Stingray 1.7 (1.7.1177.0)へようこそ。このリリースには、Stingray のいくつかの領域に対する修正や機能拡張が含まれています。これにはテクスチャ読み込みプロセス、レンダリング ワークフロー、Maya との相互運用性における向上が含まれます。さらに、新しくパーティクル エディタが導入されました。これによりパーティクル編集ワークフローは、単一の合理化されたウィンドウに統合されます。さらに、キャプチャ フレームや Story Editor ツールでも向上が図られています。
この更新により、モバイル用の VR プロジェクトの構築支援を目的とした 2 つの新しいテンプレートが提供されています。さらにこの更新は、iOS 上の Google Cardboard、Google Daydream デバイスとコントローラ、および Daydream デバイス上での Android 向け Google Cardboard のサポートを追加します。
さらに、Asset Browser の新しい Online Assets タブで、さらに簡単にサンプル コンテンツを見つけてダウンロードできるようになりました。これによりシーンを数分で作成することができます。これらの機能の詳細やその他の情報については、「新機能」のセクションを参照してください。
このトピックのセクション:
このセクションでは、この Stingray の最新バージョンで使用可能となったすべての主要な新機能を説明します。
ここでは、解決済みのバグと既知の制限事項を、ワークフロー領域別に紹介しています。
このセクションでは、Stingray の最新リリースで判明している既知の新しい制限事項を説明します。
このセクションでは、Stingray の以前のバージョンで開始したプロジェクトの作業を行う場合に、最新バージョンに正常にアップグレードするための手順を説明しています。
テクスチャは、Stingray に読み込まれる際に自動的に圧縮されるようになりました。Stingray はテクスチャのタイプに応じて、各プラットフォームの読み込まれたテクスチャに対して、テクスチャ テンプレートと圧縮設定を割り当てます。テクスチャ圧縮は、テクスチャ ファイルのサフィックス一致またはイメージ分析に応じて適用されます。必要に応じてテクスチャは微調整する可能性はありますが、読み込み時にテクスチャを手動で圧縮する必要はなくなりました。詳細については、「テクスチャを読み込む」および「テクスチャ テンプレートを作成する」を参照してください。
以前のバージョンの Stingray では、Asset Browser、Property Editor、Asset Preview を使用してパーティクル エフェクトを作成および編集していました。Stingray 1.7 では、パーティクル アーティストのワークフローを合理化する、スタンドアロンのパーティクル エディタが提供されています。メイン メニューから Window > Particle Editor を選択するか、既存のパーティクル エフェクトを Asset Browser からダブルクリックして、この新規ツールを起動します。詳細については、「パーティクル エフェクトを作成して編集する」を参照してください。
Stingray 1.7 では、GoogleVR プラグインが導入されています。これは iOS 向けの Google Cardboard、Google Daydream デバイスおよびコントローラのサポートを追加します。Daydream デバイスでは Android 向け Google Cardboard もサポートされます。
これらのデバイス上での VR プロジェクトのレンダリングをサポートするために、Project Manager の Templates タブに、VR Google と VR Gear の 2 つのテンプレートが組み込まれました。
Google Daydream デバイスおよび GearVR デバイスで VR プロジェクトの作成を開始するには、これらのテンプレートを使用します。「GearVR のプロジェクトを作成する」も参照してください。
新しいオンライン アセット フォルダについては、「Asset Browser」を参照してください。アセットはオンラインで直接参照して検索し、プロジェクトに読み込むことができます。オンライン アセットを右クリックして、Download Asset を選択し、アセット パッケージをプロジェクトのカテゴリ固有フォルダにダウンロードしてインストールします。更新されたトピックには、「アセットとサンプル プロジェクトをダウンロードする」が含まれます。
テッセレーションは、標準ベースのマテリアル ノードを使用してアクティブにできるようになりました。サーフェスのテッセレーション係数をコントロールするには、ベース ノード上でのテッセレーション係数の入力を使用します。値を低くすると、テッセレーションも少なくなります。「テッセレーション マテリアルを作成する」を参照してください。
Stingray シェーダは、負のスケールをサポートするようになりました。「オブジェクトにマテリアルを割り当てる」を参照してください。
Capture Frames ツールは、Story Editor に接続されているスタンドアロン ツールです。手順はストーリーを作成して をクリックし、Capture Settings を調整するだけです。新しい設定には、さまざまなカメラと解像度のサポート、および設定を保存して再利用するためのオプションがあります。キャプチャは、新しいキャプチャ フローノードを使用して開始することもできます。詳細については、「Capture Frames ツール」を参照してください。
