フェースのカット ツール(Cut Faces Tool)オプションが完全に統合されました。カットに沿ったフェースの抽出または削除、エッジ ループおよびエッジ フローとサブ ディビジョンを含むカットの挿入、およびスムーズ メッシュ プレビュー(Smooth Mesh Preview)モードでの編集を行うことができるようになりました。

OpenSubdiv サポート

Pixar の OpenSubdiv ライブラリの新しいサポートによって、モデルの高品質のリプリゼンテーションを使用して作業することができます。OpenSubdiv が、スムーズされたメッシュをプレビューしたり、メッシュをスムーズしたり(メッシュ > スムーズ(Mesh > Smooth))、サブディビジョン プロキシを作成したりするときの、既定のサブディビジョン方法になりました。

OpenSubdiv は、旧式の Maya Catmull-Clark サブディビション方法に対して改善された代替方法で、平行する GPU と CPU 構造をうまく利用し、高度なサブディビジョン レベルでメッシュのビューポートのパフォーマンスを向上させます。さらに、新しい OpenSubdiv Catmull-Clark コントロールディスプレイスメントを表示(Show Displacements)をオンにして、レンダーする必要なく、ディスプレイスメント マップをインタラクティブに表示することができます。

改善されたブール演算

ポリゴンのブール演算で新しいアルゴリズムが使用されます。ブーリアン ワークフローに変更はありませんが、 動作が速くなり、安定性と信頼性も向上しました。新しいブーリアン オプションでは、開いたメッシュでの操作に論理積分類(Intersection Classification)手法を選択し、結果をより細かくコントロールすることができます。

展開ワークフローの改善

UV テクスチャ エディタ(UV Texture Editor)ツールバーの新しいアイコンは、シェーダを UV メッシュに一時的に適用し、UV レイアウト内の歪みを識別するために役立ちます。チェッカ パターン シェーダ()によって、UV が均等に広がり、歪曲シェーダ()で収縮および伸長された UV を配置できるかどうかを確認できます。

新しい Unfold3D アルゴリズムの歪みを除去します。Unfold3D は、旧式の展開アルゴリズムに対して、より迅速で、信頼性の高い方法です。1 つの展開操作では、新しいアルゴリズムによって複雑なコーナーでも退化や歪みが排除されます。さらに、新しい最適化オプション(UV の編集 > 最適化(Edit UVs > Optimize))は、展開された UV をリラックスしたり、もつれをといたりするためのより効率的な方法を提供します。

UV テクスチャ エディタで複数タイルの UV テクスチャを使用する

UV テクスチャ エディタ(UV Texture Editor)で、他のアプリケーション(Mudbox、ZBrush、Mari など)で作成された複数タイルの UV テクスチャを使用できるようになりました。

複数タイルの UV テクスチャをロードすると、UV テクスチャ エディタ(UV Texture Editor)は自動的にタイル数を検出し、元のグリッド タイル レイアウトを使用します。各タイルには、対応するテクスチャ ファイルの名前の付いたラベルが付けられます。

モデリング ツールキットの統合

Maya との統合を進める更新により、モデリング ツールキット(Modeling Toolkit)が使いやすくなりました。メッシュ編集ツール(Mesh Editing Tools)が·Maya·のメイン·メニューとマーキング·メニューで使用できるようになり、普段のポリゴン·モデリング·タスクに組み込みやすくなりました。合理的な選択とシンメトリなワークフローにより、Maya とモデリング ツールキットで以下を含む同じ機能と設定を使用することができます。
  • 遅延選択: 頂点の真上にカーソルがない場合に、頂点をハイライトして選択します。遅延選択」を参照してください。
  • トポロジ シンメトリ: Maya がメッシュ トポロジを使用してメッシュの片側のマップ コンポーネントを反対側にマッピングし、変形したメッシュまたはオーバーラップ頂点を持つメッシュで新しいトポロジ(Topology)シンメトリ モードが使用できるようになりました。トポロジ シンメトリでメッシュを編集する」を参照してください。
  • シンメトリ: Maya の対称(Reflection)設定の名前がシンメトリ(Symmetry)に変更されて選択ベースになり、選択ベースのポリゴン モデリング操作をシンメトリに行うことができるようになりました。シンメトリを使用してメッシュを編集する」を参照してください。
  • ソフト選択: 減衰カラーがエッジでのみ描画されるようになり、ソフト選択(Soft Select)がオンの場合にメッシュが見やすくなりました。ソフト選択(Soft Selection)の概要」を参照してください。
  • 選択ボックスのサイズ変更: [Tab]を押したままにして一時的にドラッグ(Drag)選択をアクティブにすることで、既存の選択ボックスでコンポーネントをすばやく追加および削除できます。ドラッグ選択を使用して選択ボックスのサイズを変更する」を参照してください。
  • デッド スペースの選択: カーソルがオブジェクト外にある場合に、エッジと頂点を選択して微調整できるようになりました。デッド スペースで選択する」を参照してください。
  • エッジ リングの選択: 選択(Select)ツールを使用してエッジ リングを選択できるようになりました。エッジ リングを選択する」を参照してください。
  • 選択されていないコンポーネントを削除する: カーソルをメッシュに移動し、[削除]または[Backspace]キーを押して、最も近い未選択コンポーネントを削除することができます。選択せずにコンポーネントを削除する」を参照してください

ベベルの改善点

メッシュに対してベベル操作を実行すると、予想できる結果が生成されるようになりました。
  • ベベルしたエッジは直線で長さが等しく、凹部と凸部のコーナーでより良いベベルを作成します。
  • UV テクスチャ境界がベベル操作中に維持されるようになりました。
  • polyBevel ノードの Fraction アトリビュートは、作業中の単位変更による影響を受けないベベル結果を生成します。

メッシュ メニューの再編成

Maya の再編成されたメッシュ メニューですばやくコマンドとツールを見つけます。メニュー項目が分類されてアルファベット順に一覧表示され、より見つけやすくなっています。コマンドは既存のメッシュ(Mesh)およびメッシュの編集(Edit Mesh)メニューにあり、ツールは新しいメッシュ ツール(Mesh Tools)メニューにあります。

表示されるメッシュ ツール(Mesh Tools)メニューのプリファレンスを削除します。

外周に変換する

選択 > 選択項目の変換(Select > Convert Selection)メニューの新しいオプションでは、コンポーネントの選択項目を選択項目の外周に沿ったエッジの境界、UV、頂点に変換できます。「選択タイプを別の選択タイプに変更する」を参照してください。