Connections パネルでは、複数のローカル ホスト PC ターゲットを追加できるようになりました。これはつまり、Run Project をクリックすると、ローカル マシン上で別個のコマンド ラインによって複数のターゲットを自動的に開始できることを意味します。これにより、エディタ エンジン インスタンスのドロップダウンを使用して、複数のターゲットをデバッグしたり、コンソール出力を確認したりすることがさらに簡単になります。「Connections パネルを使用する」も参照してください。
Stingray ヘルプのほとんどのページの下部に緑のボタンが追加されました。これを使用すると GitHub のトピック ソース ファイルにアクセスして必要な変更を加え、オートデスクに通知を送信することができます。ユーザの皆様にご協力いただくことで、Stingray のヘルプの品質をさらに向上させることができます。よいアイデアがひらめいた場合は、「ぜひ参加してください」をご覧ください。Stingray コミュニティへのさまざまな貢献方法を紹介しています。
フォント ファイルを読み込んでフォント リソースを生成できるようになりました。これにより、シャープなエッジでテキストをレンダリングし、スケーリング時にはそれを保持することができます。フォント ファイルを読み込むと、マルチチャネル符号付き距離フィールドのリソースが生成され、そのフォントがプロジェクトに表示されます。この機能は、Plugin Manager で自動的に有効になる、Distance Field Font Importer プラグインにより有効になります。(「Plugin Manager を使用してプラグインを追加および除去する」を参照してください。)
「フォントを読み込む」を参照してください。
アニメーション クリップの長さは、Anim Clip Editor でトリミングするか、または「アニメーション クリップのプロパティ」でトリム値を変更することで編集できるようになりました。「アニメーション クリップをトリムする」を参照してください。
Stingray 1.7 に、指定されたユニット内でビジュアル メッシュの交点をチェックできる機能が新しく追加されました。このメッシュ ピック レイキャストを使用して、サーフェスからビジュアル メッシュ情報(メッシュ内のどのマテリアルがヒットするかなど)を取得できます。(そのレベルの情報が実際には必要ない場合は、代わりに標準物理レイキャストを使用します。)
詳細な資料については、Lua ドキュメント stingray.Unit.mesh_pick_raycast() および フロー ノード ドキュメント (Unit > Mesh Pick Raycast)を参照してください。
重要: 高密度メッシュを含むユニットの場合、レイキャストはパフォーマンスに影響を与えます。
サンプル フロー グラフ:
タグ コンポーネントが Stingray Editor で公開されるようになりました。これにより一連のタグとエンティティを関連付け、特定のタグを持つすべてのエンティティをすばやく検出できます。関連項目:
さらに、エンティティの新しいフロー ノードにより、エンティティのプロパティを取得して設定し、Lua や Story で行ってきたのと同様の方法で、フロー内のエンティティとインタフェースすることができます。
新しいフロー ノードには、次のものが含まれます。
Entity > Set Component Vector Property
このリリースのすべての新しいフロー ノード、変更されたフロー ノード、削除されたフロー ノードの完全なリストについては、「バージョン履歴」を参照してください。
エンジンまたは他のプラグインによって既にマウントされている別のフォルダと名前が一致するフォルダがプロジェクト内に含まれている場合(core フォルダなど)、プロジェクトは、プロジェクトのフォルダのコンテンツを既存のフォルダ上で合成するようになりました。これにより、Appkit スクリプト ファイルなどの選択したコア リソースを、core フォルダ全体をプロジェクトにコピーする必要なく、さらに簡単にオーバーライドできるようになりました。
Stingray 1.7 には、Wwise バージョン 2016.1.3 が統合されています。これにはさまざまな新機能とバグ修正が含まれています。
前のバージョンの Stingray で構築した既存のプロジェクトがある場合、プロジェクトを Stingray 1.7 にロードまたは移行するとサウンド バンクは自動的に再生成されます。プロジェクトに含まれているオーディオの量に応じて、再生成プロセスは長時間かかる可能性があることに注意してください。
重要: Stingray が既存のサウンド バンクを正しく移行できるように、Wwise プロジェクトが使用可能で書き込み可能であることを確認してください。自動移行で問題が発生した場合は、手動でサウンド バンクを再生成することもできます。(「サウンド バンクを生成する」を参照してください。)
プラグインは、テンプレート プロジェクトを提供するようになりました。これは Stingray に付属のテンプレート プロジェクトと同じように、「Project Manager」の Templates タブにリストされます。テンプレート エクステンションのヘルプを参照してください。
エンジン プラグインのホット再ロード システムには、いくつかの修正と改良が加えられています。過去にホット再ロードの機能で問題が発生したことがある場合は、新しい手順を実行してください。
Maya でレベルの同期を使用するときに、既存のアセットを更新できるようになりました。Send Level ウィンドウ(Singray > Send Selected/Send All > )で Update Existing Assets を有効にすると、Maya でのジオメトリへの変更は、シーンの送信時に Stingray にプッシュされます。「レベルの同期を使用して Maya および Maya LT からアセットを送信する」を参照してください。
Stingray は、イメージ ベースのライティング用の、高解像度範囲の EXR ファイルをサポートするようになりました。.EXR ファイルを、お使いのレベルのスカイドームとして使用するために読み込みます(または Asset Browser にドラッグしてドロップします)。「サポートされるファイル形式」と「スカイドーム テクスチャを作成する」のトピックは更新されています。
Stingray に付属の Maya 2017 および Maya LT 2017 用 PhysX プラグイン インストーラは更新され、最新バージョンの PhysX プラグイン バージョン 3.3.21117.04582 をインストールするようになりました。関連情報については、「DCC ツール用 PhysX プラグインをインストールする」を参照してください。
このセクションでは、Stingray の既知の制限事項と回避策について説明します。
「修正事項」セクションに特に記載のない限り、このリリースには以前のバージョンの「Stingray リリース ノート」に記載される「既知の制限事項」と同じ内容が適用されることにご注意ください。
GAME-19936 プロジェクトのコンパイルは UV アンラップ時にハングしているように見える
複雑なメッシュが含まれているプロジェクトを開くと、プロジェクト コンパイル プロセスが UV アンラップ時にハングしているように見えます。
回避策: 書き出しの前に DCC ツールで UV を手動でアンラップして、複雑なメッシュに対する準備をします。
GAME-20689 Wwise エディタからのリモート同期では Android 上の Stingray に接続できない
Android デバイス上で実行する Stingray エンジンのインスタンスに Wwise エディタのリモート同期機能を使用して接続しようとすると、デバイスへの接続は失敗します。場合によっては、デバイス上のエンジンがクラッシュすることもあります。現時点では、この問題に対する回避策はありません。
GAME-20834 3ds Max からのレベルの同期(Level Send All を使用)が読み込みプロセスの終わりに停止する
アセットを 3ds Max と Stingray との間で Stingray > Level Send All (3ds Max 側で指定)によって初めて送信する場合、読み込み操作は Update textures がオンであると停止します。
回避策: アセットを初めて送信するときに、Update textures をオフにして Level Send All を指定します。後続のレベルの同期操作で、Level Send Selected または Level Send All を、必要に応じて Update textures をオンにして実行できます。
GAME-21615: Capture Frames ツールによってレンダリングされる最初のフレームはストーリーのアニメーションの一部ではない
回避策: Capture Frames ツールをさらに数フレーム長く実行して、すべてのアニメーションが確実にキャプチャされるようにします。
Stingray を含むオートデスク製品の完全なインストール ガイドが、Stingray オンライン ヘルプ(こちら)に含まれています。
このセクションでは、Stingray の旧バージョンを使用しているユーザ向けに、特定のアップグレード手順を必要とする改善点と修正事項について説明します。
以前のリリースの Stingray で作成されたプロジェクトをロードすると、現在のリリースでは、以前のプロジェクトからのデータを新規バージョンの Stingray で機能するように自動的に移行します。つまり、Stingray 1.6 で作成されたプロジェクトは、シームレスに Stingray 1.7 で機能するように移行します。
Stingray 1.6 から、すべてのプロジェクトは .stingray_project ファイル拡張子で作成され、Stingray 1.7 でプロジェクトを開くには、そのプロジェクト ファイルが Project Manager で必要とされるようになりました。この変更は、1.6 よりも前のバージョンの Stingray で作成されたプロジェクトは、Stingray 1.7 では直接開くことができないということを意味します。
Stingray 1.7 で旧バージョンのプロジェクトを開くには、まず Stingray 1.6 を使用してプロジェクトを開く必要があります。これにより .stingray_project ファイルが作成され、必要に応じて他のデータ変換が実行されます。次に Stingray 1.7 でプロジェクトを開くことができます。
以前のリリースでは、テンプレート プロジェクト内の boot.package ファイルは、* = [*] ワイルドカードを使用してプロジェクト内のすべてのタイプのリソースを照合していました。これにより、プロジェクト内に置いたすべてのコンテンツ(およびコア リソースのすべてのコンテンツ)は、プロジェクト内のどこにコンテンツが配置されたとしても、ランタイムに必ずコンパイルされ、バンドルされ、プロジェクトにロードされました。この欠点は、プロジェクトが大きくなるにつれて、エンジンが使用可能なメモリに収まりきらない量のリソースをロードしようとするとクラッシュしてしまう場合があるということでした。特にモバイル プラットフォームの場合にこれが問題でした。
現在はテンプレート プロジェクト内の boot.package が変更され、すべてを含めるようなワイルドカードが使用不可になりました。
この変更は、1.7 のテンプレートから作成したすべての新しいプロジェクトに影響します。
新しいテンプレートの 1 つからプロジェクトを作成し、プロジェクトの実行時に欠落リソースについてのエラーが示される場合、リソースが boot.package ファイルに含まれていないことが原因である可能性があります。
この変更は、旧バージョンの Stingray で作成されたプロジェクトには影響しません。それらは、引き続き同じように機能します。
各テンプレート プロジェクトは、必要なすべての既定リソースをロードするようにセットアップされます。
独自の新規コンテンツを追加する場合は、そのコンテンツが boot.package 内のリソース仕様によって選択されるかを確認します。テンプレート ブート パッケージは content/levels の下に保存されている全レベルをロードするので、そこに保存している限り、独自のレベルと、それらが依存するすべてのリソースも正しくバンドルされます。ただし、Lua で動的にスポーンするコンテンツについては注意してください。
どのテンプレート プロジェクトでも、boot.package ファイルの先頭にある行 //* = [*] の最初の 2 つの斜線 // を除去することで、以前の自動ロード方式に戻ることができます。
詳細については、「ランタイムでコンテンツをロードおよびロード解除する」および「リソース パッケージを定義する」を参照してください。
このリリースの Lua API のすべての新しい要素、変更された要素、削除された要素の完全なリストについては、「バージョン履歴」を参照してください。
プロジェクト内の API 要素が変更または除去された場合は、それに応じてコードを調整する必要があります。
最も重要な変更の概要:
エンジン プラグインの管理に関係するすべての関数は、新しい stingray.PluginManager ネームスペースの下にまとめられています。古い stingray.Application.all_plugin_names() および stingray.Application.set_plugin_hot_reload_directory() 関数は除去され、いくつかの新しい関数が追加されています。詳細については、stingray.PluginManager ネームスペースを参照してください。
POST メッセージを HTTP で送信するには、Http.post() 関数を使用します。
エンティティが使うことを意図したカスタム スクリプト フロー ノードを使用する場合、エンティティによりそのノードを評価するために、Application.flow_callback_context_entity() をカスタム フロー ノードのコールバック関数で使用できるようになりました。
プロジェクトで Gameware Navigation を使用する場合は、NavMesh 生成の Lua への公開を含むいくつかの変更の詳細について、バージョン履歴を確認してください。
Application.quit() は、アプリケーションがシャットダウン時にオペレーティング システムに戻す、オプションの終了値を受け入れるようになりました。
Unit.set_animation_bone_mode() により受け入れられ、Unit.animation_bone_mode() によって返される設定名は、名前が変更されて先頭が delta_ となり、Unit.set_animation_root_mode() および Unit.animation_root_mode() によって受け入れられ、返されるものと似た形式になりました。
このバージョンには、フレーム キャプチャのコントロール、レベル フロー イベントのトリガ、ライトやユニットからの詳細なプロパティの取得、外部入力/出力変数としてのメッシュとマテリアルの交換などのための新規ノードが含まれています。
Unit > Mesh Pick Raycast は、特定のユニットが所有するメッシュに対してレイキャスト衝突テストを実施し、レイによりヒットされたマテリアルを含む情報を返します。レイによりヒットされるマテリアルを把握することは、マテリアルごとに異なるサウンド(足音や銃弾衝撃など)や異なるパーティクル エフェクトを再生する必要がある場合に役立つことがあります。注: ただし、このレイキャストは通常のレイキャストよりも多くの CPU リソースを消費します。特に多くの三角形があるメッシュはそのようになります。
1 つのノードのみ変更されています。Application > Quit では、アプリケーションがシャットダウン時にオペレーティング システムに返す、オプションの終了値を受け入れるようになりました。
このリリースのすべての新しいフロー ノード、変更されたフロー ノード、削除されたフロー ノードの完全なリストについては、「バージョン履歴」を参照してください。
Output > Standard Base ノードは、テッセレーションとワールド空間ディスプレイスメントをコントロールする入力と、ハードウェア テッセレーションを有効または無効にする新規オプションを受け入れるようになりました。
さらに、入力データがシェーダのドメイン ステージで必要とされる場合にテクスチャからその入力データを読み取るために、新しい Sampling > Domain Sample Texture ノードを使用できるようになりました。たとえば、新しいテッセレーション係数とディスプレイスメント入力の値を指定する場合などがこれにが該当します。
Utility > Flipbook ノードの Sprite Columns と Sprite Rows ノードに入力した値は、スプライト シート上に正しく出力されるようになりました。
このリリースのすべての新規シェーダ、修正されたシェーダ、および除去されたシェーダの詳細リストについては、バージョン履歴を参照してください。
Stingray は、ソース コードからすべてのコンポーネントを再構築するために、Visual Studio 2015 を必要とするようになりました。最新情報については、「ソフトウェア要件」を参照してください。